第二話 Judge
「ここまでで大体2時間くらいかな?」
1-1-6-8-2通路に入ってすぐ。
閉じた部屋で休息を取ることにしたカードパーティ。
そこまで100ブロック強、距離1000メートル強。
パーティであるがため進行速度は一番遅い者に合わせることになる。つまり大剣とプレートメイルを見に纏う前衛剣士のヴィクトワール。
それゆえ2時間というのは仕方がなく、モンスターとの戦闘もモンスターに対する警戒も行いつつと考えれば早い方だった。
「カードさん」
「んにゃ?」
「カードさんたちは今後どうするおつもりですか? 今日だけでなく、これからの方針として」
「そのあたりは深くは話し合ってないね。実力も金もないからさぁ」
「では、希望としては?」
今後の展望。
計画がないワケではないが、それは計画というよりもそうするしかないというモノ。
それに対して望みを聞かれ、少し考えるが結論は決まっていた。
「希望? そりゃお金を稼いでさ、良い装備とか良い道具とか揃えて、最奥まで攻略していずれは騎士に。でしょ」
「皆さんもそうなのですか?」
「まあ、ダンジョン攻略の理由はそうね。私は研究のお金が欲しいだけだけど」
「アタシは騎士になりゃ強い奴と戦えるからだな」
「なんと、なく」
「金欲しさ」
それぞれの回答。
騎士を目指してダンジョンに挑む。
その全員が高潔な理由を持っているワケではない。
ほとんどの場合、帰結するのは遊ぶ金欲しさだ。
「そういうアルバさんは?」
「私ですか? 私は異国の身で信用もなく、稼げそうなのが開拓兵くらいだからでしょうか。日銭程度なら他のダンジョンでも良かったのですが、騎士になれるのであればなりたいと思いまして」
「そっか。俺はこの国の人間だからあまりわからないけど、暮らすなら国内での信用も大事かもね」
「はい」
カードはそれ以上言わなかった。
理解のない部分に下手に言及するのは悪手であり、それを初対面同然の人間に行うのは最悪であると理解しているから。
結果、静寂が響く。
「じゃ、行こうか。今日はそれぞれの背嚢がいっぱいになるまで、ね」
「ゴブリンのでか? 正気かよ」
「私回復魔術は簡単なのしか使えないからね? ちゃんと理解しておいてよ?」
「無謀」
「相も変わらず楽観的だな」
「ははっ、ヒデー」
「体力、持ちますかね? 武器も」
「武器はへーき。単純な装備だから俺が【複製】できる」
メンバーの装備はほぼ全てが最も安価なモノ。
カードの短剣と軽装、レオーネの耐魔ローブ、ヴィクトワールの大剣とプレートメイル、ソフィアの革の胸当てとローブ、ウォルフリックの短刀と革鎧であれば複製が可能。
無理なのはレオーネの剣創杖とソフィアの魔導弓とウォルフリックの魔道具だ。
理由としては、それらは魔術的構造が複雑でありその複製には膨大な魔力が必要ということ。
少なくとも今のカードでは魔力不足。
同じ理由で貨幣は偽造できないし、仮にできても重罪のためする気もない。
「敵、いるぞ」
「――」
ウォルフリックの言葉に全員が警戒をする。
時間が経つにつれて普人種であるカードの耳にもその音が入るが、入り組んだダンジョンでは反響からその正確な方向や距離がわからない。
「あっちだ」
指さしたのは進んだ先にある丁字路の左側。
少しずつ近づく足音は小さく。
ペチ、ペチと裸足の音。
重なる音のせいでその正確な数はわからないが、四は超えている。
「――」
「――」
指で指示を出し、先頭にソフィアが立ち。
すぐ後ろの左右にカードとヴィクトワールが構える。
「――っ……」
一体のゴブリンが顔を出す。
続いて並んだ二体のゴブリンが顔を出し。その頭をソフィアの矢が穿った。
「しッ」
「らァッ!」
突然の攻撃に困惑するゴブリンたち。
