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絶望世界  作者: 春夏秋冬
第1章 『避難都市脱出』
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第5話 『屍に挑む者』

 『Z』の呻き声が反響してくる。


 準備室の外では黒服を纏った男性が ゆい達の脱出する時間を稼ぐために一人で戦っている。数体、数十体とそれ以上の数の『Z』を相手にしている危険な状況だ。

 あれから五分も経っていないのに状況の変化が見えない中で、優勢なのか、劣勢なのかの判断さえも出来ない。


 ゆい は目の前で男性が『Z』に挑み続ける姿を見ても、希望の光が仄かに差すが、絶望的な程に雪崩れ込む数に圧倒されていた。


 それでも、彼が命を懸けてまで稼いでいるこの時間を無駄にしたくない。彼がやるべきことをやるように、ゆい達もやるべきことをやる。


(分かっていても、手の震えが止まらないの!)


 心身を焦られる騒音は過激さを増して、こちらの作業ペースを乱してくる。壁一枚とはいえ、いつ男性の手から逃れた『Z』が扉を突破して来るか分からない。


舞花(まいか)ちゃん、私なりに強く締めたつもりだけど…どうかな?」


 薄かろうと厚かろうと大きな布を結ぶとなるとかなりの力で締め付ける必要がある。自分が満足しても一人分の体重に耐えなければ、何の意味もない。その不安から ゆい は確認を求む。


 とは聞いたものの、誰から見ても十分な締め付けとは言えない有り様だ。舞花も力仕事の自信はなく、ゆい と一緒で不安から確認を求めようとしていた。


「私がこちらを引っ張るので ゆい もそっちから引っ張ってください」


 女性の力ではなかなか強度な結びはできない。こうして協力してこそ十分な力が発揮される。舞花の言われた通りに引っ張ると、綱引きのように自分側へ引っ張り始める舞花。


 運動系というよりも文学系の彼女は引っ張る力はそこまで強くなく、それでも固く結び付けるには不十分だった。


「あたしに任せろって。運動女子はこういう時こそ輝けるんだ」


 戻ってきた南奈(なな)が二人が掴んでいた先端を更に強い力で締め付け、ようやく強度な結び目ができた。


「こんなものかな。とりあえず、急いでこの階から降りないと…下は今のところは大丈夫だし、降ろすか」


 数枚を繋ぎ合わせ一つのロープが出来上がると早速、着地場所の安全確認をして降ろしていく。周囲に『Z』の気配がないということは、この近辺の殆どが三階から鳴った音に反応して集結していることを意味する。


 安心感を抱くも、世界基準で見られる『Z』の特性は宛てにはならない。例え、多くの個体が音の鳴る方へ引き付けたとしても、全てが引き付けられたとは限らない。経験上、何人かは警戒を怠ったことに命を落としていった。


 だから、安心はできない。警戒は常に怠らないように、動くものや死角に注意を向ける。


「ここは、まず私から降りますね」


 最初に志願したのは舞花だった。この場合、勿論どういう状況でも最初に名乗りを上げるのは南奈なのだが、それよりも先に彼女は手を上げる。


 驚く南奈を前に舞花は。


「…南奈、大丈夫ですから。心配する気持ちは分かりますが、ここは私が先に行くのが先決です」


 舞花は二人の女性に目を向ける。心配の種は彼女からしたら何も『Z』だけではない。調理室で出会った二人にも注意は向けるべきだと南奈に伝える。


 先に南奈が降りてしまえば、パニックを起こした時に暴れられたら対処なんて出来ない。『Z』が侵入された時には、もう手の付けようがない。それだけ他人と一緒にいることは、荷物を背負う認識でいるのだ。


 危険な行動を取られた分、自分達にも降り掛かると思うと鳥肌が立つ。


「(そういうことだから)…その後は結菜(ゆいな)さんと…えっと……」


楠原絹代(くすはらきぬよ)です。……あの、先程は本当に申し訳ありません。あの時は私達も混乱していたので、そちらの方に酷いことを…」


 準備室に先客として入っていた三人の内、南奈を押し倒した人が改めて名前を告げながら礼儀よく頭を下げる。

 謝るタイミングを窺っていたようだが、あれは正当防衛として間違った判断ではないと、認識している舞花達。謝られることを想定しなかったために、南奈と舞花はお互いの顔を見つめて唖然としていた。


「…気にしなくてもいいです。あれは楠原さんなりの身を守る為の正当防衛ですので、何も間違ったことはしていません。私達にもそういう経験はあります。ですから、この話はここで終わって今のことを考えていきましょう」


