収集結果
まず初めに、何件かブックマーク頂き誠にありがとうございます。
そして、楽しみにされていらっしゃる方々には申し訳ありませんが、事情により1月末まで更新が遅れます。
さて、朝食を終えた私は書斎に行き色々と調べることが出来たわ。この世界の文字がわからなかったらまずかったけど、ユフィーアとしての記憶があるおかげで最低限の読み書きには困らなかったわね。
まずこの世界についてだけど、私が今いる魔界デモンディアは魔族、つまり魔物、魔人、悪魔、亜人が支配する領域だから魔界と呼ばれているようで、人間が住んでいる場所が別世界にある…というわけではないようね。ちなみに魔人とは、悪魔や魔物の上位種で外見は元の種の原型を残して人間に近くなっているわ。私やシエリィはその魔人にカテゴライズされるわね。そして、魔人の場合、貴族とかそういった類の場合は角が生えていることもわかったわ。現に私には生えてるし平民出身のシエリィには角は見当たらないわね。
また、デモンディアにはどの国とも戦争を行わない完全中立国家のリベルテ公国が隣接していて、デモンディアの南西にはアンジェモンドという島国が存在しているわね。この国は天使たちが暮らしているらしいわ。他の国ともそれなりに距離がある上に魔族とは争いこそ起こってないもののあまり仲は良くないみたいね…。
そして、リベルテ公国に隣接している国が人間が治める国の二大勢力のうちの一つであるマルミア王国と、聖女リュミエラを教祖としたリュミエラ教を国教としているリュミエルス聖国という宗教国家が存在しているわね。マルミア王国は魔族に対しての風当たりは表向きはない一方でリュミエルス聖国は魔族に対してよく思っていない者が多いと聞くわ。最も、マルミアの国民も裏ではよく思ってない者も少なくないでしょうけど…。そして、マルミア王国に隣接する国が二大勢力のもう一つの国のオーデミス帝国で、マルミア王国からエルドラド大橋を渡ると行ける国がエルドラド共和国ね。この2つの国については、交流も少ないからか情報がそこまで多くなかったことが残念ね。
次に、私の配下とかその周辺についてね。
デモンディアは3家の貴族によって治められているわ。一つ目は、私が属するテスタロト家。今は父ガスパールが当主となっているけれど、いずれは私或いは弟に跡を継がせたいみたいね。龍をあしらった紋様が家紋として存在していて、竜人族を筆頭とした飛行部隊を抱えているわ。二つ目はストラエル家。マルセルムという愛妻家で有名な老人が現当主で、元々は息子が跡を継ぐ予定だったけれど、息子夫婦が亡くなってしまったみたいで、孫のルイに跡を継がせたいみたいだけど、その孫自身は乗り気ではないみたいで悩まされてるらしいわ。家紋は虎をあしらった紋様で、獣人やアンデッドを中心とした部隊を抱えているようね。三つ目はポルオソ家。アルマルクという男が当主で、この家には兄弟姉妹が多かったらしいけどその中で当主の座を勝ち取ったやり手らしいわ。家紋は鮫をあしらった紋様で、水生系の魔族を中心とした部隊を抱えているみたいね。
ちなみに、元々はポルオソ家がデモンディアを治めていて王政だったみたいだけど、何世代か前の当時の王によって今のような制度に変わったと聞いたわ。
当時のポルオソ家のお城は旧魔王城として私たち三貴族が管理しているわね。今は三貴族での会談の時に使われていたりするらしいわ。
私の配下についての話になるけど、私が読んだ漫画の中では、3人の配下が登場していたわ。
一人目が、朝私のもとに来たメイドのシエリィね。細い目の朗らかな笑顔が印象的なメイドだわ。それでいて隙を感じさせない雰囲気もあるわね。何か護身術でもやっていたのかしら?
彼女は私の身の回りのお世話やここで働くメイドや執事のリーダーをしているわね。家事全般なんでも出来る素晴らしいメイドさんね。
二人目はアズールという初老のおじさんね。彼とは書斎で接触出来たわ。白いシャツに紺色のベスト、黒いハットに紺色の襟足が長めの髪をしたちょび髭の紳士風のおじさんね。今は執務を担当しているわ。昔は戦士として生きてきたみたいだけど…。そうそう、書斎にもいたわね。私がわからない文字について教えてくれてたりと助けられたわ。彼も魔人で角はない。そして漫画内ではユフィーアと共に処刑されていたわね。
三人目はサフィーユという巨漢よ。彼とは接触出来なかったわね…。それも、書斎にあったここで働いている人の名簿表を見たところ、サフィーユという者の名は見当たらなかったのよ。どうやら今は漫画の中であった出来事の数年前の時空のようだから、彼は割と新参の方だったようね。ちなみに、漫画内では軍の総大将を務めていたわね。強さは軍の中でもトップクラスというような描写もあったし…。それでも漫画内では戦死していたけどね…。彼も魔人で角はないわね。オーガやトロールみたいな巨人族との混血という描写もあったわ。
あと、漫画の中には登場しなかった配下もいたわね。エムレイという竜人ね。鮮やかな緑色の癖毛なミディアムヘアに長身で背中に龍の翼が生えていたわ。テスタロト家が抱えている飛行部隊の隊長で、リュビウスという娘がいるわ。彼女もまた飛行部隊の隊員だと聞いているわ。最も、私自身は見たことないけど…。
そして、さっきもちらっと言ったけれど今いるのは強欲の代償という漫画の世界だということはほぼ確定としてみている。しかし時系列は異なっているようで、漫画内ではユフィーアは19歳という設定はあった。だけど今のユフィーアは15歳。つまり私が知っている展開が起こる前にいるわ。本来私の配下になっているはずのサフィーユはまだここにはいないのはそういうこと。漫画の展開に4年の猶予がある。それはつまり4年後に私が死ぬということを回避するための準備が出来る。
わからないことは多いし不本意なところもあるけれど、私は必ず生き残って見せるわ!!
とは言ったものの、これからどうしようかしら…。こんなこと誰かに話したところで誰が信じるかという話よね。
というか、漫画で起こることって、要はユフィーアが他の国を支配しようとしたから起こったのよね…?なら今はユフィーアになっている私が他の国に侵略しなければ漫画内の一連の出来事は起こらないんじゃないかしら…?
そう思いながらふと時計を見ると、もう夕食時になっていたわ。
そういうわけで、またシエリィが私の部屋に迎えに来て食事に向かったわ。
私が食卓に着くと、既に家族は私以外はみんな揃っていたわ。どうやら私が最後のようね。
そして、ご飯を食べていると、父が口を開き
「ユフィーア。突然ではあるが、マルミア王国の学院に行ってみないか?」
と突然言い出した。
え?学校!?それも人間が住む国の!!!!??
「……え…!?ええええええええええーーーーーーーー!?!?!?!?!?!!??!??!?」
私のこの叫び声は、屋敷全体に響き渡ったという…。