未帰還者#2/6
確かに仕留めたと確信した次の瞬間。
死神の鎌は少女の背後に現れた人影によって阻まれていた。
「……効かない」
甲冑が大剣の腹で攻撃を受け止めている。
その光景が理解できなかった。
「馬鹿なっ!?」
あの位置にはなんの柄もないコンクリートの無地の壁しかなかったはずだ。
どうなっている……?
どこから沸き出した?
……沸いただと?
まさかあの甲冑はコイツの……?
「まさか、お前っ!」
「そう、この鎧は私の分身……フェトスラゴール」
フェトスラゴール?
能力に名前まで着けているのか。
だが間違いない。
この女、俺や西園と同類だ!
「クソ。目には目をっていう事か」
死神はそのまま女を殺すと言う任務遂行に置いて、障害である甲冑に照準を変え、鎌を振るう。
上から一度斜めに降り下ろしもう一度鋭角に斬り上げた。
甲冑は静を保ったまま、大剣の腹でそれを受け止める。
「やめて、私はあなたに敵意はない」
「今更だな!俺にはあるぞ、お前らを狩り殺すに値する理由がな!」
邪魔をした邪魔をした邪魔をした邪魔をした邪魔をした邪魔をした邪魔をした邪魔をしたああああああああああああああ!!
高鳴る憎悪の鼓動に比例し、殺意が高まる。
殺意を燃料にして動いているかのように、死神が先程よりも鎌を強く振り下ろして、大剣の防御を崩そうと鍔迫り合いが始まった。
「お願い、やめて」
甲冑が連撃に耐えきれず、膝を折ったその瞬間を俺は見逃さなかった。
鎌が大きく振り上げられ、甲冑の頭目掛けて降り下ろされた。
「死ねぇぇぇえええ!!!」
渾身の攻撃によって発生した余りの衝撃に軽い地震のような振動が床、足を通して伝わってきた。
死神をよく見る。
降り下ろされ渾身の一撃は、地面に深々と食い込んで周囲に巨大なへこみを形成していた…
既に甲冑は消えていた。
黒いフードの男が出した天使も、倒れたら光になって消えた。
甲冑も例外ではないはず。
仕留めた、絶対に仕留めた!
確信すると歓喜に心が騒ぐ。
能力者を見ると、少女は気絶も頭痛に悶えもしていない。
……え?
「無駄」
真横から甲冑が大剣を振り上げて死神に突っ込んで来た。
なすすべもなく、大剣の凄まじい衝撃に耐えかねた死神は宙へ浮き上がり壁に激突した。
「ぐがぁ……!」
フィードバックの頭痛が俺を襲う。
もともと不調の身体では堪えきれずにバランスを崩し、棒倒れしそうになるも床に肘をついてどうにか防ぐ。
そして有らん限り頭を巡らせた。
何故だ……何故……
攻撃を食らって倒れたはず、いや……それなら頭痛が起こっていて能力者もただでは……。
少女は事も無げに立っていた。痩せ我慢で隠せる程生易しくもない。
また現れた鎧……
つまり……
「なっ!?」
消えた……いや、消したのか!
俺の死神は使用者の意志に応じて突然現れ、意志に応じて突然消える。
それは能力を持つものなら多分誰でもそうなんだろう。
あの女は自分の意志で甲冑を消し、攻撃を回避したというのか!
状況を整理し終わる頃、




