表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Over And Over 〜或る男の悲しくも儚い異世界復讐譚〜  作者: 前田ヒロフミ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/99

幕間 貴女は誰ですか? 

文字数:1646字

「ほっ、良かった。大丈夫、大丈夫です、ゲイルさん、ガスさん。レインは炎柱の中で生きてます、もう心臓が止まるかと思った……本当に良かった〜」


「良かったっす! マジで良かったっすよ! やっぱり凄いっすよ、レイン殿は!」


「このクソ野郎のノータリンめ! 当たり前だろが! レイン殿がそう簡単に死ぬわけがない!」


 レインが炎柱の中で生きていたことを確認できて喜びを爆発させるエミリーと二人の騎士。


 でも、本当に無事で良かった。


 手に手を取って喜び合うエミリー達の横で、わたしはほっと胸を撫で下ろす。


 あの時、意を決した表情のレインがいた。


 そんな彼がわたしとエミリーに視線を向けると、右手を掲げて()()()()()をした時、流石のわたしも愛しの人がこれからやろうとしていることを止めるため、光鏡壁(リフレクト)を解除して洞窟から飛び出そうと思ったくらいだった。


 今も目の前で降り注いでいる無数の銀矢。


 レインは自分の置かれた状況を分析し、合理的な判断をしたのだろう。


 10万の銀矢が降り注ぐ中にその身を置くか、それとも勇者達の見事な三位一体の陣容が待ち構える炎柱の中へ敢えて飛び込むか。


 レイン・アッシュが下した二つに一つの判断は、(おのれ)の命を(みずか)ら救ったのだ。


(凄い、凄いよ、レイン。あなたはわたしが思った通りこの世界を救う救世主になる人だ……わたしの愛しの人は救世主、わたしの救世主様だよ)




『いやぁ、ホントに凄い凄い♪ ドッキドキのドキドキだった♪ (わらわ)も久しぶりにめちゃくちゃ興奮して手に汗握っちゃったよ♪ もう最高で〜すって感じの感じ♪』


 

 

 ……わたしは難聴ではない。はっきり言って耳は健康そのものであり、良く聞こえるほうだと思う。


 だけど今、女の声を耳にしたような気がする。


 それも、いかにも軽い感じでアホ丸出しの女の声が。


 現在、この洞窟の中にいるのは(まご)うことなく四人だけのはず。わたし、エミリー、それとゲイルにガスの男女四人である。


 わたし以外で洞窟の中にいる女は、エミリーただ一人だけだ。


 そのエミリーはというと、相変わらずゲイルとガスの三人でレインの無事を喜び合っている。


 ……どういうこと? わたしの空耳? 色々なことがあって知らず知らずのうちに疲れていたのかな。


『違うよ、空耳じゃないからね』


(!!)


 聞こえた、間違いなくわたしの耳に、ううん頭の中に女の声が聞こえたのだ。


『初めましてだよね、聖女カリン・リーズ』


(……誰? 貴女(あなた)?)


(わらわ)? 知りたい?』


(別に)


『……い、いや、あのさ、そこは知りたいって言うのが話の流れじゃない?』


(ふん、だいたい察しがつくよ。どうせあいつ()のお仲間って感じでしょ? 悪いけど、今のわたしは貴女たちの遊戯に付き合っている暇はないの)


『きっつ〜、遊戯とか言っちゃうわけ? でも、やっぱあいつ()が認めただけはあるね。そのくらいの気概がないと聖女は務まらないからさ。今、聖女がどういう状況にあるか理解してるよ。それでも、(わらわ)はカリン・リーズに語りかけている。それはね、あなたとレイン・アッシュに関わるとても大事な話があるから――』


(レ、レイン? わたしとレインの話って何よ? 早く話しなさいよ!)


『ちょっと先程とは打って変わって食いつきいいわね、あなた。しかしながら、その前に(わらわ)が誰なのか気になるであろう?』


(貴女がどこの誰かなんてまったく気にもならないし、これっぽっちも興味がない! そんなことよりわたしとレインの話を早くして!)


『もう〜、マジのマジで(あったま)きた! ガチのガチで絶対話さないからね! 教えてやるもんですか! ホントにムカつく〜! キィィィ!』


(もう! 貴女がいったい誰なのかを聞けば、ちゃんと話してくれるのね? 絶対にわたしとレインの大事な話とやらを教えてよね!)


『さぁね、それはどうかしら? 興味あるならば、(わらわ)が誰であるかを聞いてみるがよい』


(はいはい、貴女は誰ですか?)


『ふふふ、知りたいの? そんなに知りたいなら教えてあ・げ・る♪ 耳の穴をかっぽじってよく聞きなさい、そしてびっくり仰天なさいよ、聖女カリン・リーズ! (わらわ)は女神! そう、美の化身たる女神様よ!』



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