「あ、…ありがと、うございます。…それで、貴方に続いて私達が降りればいいのですね?」


 南奈と男性のやり取りを見ていたことで、もっと責められるかと思っていたのだろうか。詰まり気味の言葉が返ってくる。


「はい、そうしてください。こちらも、しっかり安全確保しますので」


 感謝の意を込めたお辞儀の後、不安な表情を浮かべている結菜を安心させるために説得を始める絹代。


 三階から命綱なしで己の腕だけで下りるというのは、精神的にも肉体的にも出来ないと彼女は怖気ついてしまっているからだ。


 その一方で、絹代は落ち着いているというか。至って、今回の脱出策に文句の一つも出ていないことに驚いている。それほど、自分の筋力に自信があるのかは分からないが、冷静に動いてくれる分にはこちらも助かる。


 ただ、説得が終わるまで待っている猶予はないので、舞花は窓から身を乗り出すとカーテンで製作したロープの耐久性のチェックのため、何度も引っ張って確認を行う。


 準備室の真ん中に床で固定された金属棚にカーテンを括っている分、少々不安要素もあるが問題はなさそうだった。


 その代わり風が吹く度にスカートが大きく揺られ下着が見え隠れしそうになる。ここで羞恥心を持って手で押さえる愚かな行為は控え、確認を終えると ゆい から受け取った包丁を口に咥える。


 下りた先で無抵抗で『Z』に襲われることを考慮しての判断。


「舞花ちゃん、無理しないでね」


 ゆい の心配の言葉に手のジェスチャーで『大丈夫』と返すと、ゆっくりとした足取りで壁を伝って降りていく。彼女の体重でも簡易的なロープは不安を煽るような音を立て、手汗を握らせる。それでも、けして慌てずに一歩ずつ確実に壁を踏む。


(二階…にはいない…)


 一番手の役割は階ごとの安全を確認すること。警戒すべき点は何も一階だけではない。音で『Z』が窓際に寄ってきて突き破ってくるケースだってないわけじゃない。


 それを警戒して二階の窓を覗いても、そこは理科室の準備室だけあって『Z』も人も見られなかった。一分もかからずに地面へ着地すると慎重に周囲を警戒、特に一階の様子を窓越しから注意深く。


 一帯が安全と判断し、指示を送る。その指示に従って結菜、絹代の順番で進める。


 結菜は『下を見るな。下を見るな』と自分に言い聞かせ、絹代に関しては特に何事もなくスムーズに降りていった。叫ばなかったことに安堵をしつつ、続けて指示を送る。


「…ゆい、あたしは最後でいいから降りていいぞ」


「わ、分かったの…」


 南奈の性格だと最後まで残ると言い出すと思った ゆい は、既に窓際まで近寄り高さを実感しているところだった。


 高所恐怖症という訳ではなくとも、高い場所で身を乗り出そうとすると背筋が凍り付く。気が付けば窓際にいたはずの自分が離れているぐらいだ。


「あたしを見ながら降りれば怖くないって。だから安心しろ。何があっても支えてあげるから」


 恐怖で躊躇う姿に南奈は ゆい よりも窓に近付き、不安しかないロープを手で掴みながら気遣った言葉をかける。


 ゆい は南奈の優しさに甘えるように差し伸べられた手を取り、もう一度窓際まで移動する。やはり、外の光景を目の前にすると、その高さがよりはっきりと認識される。緊張を解すために深呼吸を繰り返し行い、時間がない中で覚悟を決めていく。




 その時だった。




 背後から豪快な破壊音が聞こえてきた。何かが壊れ、誰かの短い苦痛の悲鳴と共に重苦しい震動がわずかに遅れて床全体を伝う。


 一部始終がうっすら窓に映っていたとはいえ、反射的に振り返る二人の視線の先。もはや扉の原型は留めておらず、板に埋もれる男性の姿があった。


 どれほどの力が加われば扉があのように粉々になるのか。体験のない ゆい には見当がつかなかった。


 だけど、扉を突き破り、部屋の端から端まで体を吹き飛ばされる男性を目にすれば、相当の力が加わっていることは理解できる。


 ガシャンッ!!!!!