疾走するカードたちはゴブリンの対処よりも早くそのもとへたどり着き、先頭の二体にはあえて攻撃せずそのまま奥に控える不明数のゴブリンへと向かう。
「裏数3!」
先陣を切ったヴィクトワールが数を叫ぶ。
「魔術士1! 弓1! 短剣1!」
続くカードがロールを伝える。
二人の後方で火が二つ爆ぜ、遅れて火の中を人影が一つ訪れた。
「魔術士は私が!」
「弓は俺!」
「オッケ!」
一気に加速し、カードの横を通りすぎるアルバはそのまま呪文詠唱を行っていたゴブリンの首を切り裂く。
割れる喉元。血が外にも内にも垂れ。
そして制御を失った魔力がゴブリンの内側から爆ぜた。
「ほッ」
続いてカードが弓使いに近づき、弦を切り使用不可に。
弦に矢を番えていたゴブリンは弦という支えを失って引いていた腕を大きく後ろへ流し、無防備になったところをカードは切りつける。
脇を切りさき出血とともに怯ませ、そのまま肋骨の隙間から刃を突き立てた。
『グァッ……』
肺へとたどり着いた刃を通して内部に針を【複製】した。
栗やウニ、あるいは蒔き菱のように広がった針は呼吸の度に内部から肉体を壊す。
激痛による反射でダメージはさらに。
ロクな思考もできなくなったところで足払いをかけ、床と強く衝突したことで針が魔石を割る。
「弓、完了! 他はッ?」
「短剣終わった!」
「――魔術士完了です!」
「こっちも三体終了!」
「――周辺敵ナシ」
「――ふぅ、お疲れさま」
互いに声を出し、パーティ行動時のルールを理解して少し遅れて声を発するアルバ。
戦闘終了の声で血を振り払い、鞘に納める。
「ん、大丈夫そうだね。じゃ、次、行こうか」
――――――――――
「さて、どうだった?」
その場には五人。
アルバの姿だけがない。
「実力は、まあ、良かったと思うわね」
「アタシは反対だな。胡散臭い、背中を預ける気にはなれない」
「どうでも、いい」
「俺も無理だな。探索の効率は大して変わらない。人数で割る分稼ぎだけが減る」
「私は……中立だけど賛成寄り、かな? 知識がそれなりにあるみたいだったし、役立つかも、って」
「けどウチにはレオーネ、お前がいるだろ。アタシはそれで充分だと思うがな」
「高く買ってくれてありがと。正直私も彼女の知識が優れてると感じたワケじゃないからみんなが反対ならそれでいいと思うわ」
「あと、俺、あの匂い苦手」
「?」
「個人的な趣味?」
「全身に染みついた沈香。鼻を刺す」
「……なるほど? それがウォルフリックは苦手、と」
「そうだ」
「……他は? 総合してみんな反対ってことで良いのかな?」
「まあ、そうなるわね」
「ああ」
「好きにして」
「反対」
「……わかった。俺からパーティ契約はムリってことを伝える。だから明日は休みでいいか?」
カードの問いに全員が頷く。
その意思を確認し、カードは少し面倒くさそうに頭を掻きながらゆっくりと席を立ち、酒場を後にした。
「アイツ、食欲ないのか?」
「さぁ?」
全員で頼んだ食事にあまり手をつけずにいなくなったカードを見てウォルフリックはそう呟く。
「……」
「……」
「……いるんだろう? 出て来なよ」
酒場を出てすぐ。
宿の隣の路地でそう声を発し、少ししてから影が揺らいだ。
「いつから?」
「初めから。昨日聞いたばかりの能力だからね、イヤでも意識しちゃうよ。それに……俺なら同じことをするだろうから」
「そうですか。では話す必要も――」
「アルバさん。俺と個人契約を結ばない?」
「……はい?」
影から現れたアルバ。
その姿を確認したカードは壁にもたれかかり、アルバもその隣に立つ。
「俺の考え、というか想像を言おうか。……アルバさんってさ、隠し扉の先も見えるでしょ。反応見てたらなんとなくそう思ったんだけど、どうかな?」
