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紅蓮色の空  作者: 蒼の矛
未帰還者
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未帰還者31

多分、寺で獲得できる情報はこれで全てだろう。


原付を飛ばし家路を急ぐ。時々夕餉の香りがどこからか漂ってきた。


夕暮れ、時間が経つのも存外早いもんだな。


時刻は既に19時を回っていた。


帰ったら俺も夕飯の支度を初めよう。


自宅に着いて、原付を停めて玄関へ歩いた。


名前のわかった死体。あの名前をどう調べよう……。やはりウチの学生に聞くのが手っ取り早いだろうか。


誰か知ってそうなヤツに心当たりは……。


「……居ないよな」


「誰が居ないって?」


うわ……。


原付を駐車スペースに停めると、眉を吊り上げて大変ご立腹な様子の大山が庭先に現れた。


最悪だ。


失念していた。


コイツが待ち構えてそうな事など、考えればわかる様なものなのに……


「ちょっと、聞いてんの!」


「うっさいストーカー」


そう言って、玄関へ滑り込んだ。


玄関の鍵を掛けたらドアノブが激しく回った。


ここまでされたら、ホラーだろ最早。


死体と過ごした身体ではいけないな。不衛生だ。


可及的、速やかに風呂に入ってから料理を始めた。


風呂から出ても妹はまだ帰ってなかった。


流石に妹には申し訳ないので、自分の分だけ作って食べた。


その晩は出掛けなかった。


その代わり、PCで富田孝四郎の名前を調べたが…地元紙にもヒットしなかった。


大して探されもしないようだ。


家族の捜索願いは出ている様で、警察も調度昨年位に一般公開はしては居るが顔写真と名前だけ。


それ以上の情報はなく、有益とは言い難い。


…好き勝手暴れたんだから仕方ないと言えば仕方ないんだろうな。


里中は事故でだけ取り上げられているし。


……ふむ。


大した収穫にはならなかったか。


昨今の行方不明者はこの二ヶ月で集中的に起こっている。


つまり、ほぼ無関係だろう。


さてさてどうしたものか……


どこにいるのか、存在すら危ういストライドを探したくないし、そもそも低俗な輩に直接的に接触したくない。


携帯を見てみるか、竹中から連絡があるかもしれない。

画面を見ると封筒のアイコンが出ていた。タッチしてみるとクラスメイトの竹中からの返信だ。

封筒からメールが出てきて、アプリが起動する。

期待していた物がそこにはあった。


竹中曰く。


西園の父親は再婚している。

里中はやはり死んでいる。

西園と連絡が取れなくなった。

言い知れぬ高揚感に身を震わせ携帯をしまう。


想定通りだ。


……明日すぐにでも確認しなくては。


その日はそのまま歯を磨いてベッドに潜り込んだ。

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