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平成楽音立志譚 ~音楽の呪縛を祝福に~  作者: 星野サダメ
第二章 新たな出会いたち
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第二六話 ドンドンパン!

 ドンドンパン!


 六月五日の月曜日、頭の中がごちゃごちゃになっていた五月がやっと終わった気分だ。すでに六月に入っているが、気持ちを入れ替えて、学びに勤しもう。


 母親に出す曲たちは、遅れることなく、提出できている。

 おおむね好評と言ったところのようだ。

 四十八曲で四枚組で売り出そうという話を母親にした結果、悪くはない反応をしてくれたのだが、何か考えが浮かんだようで、俺には、とにかく曲作りをするようにと言われた。

 今回の母親のアルバムは、今後の俺に関わる大仕事なのは、母親もわかっているので、上手くやってくれると、信じておこう。


 水城の曲は、昨日の今日なので、大きな動きはないのだが、帰り際に七瀬さんから気になる話を聞かされた。

 来年一月から放送予定のアニメの企画で、大規模に動き始めている作品があるそうだ。

 そのアニメの原作は、明治時代を舞台にしており、不要になった維新志士が主人公になっているそうだ。

 主人公は、刀を使う人物なので、『ファントムブレード』を売り出すことが決まれば、そのアニメのOPに売り込むつもりらしい。


 俺が無駄に期待をしないように、タイトルを隠して話してくれたが、この話だけで、どの作品か、すぐにわかってしまった。

 確かにあの作品に食い込むことが出来たなら、間違いなく売れる!


 あのアニメのOPを担当するバンドが、もし変わってしまえば、この先に起こる出来事に影響を及ぼす可能性があるので、採用されたとしても、上手くやってほしいところだな。


 高校に到着して、本日の予定を終わらしていく。

 さすがに入学して二か月もたてば、皆、しっかり高校生と言った様子になる。

 中間テストを終えたのも、大きいかもしれないな。


 昼休みになり、第四ピアノ室に行く。


「あっくん、スーは、怒っています」

「音楽の事ばかりを考えていたからか?」

「それもありますが、生徒会選挙の立候補受付が終わってしまいました」


 ああ、そういえば、先週の土曜日が締め切りだったか……。


「本当にすまない。忘れていた」

「はい、ですので、だしておきました」

「え?」

「はい、ですので、出しておきました」

「……、俺が選挙に立候補しているのか?」

「その通りです。もちろん、会長があっくんで、スーが副会長で届けています」

「確か、応援演説とか、立候補に必要な推薦人名簿の届も必要だったと思うぞ?」

「応援演説は、あっくんのクラスの木戸さんにおねがいしました。推薦人は、軽音楽部とフォークソング部の方々が、すぐに署名をくれました」


 木戸……、美鈴に弱みでも握られているのか、不憫すぎる……。

 推薦人名簿は、十人いれば問題ないので、皆は、気軽に署名したんだろうな……。


「そのだな。俺、曲作りやらで、本当に大変なんだが、それでも会長をするべきなのか?」

「あっくんの忙しさは、お母さまから聞いております。お昼を生徒会室で、一緒することと、生徒会議会にでるだけで、後はスーがやります。ですので、気にすることはありません」