「驚きました。隠したつもりだったのですが」
「言ったでしょ、昨日聞いたばかりだから意識してたって」
ダンジョンで不意に影が暗んだ瞬間のことだ。
「ですが良いのですか? パーティに迎えられないと――」
「うん。だからパーティ契約じゃなくて俺との個人契約。具体的な内容はあとで詰めるとして、おおまかにいえば俺の稼ぎ配分の三割を基本給にして、そこに役職給を少し」
「役職給?」
「アルバさんには俺の影の中でダンジョンのマッピングと、周辺調査をお願いしたいんだ。隠し扉の調査を主に軽めの索敵も」
「なるほど?」
「幸い俺はリーダーだ、稼ぎの配分を決める権利はそこそこ大きいし、実際にマッピングで成果を上げればその分を稼ぎに加算できるからその役職分をそのままアルバさんの稼ぎにしたい。つまりアルバさんは俺の名前で地図を俺のパーティに売る、って感じかな?」
正確な表現ではないがおおよそはゴーストライター。
「それで良いのですか?」
「反対理由はクリアできてると思うよ? 胡散臭くて背中を預けられない、実際に戦力になるワケじゃないから前と同じ戦い方をすればいい。探索効率は変わらず金だけが減る、金を出すのは俺の取り分からだし新規エリアに行けるから稼ぎも増える。ああ、でも匂いに関しては影から漏れる可能性があるし使わないで欲しいかな」
「いえ、そうではなく……カードさんの取り分が減りますよね?」
「ん~? ぶっちゃけ実力不足ってだけで収入的には俺困ってないんだよね、現状。なんせ【複製】でそこそこの保障があるし」
カードの今の魔力量だと食事を摂り、一晩ちゃんと寝れば魔力は全快する。
最低限の装備といえど揃えるのにはそれなりの資金が必要で、それゆえに破損しても簡単に装備が準備できるというのは資金的にはかなりのアドバンテージなのだ。
「で、どうかな?」
「……多分言っていた匂いは以前いた場所で染みついたモノですね。偽装するとすればカードさんと同じ匂いにするべきでしょうか」
「じゃ、同じ香水でも使う? ちなみに俺は樹脂系の白晶樹の香水ね。樹木系と悩んだんだけど長期の探索を見据えて臭い消しに使うならこっちかな、って」
「少し嗅いでも?」
「いいよー」
実はオシャレ好き――などということはなく、完全に実利目的だ。
モンスターに察知されないように体臭を消したうえで自分が嗅いでも不快にならない――意識の妨げにならないタイプの匂い。
かつ、安価。
その兼ね合いで魔道具の材料として育てられる白晶樹の香水になった。
「――良い香りですね。……なるほど、でもこの匂いはウォルフリックさんは嫌いではないのですか?」
「あ~、アイツがキライなのって植物ってより薫香みたいな煙っぽいっていうか粉っぽい感じの匂いらしいよ。多少ならいいけど、強かったり長かったりすると鼻の中が痛いって」
アルバは正面に立ち、カードの胸元に顔を近づける。
「そういうことでしたか。ですが何故、私なので?」
言外に、パーティとの軋轢の可能性があるにもかかわらず、と。
その彼女の言葉にカードは声を発して笑う。
「ハハッ、言ってはなんだけど完全に実利だね。アルバさんがいればより効率的に進めると思ったからさ」
「それを言って、私が他のパーティに行かないとは?」
「かもね。選択はアルバさんの自由だ、俺は止めも阻みもしないさ。断られても元に戻るだけ。だったら全部明かしてワンチャンに賭ける方が楽しいかな、ってね」
「フフッ――アハハハハッ! 良いですね、実に面白いですね」
「ふッ」
「ぜひ、お願いいたします」
そういうとアルバはカードの手を取り、俯き、仮面を外し、額にカードの手を当てた。
「?」
