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ドッペルゲンガー!怪人 ジャーケン

フォックス、狐、稲荷?大明神?

サエキは刑事の勘というやつが備わっていた。

さっそく、学校の図書室に足を運んで、稲荷に関する本を手に取った。

サエキ「……ウカノミタマ。五穀豊穣の女神様ねぇ。」

図書室の長机に置いていたサエキの時間停止力場探知装置のアラームが鳴る。

サエキ「いけね!今日バイトのシフト入ってたんだ!」

ヌキナにどうしても変わってほしいと頼まれたバイトのシフト。探知装置のアラーム機能があったので試しに入れてみた。

『今日は、これからバイト。今日は、これからバイト。…………』

探知装置からサエキの声でバイトの時間を知らせる音声が繰り返される。

サエキ『うわ!?どうやって消すんだコレ!』

図書室にいた生徒たちの視線に、サエキは針のムシロになった気分だった。


ワカマツ「サエキー!お前、また遅刻かよ!たるんでるぞ!」

サエキは平謝りするしかなかった。ワカマツも小言はそこそこにレジの対応に追われた。その日は客の入りがよかった。

ワカマツ「レジお願いしまーす!」

それを聞いたサエキも品出しを途中で切り上げて、なれないレジウチに入った。

ある程度捌いて、店にいる客はエロ雑誌コーナーで立ち読みしている大学生位になった。一段落だ。

オーナー「ワカマツ君、サエキ君。」

オーナーに呼ばれて一人づつ中に入る。

オーナー「今月の給料明細だ。ヌキナくんにも渡しといてくれ。」

サエキ「ありがとうございます!」

サエキはバイト上がりのついでにコンビニのATMでお金を下ろした。その間にワカマツは自分のスクーターに乗って帰っていった。日はとっくに落ちてあたりは暗い。制服に着替えて、店の外に出る。

サエキ「あ、ヌキナのとこに行かなくちゃな。」

給料明細はヌキナの家のポストにでも入れればいい。

サエキはふと思い立った。ヌキナの家までの道中にスーパーがあった。サエキはスマホを取り出した。

サエキ『今日、給料日。ダイジョースーパーによるけど何かいるものある?』「と、送信。」


ダイジョースーパー。ワカマツグループの根幹をなすスーパーでフランチャイズでもないのに全国に店を出している。直営の工場から総菜を仕入れてるので味はどの店でも均一、大量に仕入れられるから安い総菜が売りのスーパーだった。

サエキ『なになに?ポテトサラダか。いいね。』

母からの返信、リクエストが返ってきていたのでスマホを確認する。総菜コーナーで半額シールのものを選ぶ。

「あら、サエキ君。珍しいわね?買い物?」

サエキが声のする方を向くと、隣には、目の下にクマを作ったフシミが立っていた。

サエキ「フシミ先生、部活帰りですか?」

フシミ「違うわよ。中間テストの問題作り。教師は大変なんだから。」

フシミのレジカゴにはリキュールの炭酸カクテル500ml缶が数本入っている。

フシミ「ここのいなり寿司、美味しいのよ?」

フシミは半額シールの貼ってある、いなり寿司のパックと唐揚げをかごに入れた。それを持って無人レジへ向かう。

サエキ『あれ、晩飯かよ?』

サエキも惣菜をとってレジに続く。

フシミが有料レジ袋にパック等を入れていると、サエキが横に来た。

フシミ「サエキ君も、終わり?もうちょっと選べばいいのに。」

そういい終わる前にサエキは蒸したチキンのサラダパックをフシミに差し出した。

サエキ「今日、バイトの給料日だったんで、よかったらどうぞ?」

フシミは少し躊躇したが、それを受け取った。

フシミ「ありがと!でも、テストに色はつけないわよ?」フシミはいたずらっぽく笑う。


ゴゴゴゴ……

フシミと別れて店を出ると、耳鳴りがして、サエキ以外の時が止まった。

ピキッ

それを合図に、ハカイソー達がサエキの前に集まってくる。

サエキ「出たな!ソッカー!」

ハカイソー「ギギ!見つけました!ジャーケン様!」

ハカイソーたちの後ろから目玉の怪人が現れた。

ジャーケン「お前がクウカイレッドだな!調べはついてるぞ!ソッカーに楯突く愚か者め!」

そんな状況にありながら、サエキは不敵に笑った。

サエキ「さっそく、アレを試す時が来たな!」

合掌。光がハカイソー達の攻撃を妨げる。

サエキ「赤き海、クウカイレッド!」

サエキはクウカイレッドに変身し、名乗りを上げた。

サエキ「ドッコガン!」

そう叫ぶと、サエキの右手に空間が開き、そこからドッコの形をした光線銃が出てきて、サエキは素早くそれを握ると銃口をハカイソー達に向けた。

サエキ「お前達には黙秘権がある!」

ジャーケン「なめやがって、行け!ハカイソー!」

ギー!ギー!

ハカイソー達は持ってる警棒でサエキに襲い掛かった。それを華麗に避けるとサエキはドッコガンの引き金を引いた。

ビー!

ハカイソー「ギーー!」

ビームが当たったそばからハカイソーはかき消えた。

サエキ「シッダー博士、すげーよコレ!」

サエキはビームを連射する。次々にかき消えるハカイソー達に目玉の怪人のジャーケンは焦った。

ジャーケン「グクッ!おのれ!クウカイレッド!これを食らうがいい!」

ジャーケンの目が怪しくフラッシュする。

サエキ「う!」

?何ともない?サエキは面食らった。

ジャーケン「クックック、お前の相手はコイツよ!」

ジャーケンは目から黒っぽいクウカイレッドを出した。

サエキ「なにぃ!?」

黒いクウカイレッドがサエキに襲いかかる。一瞬、対応が遅れ、サエキは黒いクウカイレッドの上段蹴りでドッコガンを叩き落とされてしまった。

サエキ「クソ!」

パンチ、キックの打ち合い。黒いクウカイレッドの攻撃はハカイソーたちのそれに比べてはるかに重い。

受ける手がしびれる。

サエキ『もう一つの武器を出してる隙がないぞ?!』

その時、上空から一本の警棒(?)が二人の間に投げ込まれ地面に突き刺さった。

ジャーケン「誰だ!」

月の中に立つ狐のお面をつけたライダースーツの女性が叫ぶ。

フォックス「フォックス=ウガージン!そこまでよ!ソッカー!」

サエキ「今だ!シャクジョーソード!」

サエキが右手を空に掲げ叫ぶとシャクジョーの形をした両刃の細剣が降ってきた。

サエキ「チェェストぉ!」

ズバン!

サエキは黒いクウカイレッドを一刀で切り捨てた。

切られた黒いクウカイレッドはかき消える。

ジャーケン「ぬうぅ!ここは撤退だ!」

怪人がそういうと残ったハカイソーを数人連れて怪人は闇に消えていった。

それと同時に、世界がもとに戻りだす。

フォックス「なによ、武器があったのね。」

アスファルトを突き破って地面に刺さる警棒を取るとフォックスはクウカイレッドに向き直った。

サエキ「あ、ほっぺに米粒が……」

フォックス「あらやだ。」

フォックスは恥ずかしかったのか、咳払いをすると踵を返した。それと同時に、時間停止が解ける。

サエキ「あの、助けてくれてありがとう!」

フォックスは後ろ手で手を上げるとそのまま闇に消えていった。


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