「……、そこまで言うのなら、やるしかないよな。わかった。確か今週の土曜日が、生徒会選挙だったな」

「その通りです。話す原稿も用意した方が良いでしょうか?」

「……、ここは頼りにさせてもらう。木戸の分だけ、頼む。それを参考に、俺は自分の分だけは用意する」

「はい、お任せください。それと、……、ぎゅってしてくれたら、機嫌が直ります」

「あ、ああ、わかった」


 美鈴の後ろに回り、腰から抱きしめていく。

 俺の頭を美鈴の肩に乗せて、片手を離し、頭も撫でておこう。

 しばらくそうしていると、美鈴がふやけてきそうなので、この辺りにして、抱きしめるのを終えた。


「……、頭なでなで、好きかもしれません。スーは、機嫌を直しました」

「それは大変結構なことだ。スー、いつもありがとうな」


 それから昼食を頂き、時間が押し気味なので、教室に急いで戻った。


 第四ピアノ室を出る直前に、今日の授業後に、木戸を連れて第二会議室に来るように言われた。

 確か、生徒会選挙のスケジュールを思い出すと、月曜日に応援演説担当者と一緒に説明会を聞き、土曜日に選挙をする。

 それ以外は、特に何をするということはない。

 だが、以前の記憶にある一年次の生徒会選挙では、この期間に一年の会長候補が、襷がけにした布に、自分の名前を書き、身に着けて歩いていたんだよな。

 あの目立ちたがり屋は、学年議員団として、生徒会室に出入りしていた俺たちからは、置物以外には、思えなかった。

 今回は、俺が置物になるのか……。

 できるだけ、置物には見えないようにしておくべきだな。


 授業が終わり、軽音部の部会に、生徒会関係でいけないことを上杉に告げたところ、すでに、二村先輩に話が通っているそうだ。

 今日の部会で、俺の全面支持を軽音部は、決めるそうだ。


 生徒会選挙に出ることを考えた、あの時と今の状況は、かなり違う。

 裏は、わからないが表から俺の敵になりにくる者がいないので、平穏なんだよな。


「木戸さん、美鈴が無理を言ったようで、すまない」

「ああ、うーん、美鈴様にどうも私、気に入られちゃったみたいで、もう諦めてる」

「木戸さんって、ダンス部だったよな。今日の部会は、欠席を伝えてあるのか?」

「そっちは、もう大丈夫。ダンス部が、美鈴様に乗っ取られてるような物だから、気にしなくてよいよ……」

「なんか、本当にごめん……。何があったか、聞いておいた方が良いか?」

「私たちと言うか、先輩たちが、ちょっとおバカなことをしちゃってね。私は止めたんだけど、返り討ちに会っただけだから、自業自得、気にしないで」


 それから、第二会議室までの道中で、美鈴とダンス部の間に何があったのかを聞かされた。

 要は、美鈴の御令嬢様オーラに、過敏な反応したダンス部二年生と一部の一年生が、美鈴を呼び出して、一言言っておきたかったとのことだ。

 話の限りでは、いじめや暴力的な話ではなく、御令嬢様オーラは、一般生徒に毒だから抑えてほしいと、本当に注意をするつもりだったらしい。

 だが、まともな生徒なら、正直なところ、これだけでも恐怖を感じるので、いじめや暴力的なつもりはなくても、十分に恐ろしい話には思う。


 そこで、呼び出しに応じて現れた美鈴は、一人一人に、他の者へ聞こえない小さな声で、何かを言って行ったらしい。

 その一言を聞いたダンス部の面々は、すぐに阿鼻叫喚となり、錯乱し、逃亡したそうだ。

 ちなみに、後に何を言われたのか、木戸が聞いたが、誰も話さなかったらしい。


 だが、そんな阿鼻叫喚の中、木戸だけは違った。

 どういうわけか『お友達になりましょう』と言われたらしい。

 切っ掛けになるようなエピソードに心当たりがあったそうで、そのまま了承したと言う。


 よくわからんが、美鈴がニンジャという予想は、間違っていない気がしてきた。

 本当に、美鈴は、どうなっているんだ……。


 第二会議室に入ると、現会長の佐々木先輩を筆頭に、生徒会メンバーが勢ぞろいしていた。

 美鈴も到着していて、一年の目立ちたがり屋も当然いる。

 美鈴の応援演説担当者は、取り巻きの一人の女子のようだ。

 表向きの交流は、見せていないので、特に何も思われることはないだろう。

 それからも、数人が加わり、説明会が始まった。


「現生徒会会長の佐々木だ。今回は、無投票で生徒会に入る物がいないようで、安心した。こまかいことは後にして、君たちが、当選した後、期末テストの近くまでは、俺たちがフォローをするから、特に悩まずに、生徒会役員になってくれたら良い。それじゃあ、プリントを配る」