「きゃっ!!??」


 突然の爆音に驚く二人。教卓のような物が入口から飛んで来て、男性はそれを間一髪のところで避けていた。驚きの感情が思考を完全に空白にし、二人の動きを止めさせる。


「が、ァかっ!!」


 心臓にまで達した圧迫を受けのか。それとも衝撃からの激痛なのか。はたまた、その両方が男性の呼吸を苦しめていた。


 意識が朦朧としており、一つ一つの動作が非常に鈍くなっていた。手から離れたナイフを掴み取る時、立ち上がる時、そして彼女達の存在に気付くまでに至るまで異様な間があった。


 意識の回復に数秒。その間に無数の『Z』との距離が縮まっていることに急速に意識が覚醒する。ようやく現状の危険さを実感した男性は準備室に残る二人をもう一度確認し、時間稼ぎから彼女達の脱出を最優先にする。


 接近してくる『Z』に重い一撃を食らわせ、入口付近にまで蹴り飛ばし、少しでも進行の妨害する。その一体を倒れ込ませることによって後に続く『Z』が次々と倒れていく。


 その隙に男性はナイフをしまい、腰の辺りから銃のようなものを二丁取り出すと両側の壁に撃ち込む。


 火薬が爆発した音とは違い、空気が圧縮されたような音が響く。銃の構造から見ても小型ボンベが取り付けられているということは、引き金を引いた際に鳴る音を低減する目的があると判断できる。


 しかし、目移りするのは何も音だけではない。壁に撃ち込まれたのは弾丸ではなく、鉤爪がついたワイヤーが射出されていたことに遅れて気付く。


 脳裏に浮かび上がるのは、この場所に向かう途中に通った青空廊下から見たあの光景。奇妙な軌道の正体がスパイ映画などで使われる『ワイヤー銃』だと分かれば全て納得がいく。


 こちらに走り出した男性は壁に鉤爪を突き刺したまま、銃を腰に固定して手を空けた状態にする。その背後には混雑の中から抜け出した『Z』が迫り、悠長に尋ねることもままならない。


 一体何をしようとしているのだろうか。その疑問だけが不安として表情に表れる。状況を認識してから行動までの時間を考えると、まともな脱出策なんてものは期待しない方がいい。



「外へ飛ぶんだ!」



 不安が的中したと言うべきだろう。彼の意図が少しずつ読めてくるも、それは彼女達にとって恐怖を植え付けるようなものだ。失敗すれば死には繋がらなくても体に何らかの損傷を受け、場合よれば歩行困難に陥る可能性だってありえる。


「はあ!?ふざけるな、あたし達に怪我をしろっていうことか!?」


 南奈の反発は予想していた通り、男性自身も彼女達が反対するのは分かっていたはすだ。


「……」


 確かに二人が降りれる時間は残されていない。だからといって飛び降りるとなると話は別になってくる。しかし、最初に男性を信じたいと言った自分がそれを否定すれば、裏切ってしまうことになる。


 どのみち時間がない今、選択肢は一つしかないのは事実。賭けるしかないのだ。


 ゆい は覚悟を決める。重い足を無理矢理にでも動かし、反対する南奈の手をしっかりと握り直す。その変化に動揺を見せる南奈は、まだ他に手があることを主張しようと唇を動かそうとした時だ。


「南奈ちゃん、ごめんね…」


「───っ!ゆい、ちょ、まっ───!?」


 待つ時間はなかった。南奈の手を強引に引っ張り、その身を投げ出す。ゆい よりも力が強い南奈でも、この時は抵抗を感じなかった。彼女自身も一人ずつ下りるには、時間が足らないと理解していたからかもしれない。


 床から離れた足が宙を掻く。おぞましい浮遊感が体を包むと同時に、目の前に広がる景色というよりも下を向いてしまう。


 先に降りていた舞花と絹代、結菜が驚きのあまり顔色が真っ青になっていたのは当然だ。声を出すことも忘れてしまうほど、起きている事態に脳が追い付けていなかった。


 徐々に、勢いよく飛び出した影響で体が揺らぎ、体勢が崩れ始める。地面に対して水平になる体に落ちる感覚がより恐怖に浸りさせ、迫る地面に自分の生死の不安から目を閉じる。


 足から着地すれば、骨折だけで済むかもしれない。しかし、体勢が変化すると頭や胴体から着地なんてすれば、首の骨を折って死に至る確率が高くなってしまう。


 すると、南奈の体の力みが手から伝わってくる。片目を向けると彼女に染まる恐怖が表情から窺える。申し訳ない気持ちで心を痛め、握り返して少しでも安心させようとする。


「─────ッ!?」


 そこに影が現わる。ゆい は首を捻り、上を確認すると男性が追うように続いて飛び下りていたのだ。その表情には恐怖の概念はなく、必死に二人の体を掴もうともがく姿が映る。


 救うことだけを考えている顔を前に、過ってしまう過去の記憶。迫真の演技に騙されて酷い目に遭ったことを思い出し、男性の姿がそれと被って見えてしまう。


 恐れから手が伸びない。折角、信用しようと心に決めた男性の手を掴むことを躊躇ってしまう。


「ゆい、南奈!!」


 男性が手を伸ばしながら叫ぶ。けして、諦めない。そんな強い意志が伝わってくる。赤の他人を助けるために、落ちて来てまで男性が追い掛ける理由なんてないはず。


 リスクを背負って救う価値なんてあるのだろうか。


 疑問が疑問で埋め尽くされる。だから、脳が勝手に判断した答えのようなものにすがるしかなかった。今の状況を男性に託すしかない。信じて飛び降りた自分を否定してはいけないのだ。


