表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅蓮色の空  作者: 蒼の矛
未帰還者#2
79/80

未帰還者#2/23

……バカな。煉のヤツ……


機体が初期装備ではない?


黒光りする重厚な装甲に固められたどっしりとした台形のフォルム。


その体格の背後に備え付けられた2本の重迫撃砲が伸びている。


キャタピラの脚部パーツ、両手には近接型を牽制するためのショットガン。


火力と防御力に特化した重装備型だと!?


コイツ、マジか。


何故だ。何故イクシオン・ゼロスのユーザーなんだ。


「何故だ」


「紫苑が負けたらプリクラの刑」


「はぁ!?」


あれ、ダメだ。頭こんがらがってきた。


何故イクシオン・ゼロスをプレイしているんだ?


しかも全くの素人じゃない?


いや、身辺調査で俺がイクシオン・ゼロスをやってる事くらい判るか。


そう思うとなんだか、怒りが込み上げてきた。


「くそ、バカにしやがって……」


「紫苑、容赦はしない」


「良いだろう、今から徹底的に叩いてやるからな!」


愛機のバーニアを吹かすと俺の機体は銃弾や、榴弾。光線の飛び交う空へと舞いあがった。



煉の隣で俺はカメラを見ていた。


『はい、チーズ♪』


シャッター音がして、落書きタイム。


……激闘の末、煉に負けた。負けてしまった……この俺が……。


対接近戦の機体で、更に回り込めない狭いビルの間から迫撃砲を飛ばしてくるだからしっかり直撃した。


しかし、まともに戦うにはその狭くて動きの取り難いビル群の中にいる煉機に接近しなければならない。


デフォルトでHPが低いので自慢の機動力を奪われてはもう、虫の息もいいところだ。


たった3発で撃墜された。


迫撃砲の弾速も速かった。


それから4時間は同じ様に火花を散らして戦っていた。


長距離狙撃、重装備型、航空爆撃型、罠設置型。


様々なバリエーションで戦ってみたが一向に歯が立たない。


煉との差はどこから来るのか…


考えられるのは、俺が所詮素人だからか。


結果、プリクラを撮る羽目に。


煉はどこか満足気に鼻からふんすと空気を吐いた。


「満足したみたいだな」


それを携帯に張り付けている煉に掛ける声にも、我ながら力がなかった。


なんだか、悔しいを通り越して疲れた。


ただの時間潰しが煉に振り回される形になった。


最早苦痛で苦辛だ。


苦しさは通常の2倍の凄まじさといった感じか。


「紫苑、楽しい」


普段表情の変化に乏しい煉には珍しく、笑顔でそう言った。


世の中の男性は女性のこういう表情にときめいたりするらしい。


「そうか」


作り笑顔で返事をする。


どうやら俺は例外だったみたいだ。


ピクリとも反応しねえ。


興味が無いのだから仕方がない。


それより、この後の事を考えよう。


「煉、吉津根美山には何時に行くんだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