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フ"ンカサイ[前編]

高校生活、最後の文化祭はサエキ達のクラスはカフェをすることとなった。

シッダー博士「それでここのミル器を借りたいって?」

サエキは進路指導室のシッダーが部屋にミル挽き器を持ち込んでコーヒーを作ってたのを知っていたので、借りれないか交渉に来たのだった。

ちょうど、今もシッダーが淹れたてのコーヒーにドバドバ砂糖を入れている。

サエキ「お願いします!博士!」『砂糖、スプーン5杯……』

シッダー博士「うーむ。まぁ、その日だけならいいか。壊さないでくれよ?高いんだから。」

サエキは交渉が成立したことを大いに喜んだ。

サエキ「よっし!!」(ガッツポーズ)

シッダー博士「ところでワカマツ君とヌキナさんは?」

ここにはサエキしか来て居ない。ナンマイダーの活動をするようになって三人で居ることが増えた。

サエキ「アイツラなら、教室でギターの練習してます。アイドル活動の幅を増やすとかどうとか?」

シッダー博士「ふーん。」

シッダーは激甘であろうコーヒーに満足げだった。

サエキ「……」

シッダー博士「話は変わるが、ソッカーの教団への勧誘方法がわかったぞ?」

サエキは驚いた。時間停止下で拉致してるだけ、そう思っていたからだ。

シッダー博士「モーゴとキーゴがサーフィンで見つけたんだ。」

サエキ「サーフィン?」

シッダー博士「ハカイソー手術でマインドコントロールが解け、ソッカーから抜けたヤツの書いた書き込みを見つけて、モーゴとキーゴがその書き込みの真偽を確認したら、中のやつしか知らない施設内の特徴とかが一致。本物だろうってなったんだ。」

サエキはなるほどと唸った。つか、あの怪人たち今はシッダー博士の所にいるのか?

それで、その手口とは?サエキはシッダー博士の次の言葉を待った。

シッダーはコップに溶けずに残った砂糖が落ちてくるのを口を開けて待っていて、なかなか言わない。

サエキ『マイペースだなぁ、この人……』「先生。その手口っていうのは?」

話が長い。いつものことだが、この変わったインド人の先生の話は長い。サエキは苦笑いを浮かべた。

シッダー博士「……あぁ、なんでも、駅前でキャッチしてて、いつの間にか入信させられてって話しだそうだ。」

サエキ「なるほど。」『今度、三人で当たってみるか。』


教室に戻ると、中からギターの練習の音はしてなかった。

サエキ『アイツラ、先に帰ったのかな?』

ガラッ

教室を開けると2人の熱いキスシーンを目撃してしまった。

ワカマツ「!サエキ!」

ヌキナ「え?!」ワカマツもヌキナもサエキに向き直った。

サエキ「ご、ごめん!」

サエキはバツが悪くて、思考停止し、カバンも持たず、その日は置き勉して帰ることにした。

後ろで2人が何やら話しかけているようだが、サエキの耳には届いてなかった。

家に帰って、ようやく落ち着く。

サエキ「高校生だもんなぁ……」

勉強も手につかず、ベッドに横になり、天井を見つめる。

風神『どうします?』

体の内なる声がする。さっきのソッカーの勧誘の件だろう、ちょうど今それを思い出してたところだ。

サエキ『俺と風神でいけるかな?やってみよう。』


次の日、学校を無断で休んだサエキは駅前に張り込んだ。

サエキ『俺は顔がわれてるからなぁ……』

風神『男の娘スタイル、バッチリですね?』

私服の三つ編みメカクレ地味女(男の娘)。

サエキ『服は洗って母さんのタンスに返せばいいよな。』

駅前を行き交う人々のどれが、ソッカーの奴なんだろう?キャッチセールス、新興宗教の勧誘、はたまた大道芸人?ギターの弾き語りをしてるやつだろうか?

サエキは物陰から駅前を観察していたが、わかりそうになかった。

風神『私にお任せあれ!』

サエキの体から出た風神。その姿は透明で輪郭が少し分かる程度だった。普通の人には分からないだろう。

スッスッスッ

風神の姿は人々と間を縫うように風のごとく移動する。

パリリッ

皮膚に電気が走るのか行き交う人が足を止める。

サエキは風神が何をしてるか分からず、ただただ、物陰から見守るしか無かった。

バシュン!

セールスをしていた怪人「?!なんだ!?変装が!」

風神『やりました。』瞬時にサエキのもとに帰ってきた風神を確認すると、サエキは変装のカツラを取って物陰から躍り出た。

サエキ「みつけたそ!ソッカー!」

怪人「ぬう!貴様、サエキリョータ!ここで会ったが百年目!皆のもの、であえ!であえ!」

ピキッ

突然の怪人の出現に驚いて駅前から逃げようとする人々が動きを止める。

「ギー!ギー!」

駅前にどこからともなく現れたハカイソー達が集まってきた。舌が2枚でているサイボーグの怪人は名乗りを上げた。

リョーゼツ「俺はリョーゼツ。初期型怪人だからと油断したか?一人で来るとは、舐められたものだ。」

サエキ『知らねーし。』サエキは合掌してクウカイレッドに変身した。名乗りはもういいや。そんな年じゃなかった、俺達。少年のままだったサエキの心は自分で分かるくらい変わっていた。

リョーゼツ「やれ!ハカイソー共!」

ギー!ギー!ギー!

ハカイソー達がサエキに電磁警棒を振りかざして殺到する。サエキは構えるでもなく、素早く刀印を抜刀し空に五芒星、九字を切ると。手印を作った。

サエキ「臨兵闘者皆陣烈在前!」

ズヒュン!

サエキの体の前に筋骨隆々の大男がいきなり現れる。

それを見た、ハカイソー達が驚いて足を止める。

サエキが帝釈天印を作ると風神が大きな竜巻を発生させハカイソー達を諸々に宙に巻き上げた。

ハカイソー「ギ!ギィィー!」

空高く舞い上がったハカイソー達は地面に叩きつけられことごとく黒い瘴気と共にかき消えた。

リョーゼツ「なんだそいつは?!きいてないぞ!」

リョーゼツはその光景にたじろいだ。風神は瞬時にリョーゼツの目の前まで瞬間移動する。

リョーゼツ「うう!」

ボッ!

風を切る音と共にリョーゼツの顔面に風神のパンチがめり込む。

リョーゼツ「うぐわ!」

部品をまき散らしながら、リョーゼツの顔が割れる。

ボッ!ボボッ!ボッ!

風神の拳のラッシュがリョーゼツの体を破壊する。

リョーゼツ「……む、無念。ソッカーに栄光あれ!」

そう言い残すと怪人はその場に倒れ爆散した。

駅前にもとの時間の流れが戻り、サエキの変身も溶けた。

サエキ「なんだよ、俺一人でもどうにかなるのか?」

風神『二人ですけどね?』

風神は瞬時にサエキの隣に立った。

サエキ「頼りにしてるぜ、相棒。」

サエキはもう、ナンマイダーを止めようと決心した。

サエキ「これからはオレ一人でソッカーと戦う。」


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