「私なりの決意表明のようなモノですよ。簡単にいえば雇用主と労働者の契約のようなことです」
「いや~、俺的には素顔が見れなかったのが残念だな~」
「見えないことを、お楽しみください。実は傷と火傷にまみれた醜女かもしれませんし、ね」
「はッ、人にそんなこと言えるほど立派な見た目は俺もしてないさ。それに人の魅力はその程度じゃ変わらないし」
「まあ、こんな変わり者を受け入れる貴方ならそうでしょうね」
面で素顔を隠し、軽薄な笑みを浮かべ続け、歯は黒く、種族も曖昧で、異国の人間。
反応としては他のパーティメンバーの方が正常。
そんな人間を受け入れようとする方が異常。
加えていえば、血の提供すら厭わない。
裏を疑うなという方が不思議なほど異常で、だがその言葉に嘘はなかった。
「詳細は……明日決めようか?」
「そうですね……」
「てかアルバさん、宿は? 送って行くよ」
「あ~……他のお客さんが不気味がると三日前に追い出されてから影の空間で寝てますのでお気になさらず」
「じゃ、俺の泊ってる宿来て身体拭くだけでもすれば? アルバさんが気にしないなら同じ宿に……ってそうか、追い出されるって今」
「気にしなくても――」
「そうだね。アルバさんさえよければ宿まで影に入った状態で来て、部屋で身体拭けば? その間部屋出てるし、ついでに多めに食事を頼んで部屋にもってけばアルバさんも食べれるし。まあ食事に関しては酒場でも良いか」
気にしなくてもいい。
それはアルバから自身に向けたモノと理解しつつ、あえて意図を曲解してそう提案をする。
アルバは女だ、男である自身の部屋で、というのはイヤだろう。
だが、身体を拭かない不快感と比べてどちらを選ぶかは彼女の気持ち次第。
無理強いする気はなかった。
「……であればお言葉に甘えてよろしいでしょうか?」
「いいよー。どうせ今後の探索じゃ俺の影にずっといるんだしね、俺は気にしないって」
影に潜む。
それは彼女の行動は把握できず、自分の行動は把握されるということ。
改めて考えても、命を握らせるような狂行だ。
「……では、部屋でまた」
「ん。またねー」
トプン、と。
足元に沈み込む。
そうして影が一つ消え、路地に静寂が吹き、カードは再び一人で歩きだした。
ほどなくして、カードの住む『銀砂亭』にたどり着く。
そこは一階が酒場となった宿屋。
酒場を見渡せば同業者がたくさんいて、チラホラと娼婦らしき女も見える。
もちろんこの宿はそういう宿ではないため、ヤるならば他の場所になるが。
「ん、オーケー」
「個室、それも意外と広いですね」
「四階だからね~、中庭の宿から水を汲んで持ってくるのが重労働なのさ。ま、俺はズルできるけど」
「?」
「俺ってね、実は加工魔石も【複製】できるんだよ。最低ランクのヤツだし魔力量も少ないけど。それでも複製すると消費魔力に対してちょっとお得なんだ」
「どうしてですか?」
「俺の【複製】って、自分自身の魔力をベースにして周囲の魔力も一部利用するからその分ちょっと魔石に入る魔力が増える。加工済みの魔石だからギルドには売れないし、ランクも低いから店に売ろうにも日銭にすらならないけどね~」
かつてそれで一日を無駄にした、と乾いた笑いを零すカード。
いくら複製の禁止されていない脱法魔石といえどバカなことをした、とカードは改めて肩を落とす。
「なるほど。加工済みの魔石を作れば宿に備え付けられている魔道具を実質的に無料で利用できるのですね」
「長時間はムリだけど、まあ身体拭く程度のお湯は出せるし寝るまでの光源にも使える」
「とても便利ですね」
「手応え的に鍛えればもっとイケると思うんだけどね~、まだ遠そうなんだよねぇ。残念なことに」
「改めて……本当に良いのですか?」