「南奈ちゃん!」


 同じ選択をせがまれている南奈もまた、差し伸べられる手を躊躇っていた。それでも、ゆい の叫びに感化される南奈は、嫌々な表情をしながらも男性の手を取った。


 男性は引き寄せると二人の細い胴に腕を回して抱き抱える。脈動、体温と様々な感触が制服を通して伝わるも、ゆい は異性に抱き着かれたことに対して顔を紅潮させる。


 南奈の表情は見えないが、今までの彼女からして失神でもしそうなのではと思うくらいに嫌そうな顔が浮かぶ。


「俺に掴まれ!」


 男性の腕の支えだけでは着地の衝撃に耐えられない可能性がある。それが二人分となると心許ないと感じるのも仕方がない。それを避けるため男性の言う通りに、二人は男性にしがみついて少しでも衝撃に備える。


 ワイヤーやモーターが嫌な音を上げながら、目の前の景色が下へ流れる速度が速くなる。迫り来る地面に男性を掴む力が増していくと、それに答えるかのように男性も力を込める。


 強すぎることのない。優しく包み込む感じが ゆい にはどこか懐かしく思えてしまうのが疑問でしかなかった。


 その時、ワイヤーの長さに限界を向かえたのか。着地する直前で突然、衝撃が襲う。


 脳が震え、視界が眩み、圧迫される腹部、僅かな弾みにくる重量感のある運動変化に体が引き剥がされそうになる。バンジーコードのような伸縮性のあるゴム紐ではないため、衝撃を吸収しきれず、もろに受け止めてしまった。


 ただ、男性にしがみ付いていたことで、首にかかる衝撃を緩和することが出来ていたのだ。あのまま抱えられるだけだったら、力の入れ方次第では衝撃で首の骨を折っていたかもしれない。


 あの時の自分達の刹那の選択が命を繋ぎ止めた。


 問題は男性の方だ。二人分を抱えた状態での負荷は計り知れない。それこそ、首には想像を絶する力が加わるはず。


 心配して ゆい が男性を見るより先に南奈が声を荒げる。


「おい、お前…ま、まさか足で着地したのか!?」


「え…」


 ゆい は言われて視線を下に向けるが、衝撃が襲った後に着地したにしか見えず、南奈が言うような事態が起こったのかも分からない。


「その方がより二人の負担も減ると思ったからです」


 否定しないことでそれが事実なんだという判断に至るには、あまりに衝撃が大きく、信じ難いものだった。

 普通に考えて三人分の重さに、落下速度に応じた重さも加われば、一気に数百キロ以上の重量を受け止めなければならないことになる。それを二本の足で支えるなんて人間としての能力の度を超えている。


 現に着地した男性は二人を抱き抱えた状態で立ち続けていることに、現実味はさらに薄くなるばかりだ。


「──ッ!!急いでここから離れるんだ!!奴が()()()()()()!!」


 話を切って頭上を見上げながらワイヤーを引っ張り、固定された鉤爪を取るような動きを見せる。『Z』から撒いたはずが、男性の表情には安堵がない。モーター音を響かせ、巻き取り工程になる頃には ゆい達を下して走るように促してくる。


 二人は恐る恐る上の方に目をやると。


「「────ッ!!!!」」


 ガラス片とともに頭上を埋め尽くす死体が、雨の如く降ってきていたのだ。恐怖という概念が存在しない奴らにとって、三階から飛び降りるなんて造作もないことだろう。


 恐ろしさが込み上げ、ゆい達は走り出す。当てがあるわけではなく、一心不乱に逃げる。先に校舎から離れていた舞花達とも合流し、校舎沿いよりも少し離れて窓からの襲撃に注意する。


 数秒後、鈍い音が次々と鳴り響いた。後ろを振り向くことも嫌になるほど酷い光景が目に浮かぶ。実際に何体の『Z』が降ってきたのかも明確な数値は分からないが、この異常さは恐怖よりも不気味さを覚える。


 しかし、こうして校舎を脱出することはできたことは素直に喜ぶべきだ。これで当初の目的である『さっちゃん』と合流するために動ける。行き先は第一避難所である体育館、一キロ以上の距離はかなりの疲労を蓄積するだろう。


 先頭の舞花が『Z』の位置を確認しながら、最短ルートを見出だして ゆい達を誘導する。男性はそんな彼女達を守るように周囲を警戒し、すぐに対処ができるようにナイフを取り出していた。