 この佐々木先輩の発言が、自らをくるしめたのだろう。

 辛うじて、慶大には、入学するが、希望の学科には入れなかったと、話していたのが印象的だ。


 確かこの佐々木先輩は、二〇二〇年近くでは、大規模な介護施設をいくつも運営をしている会社の役員になっていた。

 悪い話は、聞いたことのない会社だったので、彼なりに成功したのだと思っている。



 配られたプリントを眺めながら、説明を聞いていく。


 選挙の前に本人演説と応援演説がある。

 各一〇分の持ち時間があり、どちらが先になっても良いらしい。

 ここをうまく使ってみるか……。


 名前の書いた襷を身に着けて歩き回るのは、さすがにつらい。

 それは、目立つことしか考えていない俺の対抗馬だから、できたのだ。


 正々堂々と、この時間内で、やってやろう!


「……、と、そういうことになっている。土曜日は、体育館に移動し始めたら先行して、体育館のステージ裏に集まっていてくれ。質問はないか?」


 いくつか質問が上がったが、特に重要なことはなかったので、そのまま解散となった。



 さて、目立ちたがり屋に勝つための準備をしなければならない。勝算は、あると思う。

 翌日の火曜日から行動を開始する。


 まずは、自分のクラス、一年二組で、支持をしてもらえるように頼み、体育で共同授業をしている一年一組にも支持を頼みに行った。

 体育と言えば、日比先生の代わりだが、非常勤から常勤講師に昇格した先生が担当してくれている。

 若手だが、話の分かる良い先生で、このまま正式採用されることを願っている。


 さらに、一年一組には美鈴が在籍している。あえて、気にしないようにしていたが、頼みごとをするなら、ありがたい存在だ。

 こちらでも、支持を貰い、軽音部、フォークソング部、木戸が所属しているダンス部にも支持を頼みに行った。

 二年生と三年生の知り合いで、教室ごと支持を得られそうな二村先輩、滝口先輩、脇田先輩のクラスへも支持を貰いに行った。

 とにかく、俺と縁のあるクラスや部活を周り、仕込みをしていった。


 最低限と言うには、多いくらいの人数の支持と仕込みが出来たので、木戸へ渡す応援演説の内容が書かれた物を美鈴から受け取り、そこから、俺の演説分を作って行く。


 無難と言うべきか、丁度良い内容で書かれており、これなら、木戸も問題なく読んでくれそうだ。

 俺の演説分もできあがり、最後に、選挙の演説会の準備をする放送部へ行き、どんな機材が使われるのかを聴いておいた。

 手で持てるハンドマイクで、コードが付いている。

 当日のステージの上には、教卓が置かれる。

 その上にテーブル用のマイクスタンドが置かれ、このマイクが固定される。

 マイクの取り外しは、教卓の中を通すような複雑なことはせず、コードを後ろから引いてて固定しているだけなので、取り外しには、問題はないようだ。


 これで、必要なことは、全部やったはずだ。



 土曜日の朝となり、高校へ向かう。

 今週は、いろいろな人と話したが、俺のことを、良く知っている人物たち以外からも、好印象を持たれているように感じた。

 部活関係は、俺が不在の時に使えるように配ったテープが思いのほか、好評らしい。

 バンドメンバーに配ったテープを使って、二年生のドラマーがコピーにチャレンジしているそうだ。

 難しい曲ばかりだが、ぜひ頑張ってほしい。

 フォークソング部に配ったテープは、俺の知らない生徒も聞いているそうで、弾き語りのお手本としているそうだ。

 もう少し、上手い弾き語りを録音しておくべきだった……。

 谷も、音楽関係のネタが、そこそこ広まっているおかげで、支持を集めやすかった印象だ。



 教室に入り、岩本先生が来てから、早めの移動を開始する。

 俺が早めに抜けることを把握している岩本先生から、頑張ってきなさい、と一言声を掛けてもらった。

 おし、行くぞ!