「いいよいいよ、どうせ休日とか寝る前に鍛錬がてら魔石は作りまくってたし。売っても魔力量低くて質も悪いなら金もちょっとだけだし。有意義に――ねえ、影の中って魔石も入れれる?」
「? はい。旅の道具などはこの中に入れているので」
不意に動きを止めたカード。
アルバの肯定に、カードはベッドの下から大量の魔石を取り出す。
「多い、ですね……」
「実験してたら思いのほか多く作りすぎちゃってさ……個人で持ち込むのも怪しいから売り切れなくてずっと置いてたんだよね……」
「加工済みの魔石に、ナイフなどもありますね」
「で、なんですよ。これさ、影空間に入れて必要な時に渡してくれたらかなり効率よくなると思うんだよね」
「なるほど。探索中の魔力消耗を抑えればその分を身体強化に回せる、そして装備破損の時も時間を短縮できる、と。そういうことですね。固有能力だから能力の効率が良くなった、で誤魔化せますし」
「やっぱ察しイイネ、好き」
ニヤ、と笑うカード。
それに応じて胡散臭い笑みを浮かべるアルバはその要望通りに影の中に装備を収納する。
どんどん影に詰め込む一方、カードは給湯魔道具を操作して適温の湯を桶に貯めた。
「そだ。食事はどうする?」
「今日は遅いですし、カードさんが宿の食事なのであれば私もそうしようかと」
「オッケ、じゃあ買ってくる」
「ありがとうございます。お金は後ほど」
「あ、お湯は適量で止まるけど足りなかったら適当に必要な分追加しておいてね」
「はい、わかりました」
部屋から消える姿を目に、人のいないはずの部屋で気配を発するのも良くないと気配を消すアルバ。
遅れて魔導錠がオートロックで扉を閉ざす。
ふと心配になってテーブルの上に目を向けるが、そこに鍵はない。
ちゃんと鍵を持っていったことに安心しつつアルバは装備収納を終えるとトポポと音を発するお湯に意識を向け、お湯の温度をたしかめる。
「――うん」
伝わる温度は適温少し熱め。
「入って大丈夫か?」
「はい、大丈夫です」
ノックが響き、応じると鍵が開く。
「……日替わりで頼んだら意外と早くできちゃった。身体洗う時間なかったね、へへっ」
「先に食べましょうか」
「だね」
椅子に手をかけ、軽く魔力を消費する。
一時的な【複製】を行い、原物の方をアルバに渡す。
「テーブル狭くてゴメンね」
「大丈夫です、お邪魔している立場なのでテーブルも――」
「ははは、招いてるんだからもてなすさ」
独りで使うには広いが二人で使うには少し狭い、そんなテーブル。
「メニューとかほとんどないから日替わりにしたけど違うのが良かった? 好みとかはある?」
「お肉と甘いモノが好きです! 味が口に残るのと脂っこすぎるのはちょっと苦手ですっ。苦いのは最近大丈夫になりました」
「そっか、肉と甘いのが好き。なら明日はそういうの食べようか」
「?」
「案内とかいらない? パーティ募集で声かけてくれる前に見て回った感じ?」
「あ、いえ、提案に少し驚いたといいますか……」
「ん~、探索の時とかずっと影の中だから地上にいる間は楽しんでほしいってのと。それに備えてお互いのこと知っておくべきかな、って思ってね。イヤ?」
「ご迷惑でなければ、ぜひ」
「じゃ、明日は観光しよっか。あ、でも2時間か3時間くらいギルドの開放書庫に行っていい? メンバーに聞かれた時に最低限立ち回れるくらいのマッピング知識は欲しいからさ」
「私も知識は欲しかったので、もちろん」
設定決めて、ダンジョンマップ作って……広いわぁ……
はじめの予定じゃ一日一日丁寧に進めるつもりだったんだけどなぁ……こりゃ端折るしかねーや
なんで一番狭いはずの第1階層で50haもあるわけ? バカじゃねーの?
こんな案出した奴も、それ通した国王もバカだろ。ふざけろクソアマー!