 本来なら南奈が先頭で行動を移すのだが、信用するには不十分な男性から目を離さまいと、一定の距離を保ちながら警戒する。


 ゆい達は騒動が起きて初めて外に出られたことで気付く。生存の可能性を考えるならば外に脱出すると思っていたが、『Z』の侵入からまだ数十分のはずなのに、外を走る生存者が自分達以外いないことに驚く。


 何万人といる生徒の影さえも見えない。それほどまで生存力がないのなら仕方がないが、それにしたって全然いないのは不思議でならなかった。


「……」


 一年も外の世界で生きていた ゆい達は避難都市への移動の距離が短かった分、生存者と出会う確率は多い方だった。都心だったことも多かった理由あるかもしれない。


 それでも人は馬鹿ではない生き物。自分達のように習性を観取したのなら何かしらの方法で生き延びた人はたくさんいる。


 しかし、今回のは何か違う。十年前に起きた感染とは明らかに異なる広がり方だ。一方向からの進行と思っていたが、あの時、教室から現れた『Z』を見る限りだと内部からの感染が有力な推測となる。


 あくまでも推測。ここはもっと別の人の意見も聞かなければ。真相により近いであろう人に。


「あ、あの…ふ、不審者さん」


 丁度並走したタイミングを狙って、ゆい は男性に話しかける。名前を知らなかったため『不審者』と呼んでしまったことを申し訳なさそうに。


「どこか体を痛めたのですか?」


 未だに足で着地したとは信じられないが、それが本当なら自分の体を心配するべきだと思う ゆい。


「い、いえ、そうではないんです。…その…これから、私達と一緒に行動するのであれば…その、えっ…と、な、名前を聞いておきたくて」


 異性との関わりがない ゆい には基本的な言葉のやりとりでさえも顔を赤くする。初めて出会った時は緊急事態もあって感情を紛らわしていたから、ここまではっきりとした表情は出なかった。


 それが今では。


 見つめられるだけで目がそっぽ向き、初めて味わう気持ちに混乱するほど、男慣れしていないことを自覚する。それに聞いておいて、視線を外すのは失礼に値するのではと色々とごちゃ混ぜだ。


「……神室雲雀(かむろひばり)、それが俺の名前です。それで、俺からも一つ聞きたいことがあります」


 彼女の態度を特に気にする様子のない男性はたった一言を付け加えて名前を名乗る。そして、続かれる言葉に先頭を走っていた舞花とずっと黙って見ていた南奈が寄る。


 何か重要性のあるものかもしれない。言動からしてもこの状況に一番詳しいであろう雲雀に視線が集中する。


「君達は第一避難所に向かっている、それでいいんでしょうか?」


「はい。そこまで行ければ、もう後は救助を待つだけです。私達の他にたくさんいるかもしれませんが、避難所の大きさ的には問題はないと思います」


「でも、ゆい。学校外まで騒ぎが広がっているのならもっと人は増えると思います。そうなれば…」


「流石にあたし達が入れるかも分からないな。第一避難所はともかく、他の五箇所もここの地域の人達全員を避難できる規模はないだろ。早い者勝ちみたいなものだ。───なんだ?何か意見があるならはっきり言ってもらわないと困るんだけど?」


 難しい顔をする雲雀に懸念を抱く ゆい と舞花、対してそれを睨む南奈からの視線に彼は一旦目を閉じて再び開く。瞬きにしては長い間隔、一種の気持ちを切り替えるための仕草として三人は受け止める。


「いや、なんでもない。方針が決まっているのなら俺はそれに同意する」


「気に食わないなら一人でどっかいけば?」


 南奈の冷淡さは変わらない。恩を仇で返すような態度に口を挟む者はおらず、再び緊迫した雰囲気になるが、男性は動じずに睨む南奈を見つめて。


「それは出来ない…君達を出来る限り危険には晒したくはない。俺が何とかして奴を食い止めないと」


「「「奴?」」」


 返ってきた言葉の中で特に『奴』という単語に三人は違和感を覚える。『Z』単体を『奴』と呼ぶにしても、男性の戦いぶりを目の当たりにした彼女達には単体を脅威と感じる要素はなかった。

 流石に数が増えると押され気味で苦しさがあると、余程単体よりも複数形の方が断然に脅威だ。


『奴』とは本当に『Z』を指しているのか。


 謎多き神室雲雀の言動に敏感に反応し、少しでも化けの皮が剥がれる瞬間を探っていた南奈だが、意味深な言葉を残されると更に警戒度は増す。


 疑問のままでは気が晴れないと、訪ねようとしたら既に後方へ下がって索敵を再開していた。聞きそびれた南奈はそのまま視線で追いかけ続ける。


「南奈!」


「ッ!どうしたんだ!?」


 突然、先頭に戻っていた舞花が声を上げる。常に周囲を警戒していた彼女からの呼び声は、呼ばれた南奈だけでなく、全員の意識を向かせる。すぐさま舞花と並走する位置まで移って顔を合わせ、続けざまに放たれる言葉を待っていると。


