未帰還者40
駅に面したところは営業している店もあった。
ローブは奥へ奥へとはためいて行く。
廃墟に両側を塞がれた一本道はまっすぐ続いている。
廃ビル。
潰れたコンビニ。
そこに人気がない様で、実は隠れている。
ホームレスや、不良気取りの頭の悪い連中、中には関わると本当に危ない奴ら。
ローブは奥へ逃げていく。
逃がさない。アイツには能力について知ってる事を吐いてもらう。
そのあと……合理的に考えれば……殺す。
殺すしかない。
能力者は俺だけで良い。
能力を得た俺にしてみれば、最早人間など取るに足らない存在だ。
能力者は殺す。俺にとって最も脅威的なのは、俺と同じ能力者だ!
ビルとビルの間、路地とも呼べない様な1メートル程度の狭い隙間を縫って行く。
直ぐに正面に突き当たり右に折れた。
その次は左、右、左、左。
すると。
ビルに3方を囲まれた行き止まりにたどり着いた。
しめた!袋小路だ。壁をよじ登らなくては踏破出来ないな。
ここまで奥なら人は来ない。
死神で一気に襲いかかってやる。
尋問してやる。
「うん、よくここまで着いてきたね」
と焦りを感じさせない声で、ローブの男はそう言った。
立ち止まってローブがゆるりと振り返る、あの日のようにフードの中からガスマスクが覗いてた。
まさか、罠だったのか?
……いや、こちらには死神がある。
奴の天使には勝てたんだ。
「ハッタリを言うな、今、死神で……」
突然、ガスマスクの男は無言で右手を挙げた。
すると、右左と真正面、それぞれ建物の3階の窓から黒いフルフェイスのヘルメットが覗き込み、見下ろしてきた。
なにかを持ってる?
何故だか視界が傾いた。
……そうか。
奴らの持ってるそれがサプレッサー付きのライフルだと悟った時には俺は地面に横たわっていた。
不覚だ……
少し考えればわかる事だった。
以前一人で来て敗北したなら、次は何らかの対抗策を持ってくるはずだって事は。
俺の意識が遠くなるにつれて視界がぼんやりしてまぶたが重くなる。
クソ。乗せられていたのか……。
黙っていてもこんな風に危害を加えてくる……。人は……人類は嫌いだ………チクショウが……