 木戸と少し急ぎ気味で、体育館へ向かう。

 すでに、体育館には、現生徒会メンバーが集結しており、候補者も半分ほどは、集まっていた。


 全員が集まり次第、順番を決めていく。


 書記、会計、副会長、会長の順で演説をするのだが、定員が、書記二人、会計二人、副会長一人、会長一人の六人体制になる。

 候補者は、定員より一人ずつ多い状態なので、書記三人、会計三人、副会長二人、会長二人となっている。


 特に揉めることはなくジャンケンやらで順番が決まって行ったが、目立ちたがり屋が俺に選ぶ権利を譲ってくれた。

 火曜日からこいつは、襷がけで歩き回っていた。

 かなりの自信があるのだろう。

 だが、お前には、会長を任せられない。

 佐々木先輩たちが希望の学部に入るためには、お前は、邪魔なんだ!

 元々の選挙に出たいと思った動機の中に、佐々木先輩たちの未来を変えるというのも、確かにあった。

 以前の俺の記憶の中にいる佐々木先輩には、本当に良くしてもらった。

 卒業してからも、連絡を取り合っていた。

 俺の尊敬する先輩の一人なんだ!

 お前に邪魔は、絶対にさせない!


 そうして俺は、最後に演説をすることを選んだ。



 体育館に生徒たちが入りだし、ステージの袖で、待機を続ける。

 佐々木先輩たちは、教師たちの並ぶ列に移っている。

「なんで、私、ここにいるんだろうね……」

「木戸さんにも良いことがあるさ」

「そうかな。で、本当にやるの?」

「ああ、もう仕込みは済んでいる」

「桐山君もさすがにあの美鈴様の幼馴染ってとこなのかな。普通じゃないよね」

「普通が、何なのかわからないが、楽しめた方が良いとは思う」

「うんうん、私もそれはすごく思う。楽しめないとダメだよね」

「まあ、せっかくこんなところにいるんだから、楽しもう」


 それからも、木戸と、時間つぶしにいろいろと話していった。


 よく話してみると、木戸は、面白いキャラかもしれない。

 以前の俺の記憶にある木戸は、俺たちを避けていたのではなくて、俺たちが避けていたのかもしれないな。


 木戸グループとの付き合い方も考えないとな。


 そうしているうちに、目立ちたがり屋の番がやってきた。


「……なので、よろしくお願いします。最後に一言だけ、立ち上がれ! 慶徳生よ! 慶徳高校には、皆の力が必要だ!」



 うん、以前の記憶のままだな、俺たちが生まれたころに放送されていたロボットアニメの台詞をアレンジして、言うんだよな。これが滑る。

 だが、これが滑りウケというやつで、面白い会長で良いんじゃないかという流れが出来てしまう。

 その結果、もう一人の候補者を落としてしまうんだよ。


 って、なぜ、いま、もう一人の候補者のことを思い出した?

 確か女子で……、思い出してしまった。美鈴の応援演説をする女子だ。


 立候補する前に、美鈴に頼まれたから、断念したのか。

 なぜ、今まで忘れていた……。

 この時にしか、目立つ行動をしていないから忘れていたんだろう。

 うーん、記憶にムラが多すぎるな。


 秘密ノートやらの作成も急いだほうが良いのかもしれない。

 こちらの記憶が、二〇二〇年の俺を塗りつぶしていることだってあり得るんだ。


 ひとまず、今を集中しよう……。


 木戸がステージに上がり、約一〇分を話し切った。


 さて、次だ。

 ステージに上がり、まずは普通に話し始める。


「皆さん、今回、生徒会会長に立候補しました桐山彰と申します。僕が……」


 まあ、正直、こんな内容をまともに聞いている奴の方が珍しいと俺は思ってしまう……。

 目立ちたがり屋のように、アニメのセリフの引用くらいして、大声を上げないと、面白くはないよな。


「……というのが、僕の目指す生徒会であり、慶徳高校です。ですが、言葉を重ねても伝わることの方が少ない気もしますので、実際僕の想う生徒が一丸となって声を上げられる慶徳高校をやってみましょう!」


 うん、まだ五分残っている。

 生徒の大半もよくわからないというような顔をしている。

 これが見たかったんだよな。

 マイクスタンドから、マイクを抜き取り、ステージのぎりぎりのところまで行く。


「僕のクラス、一年二組!」

「おおおおお!」

 クラスメイトたちが立ち上がる。


 ドンドンパン!