「その、前から…」


 緊急や否か、舞花の指が指す方へ南奈が見ると、複数の人が走ってきていることに気付く。校舎外に出て、初めての生存者との出会い。ただ、今まで見てきたような生徒達の他に、武器となる日本刀や弓矢などを装備してスーツ姿をしている教師達も複数人いるのだ。


 舞花が指を差した直後、神室雲雀が身構えるが何かを確信して構えを直す。


 すると、教師達もこちらの存在に気付いたようで声は出さず、手を振って生き残っている ゆい達に歓喜を送ってくる。


 と、そこで初めて見知った顔があることに ゆい達の感情が高まる。それは今の彼女達が最も信用している人物であり、ずっと探し求めていた人物でもあったからだ。



「「「さっちゃん!」」」



 この最悪な状況下でこうして再会できたことに喜びが隠せられない三人は、思わずその女性の名前を叫ぶ。まだ、距離こそ遠いが彼女達にとって大切な人が生きていたことが確認できただけでも、不安の一つが消える。


「南奈ちゃん、舞花ちゃん!さっちゃん無事だったよ!」


 迷子の子供が母親を見つけた時のような、そう連想される ゆい の喜びに『さっちゃん』がどのような存在なのかを雲雀は納得する。


「あぁ、本当に良かった。これで───ッ!?」


 そこで、南奈の声が途切れる。不自然に途切れた声に ゆい達が南奈を見つめる中、彼女の視線を追うように後ろを見た雲雀。


 偶然の仕草だったのだろう。南奈が後ろにいる雲雀を見ようとした時、それははっきりと迫って来ていた。本来の意図とは違った分、情報処理が追い付かず、危機を知らせるための声が出ない。


 ゆい達が南奈の声が途切れた理由を知るのは数秒後だった。


 何かの物体が ゆい達の頭上を通過した時だ。



「え?」

 


 不意に視界の端に映る影が ゆい は確認できた。


 そして、進行を妨げるように落ちてきたことで物体の全貌が明らかになる。誰もが目撃し、誰もが茫然とする。鈍い音を奏でながら転がっていく物体の正体を。


 予測なんてできない。そもそも予測できる範疇を超えているのだ。『Z』が()()()()()ことに。


「ッ!!」


 動けない ゆい に強引ではあるが間一髪のタイミングで雲雀が飛び付いて、続けて飛んで来る『Z』の落下位置から逃れる。そのまま勢いよく地面に叩き付かれるも ゆい にはかすり傷すらなく、着地前に瞬時に態勢を変えた彼が全てのダメージを受けた。


 その刹那、ゆい がいた位置に力のない死体が衝撃で手足が折れ曲がり、血飛沫を飛ばしながら何度もバウンドして転がっていく光景が目に焼き付かれる。


 この場の全員が走るのをやめ、この状況に思考が停止する。地元民の絹代(きぬよ)柚菜(ゆうな)は当たり前だが、南奈や舞花も同様の事態に陥るほどに衝撃が走っていた。


 さっきからおかしい。


 じりじりと、背後から得体の知れない恐怖が追いかけているような気がしてならない。ノイズメーカーといい、飛んでくる『Z』といい、明らかに『Z』に類似、或いは別種による攻撃を受けている。



「───ぃ!」



 ゆい の脳内に浮かぶのは、『Z』の群衆の中に仁王立ちする異質な存在がいた三階での出来事。結局、見れたのは一瞬でその直前に『Z』が押し寄せてきたことで頭から離れていた。


 今、思えばあの群衆の中で平然と立っていられる存在は極めて異常だ。


 もしかしたら、助けを求めようにも近くにいる『Z』で、助けを呼べない生存者と見間違っていたかもしれない。


 しかし、体はそれを拒絶する。常に危険信号を出しているのだ。


 その考えは間違えだと。


 やはり、あの笑みに含まれる感情というのは恐怖に染まったものじゃない。



「───ゆい!」



 そう結論付けたことで恐ろしいほど悪寒が背筋を這った。全身をねぶられるような感覚が鳥肌を立たせ、あの存在が、あの不気味な笑みが脳裏から離れない。考えすぎて頭が痛いくらい。


 何かが引っかかる。最奥に眠る記憶の中の何かが、あれに反応を示しているような。自分でも訳が分からない。思い出そうとすると雑音が、それも黒板を引っ掻くような気持ち悪さが思考を邪魔する。


 それがかえって恐怖の感情を引き出してしまう。


 怖い。怖い怖い怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!



