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紅蓮色の空  作者: 蒼の矛
未帰還者#2
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未帰還者#2/21

他人には他人の人生があるように、俺には俺の人生がある。


他人には極力関わらないし、此方に関わらせない。


だが、他人はそれを良しとしない。


誰かは誰かを軽視し、或は価値を計ろうとする。


愚かなことだ。


だが……計られ、軽視されるくらいなら。計り、軽視する側にならなくてはならない。


食われる側から食う側にならなくては。


その立場から落ちれば本当の意味で道化になる。


食われ、食われ、食われ尽くされ、奪われて弄ばれた挙げ句、魂を殺される。


そうだ、逃走も従順でも解決しない。


能力を得る前にいつもやっていた事だ。従順なフリをして、裏を掻け。


降りかかる火の粉は払うしかない。


本性を見せたら殺せばいい。


それよりもだ。組織云々なんぞよりも大切なことがある。


家族を殺され、復讐の鬼となった西園の願い。


それを聞き届けたものが、仇である里中を殺した犯人だ。


結末の確認がまだ済んでない。


煉の所属する組織に邪魔されたからだ。


罠にハマった俺にも落ち度はある。


今後は気を付けよう。次からは殺せる場で直ぐに殺す事にしよう。


どうせ吉津根美山は西園が殺人をした現場。


潰れた寺だか神社がある。


奇妙な偶然だが、そこで戦うってなるならやはりそれと戦うんだろう。


それの能力は一度見ただけだが……。


赤い服にドクロのような顔。


あれが殺したと思われる死体はミイラ化している以外外傷は恐らくない。


あの能力は、具体的にどんな力が作用するのかが気になるな。


敵の正体が判らないのは少々恐ろしいな。


戦い。殺し合い。


俺はもう人を一人殺した身。


今更躊躇う訳にはいかない。


いや、気持ちで後れを取るはずがない。


それに、煉や組織が何者なのかも、何が起こっているのかもわからないまま死ねるはずがない。


勝たなきゃならん理由は単純明快。


興味があるからだ。


心では人間を辞めた俺だ。生きたいわけでもない。


死は怖くない。


強いて他に理由を挙げるならその後、煉のいる組織に復讐をしたい。


その理由も西園を玩具にした悪趣味な遊びの邪魔をされたからだ。


その馬鹿げた遊びも完遂しようとしている。


完遂したら従順に振る舞いつつ邪魔者を殺して殺して殺し尽くして、平穏を取り戻す。


それから、まだ見ぬ興味の沸くもので遊びたい。


……それ以外の理由はない。


人生を徒然なるままに生き、徒然なるままに最期を迎える以外の理由はない。


白紙。皆無。


死神を使って戦うのは面白い。


あの力に興味はある。


「……そうか……」


戦う事が。死神の能力で暴れる事が、俺の目的なんだ。


……俺のしたいことがわかった。


いや、わかっていた。


以前から……”何年も前から”思っていた事じゃないか。


それは、人類の……


肩を軽く2回叩かれて俺は我に帰った。


やけに重たく感じたヘッドフォンを外すと、煉が悲しそうに目を伏せたまま前に回り込んだ。


「紫苑、お願いがある」


またお願いか。


この女は全く都合がいい。


「……言うだけ言ってみろ」


「私を見て欲しい」


「あぁ?どういう意味だよ、そ……」


続けてしゃべる事が出来なかった。


口が動かせない。


「んぅ」



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