 ドンドンパン!


 俺も足踏みでドンドンとやる。拍手は皆に任せた。


「一年一組!」

「おおおおおお!」

「僕と縁のある部活の皆さん!」

「おおおおおお!」


 木戸もここで出てきて、ドンドンパンとやってもらう。

「ドンドンパン! 他の皆も!

 ドンドンパン!

 ドンドンパン!


「それじゃあいくぜえええ!」


 歌う曲は、メイクイーンの『ロックユー』だ。

 ドンドンパン!

 この足踏みと拍手に合わせて、歌っていく、

 約三分の曲だ。

 指を三本出して、

 後どれくらいやるのかを示しながら歌っていく!


 ドンドンパン!

 ドンドンパン!


 そうして約三分後、歌い終わり、皆に両手を振って、終わったことを知らせる。


「ハァハァ……、一丸になるって楽しいですよね!」

「おおおおお!」


 そうして、俺の演説は終わった。


「無茶苦茶だよね。桐山君、おかしすぎ!」

「これで、落ちたら、さすがに高校を辞めたくなる……」

「花束くらいは、用意してあげてもいいよ」


 そうして、投票が行われ、現生徒会メンバーが、集計に入った。


 なんだかんだと、時間だけはかかったので、教室に戻るとすぐにホームルームの時間となった。


「桐山君、先生はね。何事にも、やりすぎっていうのがあると思う。気を付けてくださいね」

「はい、肝に銘じておきます」


 ここからは俺一人で行動となる。

 木戸には、こんど改めて何かお礼をすると告げて、生徒会室に向かう。

「桐山だったな。無茶しすぎだ。だが、お前が、今年の生徒会長だ。がんばれよ!」

「佐々木先輩、ありがとうございます。俺、一生懸命やって見せます。それに、先輩たちが受験に集中できるように頑張りますね」


候補者たちが、改めて集合し、佐々木先輩の口から、獲得票数と誰が当選したかが告げられて行く。


 生徒会

 会長

 一年 桐山アキラ

 副会長

 一年 東大路美鈴

 会計

 二年 本田信也

 二年 常川久子

 書記

 二年 堀江公司

 二年 今津和美


 会長と副会長が一年となり、残りは二年となった。

 獲得票数は、終わってみれば、当選した生徒たちの圧倒的多数という結果となっている。


「会長になります桐山彰です。一年ですが、皆さんよろしくお願いします」

「同じく一年の東大路美鈴です、よろしくおねがいします」

「二年の本田信也だ。去年からの続投になる。会長は大変だろうが、しっかり見守ってやるからな」

「二年の常川です。信也君と同じく続投です。大変でしょうけど、頑張って行きましょうね」

「二年の堀江だ。俺は、学年議員団で、こちらに顔は出していた。全く勝手がわからないわけじゃないが、よろしく頼む」

「二年の、今津です。私も学年議員団で、お邪魔していました。どうぞよろしくお願いします」


 俺の記憶通りのメンバーだ。

 本当なら副会長も続投の人になるんだが、美鈴が落としてしまったのだからしょうがないよな。


「まあ、とりあえず、来週の昼食から、弁当の者は、ここで食べるようにしろ。交流を深めないといけないからな」

 佐々木先輩がそういうと、皆が弁当だという話になり、昼食は、全員ここで食べることになった。


 そうして、生徒会の会長になってしまった今日が終わって行った。


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