「──神栖ゆい!!」



 耳鳴りだけの世界に自分の名前を呼ぶ声が間近で聞こえて、ゆらりと目がそちらへ向かう。正面には心配そうに見つめる雲雀が ゆい の肩を掴んで揺すっていたのだ。


「か、神室さん…?」


 意識が現実世界に戻ってきた ゆい は、どうして彼が目の前にいるのかを思い出す。本来なら『ありがとう』と助けたくれたことにお礼を言わないといけないのに、真っ白になった思考の中から言葉を見つけることが出来ない。


「大丈夫か!?怪我とかしてないか!?」


「だ、大丈夫です…」


 呼びかけの受け答えしかままならないが、徐々に思考が回るようにはなってくると自分の体を状態を見つめ直せる。


 外傷は特に見当たらない。雲雀が庇ってくれたお陰で無傷で済んでいる。しかし、精神面は確実に削られ、『大丈夫』と発言した人物がする表情には沈鬱さが浮かんでいる。自らの言葉を否定しているかのようで、雲雀からは心配の眼差しが向けられる。


「ゆい、大丈夫か!?」


「ゆい!」


 南奈と舞花が ゆい達と離れた位置で呼びかけていた。二人が近付けないのはその間に『Z』が暴れていたからだ。落ちた衝撃で立ち上がれないくらい体を損傷しても、絶命しない限りは活動を続ける。

 飛んでくる個体に注意をしながら、暴れる個体にも注意しなければならない。近付きたくても躊躇って動けないのだ。


「また、来る!?ど、どうしよ、どうしたらいいの絹代(きぬよ)!?」


「私にも…どうすれば………」


 すぐそこで恐怖に混乱する結菜が友人である絹代に縋るも、対応策を考えられる余裕も知識もない彼女には重すぎる言葉だ。唖然と立ち尽くすことしか出来ない。


「くそっ……!」


 雲雀が見る視線の先、走ってきた方向から容赦ない砲弾級の死体が飛んでくる。彼の怒りを剥き出すその表情から『Z』に向けるものではない。『Z』のリミッター解除にしても弧を描くような軌道はしない。


「楽しんでいやがる…」


 彼のその一言が ゆい の疑問を、不安を的中させ、体が重たく感じる。足に力が入らず、動くことさえもままならない。


 そんな彼女の様子に彼は動く。この状況に対して動揺の色もなく、常に冷静を保ってられている唯一の存在。恐怖に怖気付い全員の士気を上げることは難しいだろう。恐らく、誰も彼の言葉に耳を貸さない。


 それでも、皆を守るためにその腰を上げて転がったナイフを拾い上げる。


 離れていく彼の背中に、ゆい は胸を締め付けられる。


 どうして、こんなにも苦しいのか。  

 どうして、こんなにも感情が不安定になるのか。


 それが分からないまま、ゆい の手が雲雀の歩みを止めさせる。


「…神栖、ゆい?」


 驚くのも無理もない。出会って数十分という短い時間にお互いが知れたことは名前くらいだ。親しい関係を築けていないにも拘わらず、ゆい の手はしっかり雲雀の裾を掴んで離さない。


「…震えているのか?」


 その指摘で初めて自分は震えているんだと気付く。『Z』や得体の知れない存在に対して恐怖を一緒に共有して欲しい。この心細さを紛らわしたい。

 多分、今からおかしな事を言うだろうと理解してても、本心からそれを躊躇う気持ちはなかった。


 心の拠り所が欲しい。今までの自分が南奈や舞花、さっちゃん達にそうしてきたように同情してほしかった。どんなに過去を洗い流したと口では言っても、根本的には何も変わっていない。変わったのは芝居がかった上っ面な表情だけで、他は全部あの時から持ち帰っている。


 ──私は、偽りの自分を演じて過去から逃げている臆病者だ。きっと心は諸刃の剣みたいに脆い。誰かに寄り添わないと心を保つことが出来ないの。それほど、私は…弱いんだ。


 そんな情けない自分を噛み締め、嗚咽に耐え、ぼやける視界の中で震える唇に力が入る。


「行か、ないで…」


 自分の弱さに負けた者の末路とも言える憐れな姿だった。滑稽だと自分で自分を笑い者にするのがお似合いだ。雲雀の瞳を直視できず、頭を落とし、己の惨めさに声のない笑みが漏れる。


 名前しか知らない彼に縋っている自分を、二人はどのような心境で見ているのだろうか。それさえ見ることが出来ない。


「……」


 黙り込んで、考えて、雲雀は優しく摘ままれた手を引き離し、再び歩き出す。右手に持ったナイフを強く握り締めながら。


「──ッ!い、いや…」


 遠ざかる背中を追いかけるように手を伸ばし続ける ゆい 。心の拠り所が欲しいなら南奈や舞花だっていいばすだ。その二人が近くにいないからって近くにいる雲雀を選ぶのは、他者との関わりに恐怖する人物がすることではないはず。


 なのに何故、彼を選ぶのか。強いからか、異性だからか。


 一体、彼に何を期待しているのかも自分でも分からない。感情が制御できない。



「…俺だって怖いさ」



「え…」


 雲雀が口にした言葉は今の行動と正反対のものだ。これほどの強者が本当に恐怖を抱いているのか、疑問でしかなかった。


 しかし。


「手が……」


 ゆい は気付く。強者としてのイメージが彼の手の震えで崩れていく。理想の人物像を押し付けたのは ゆい であり、実際の彼がどのような存在かなんて知らない。



「…でも怖いからっていう言い訳で仲間を死なせるのはもっと怖い。仲間を救えなかったあの痛み、絶望…。壊れそうだった…己の弱さを憎み、傷付け──挙げ句には自分の存在を否定したくなった。不思議と死を選ぶのは簡単だったんだ。聞いていたほど難しく考えなかった。だけど、仲間はそれを許さなかった。仲間は俺を見放さなかった…優しく、厳しく…俺を助けてくれたんだ」



 彼も同じ人間なのだ。男性だろうと女性だろうと恐怖や絶望だってする。


 ただ、それを口することが ゆい にとっては衝撃であったのだ。


 彼女にはそういう考えがなかった。周囲が、南奈も舞花もさっちゃん達も弱い自分を曝け出すことをしなかった。だから、ゆい の中での強者とは弱点なんて見当たらない唯一無二という完璧な存在として映る。


 しかし、それは違っていた。真の強者は弱さを克服ではなく、弱さを受け入れた者を指しているのだと。



「────だから願った。そんな皆の幸せを。皆が愛したこの世界を取り戻せることを願い、叶えようと立ち上がった。俺はちっぽけでそれが必ずとも成せることじゃない。それでも先の見えない未来を掴むために俺は自分の弱さと向き合い、仲間のために人類のために戦い続けると決めた。だから、神栖ゆい…」



 過去を振り返らないようにするために、過去の自分を偽った性格で今まで生活してきていた。弱い自分を隠すことで自分は変わったのだと周囲に認知されたかったからだ。


 でも、雲雀の言葉を聞いて弱い自分を見せても何も悪くないことを知る。一人で苦しむ必要なんてどこにもない。それに、彼が言う仲間というのは ゆい で言うところの南奈や舞花、さっちゃん達に当てはまっている。


 過去にトラウマを埋め込まれ、寝たきりの生活が続いていたことを思い出す。重い病にもかかって命さえも危ないと言われていた時も傍にいてくれた皆が、心の支えだった。


 本当に、この避難都市に来て皆にどれほど助けられたことか。迷惑をかけていたに違いない。それでも、その感情を忘れさせてくれるくらいに楽しい記憶を作ってくれた。


 それを、守りたいという気持ちは嘘ではない。


 雲雀はそれを実現させるために、弱い自分から背を向かずに向かい合うことを選んだ。弱さを認めるのは多分、怖いことだと思う。


 実際に ゆい は背を向けていた。


 認めてしまったら。

 自分のこれからの歩み方が変わってしまうかもしれない。

 自分はどうすれば良いのか、道に迷うかもしれない。

 自分がこれまで築き上げてきたものがなくなるかもしれない。


 それらが、たまらなく怖い。変わっていく自分が怖い。


 本当は比べるものではないと思う。一度は折れて立ち上がった彼とでは、ゆい のように最初から恐怖に怯えて何もしてこなかった臆病者とは全然違う。


 彼は、これまで数々の山を乗り越えてきたのだろう。何度も生死を分ける戦い、そして大切な人を失って絶望に堕ちた。どんなに色々な辛いことがあっても大切な人の死には、それだけ精神を持っていかれたということ。


 強者でも勝てないものがある。


 それでも、彼は立ち上がった。不安定な吊り橋を渡る覚悟を決めたのだ。


「──ッ」


 ぼやけた視界に確かな存在を映すために両目を擦る。そこには背を向けていたはずの雲雀が振り向いて。



「守らしてくれ、皆を」



 肩身の力が抜け、ゆい の心が静かに震える。人類を救うという大きな願望を胸に、立ち向かうその勇姿は誰もが一度は憧れる正義のヒーローそのものだった。




 ────この神室雲雀(屍に挑む者)の強さこそが、ゆい の憧れの感情を強く持たせる。

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