表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅蓮色の空  作者: 蒼の矛
未帰還者
41/80

未帰還者26

妹はどうやら、朝から出掛けている様だ。


アイスココアを注いだグラスを手に自室の机に着くと、迷わず昨日の事を思い返す。


あの赤いヤツ。


黒い羽、ハンマーのような円柱の肩、赤い服、黒い顔。

それから、ミイラ化した死体。


今ここで考えてみると状況証拠だけで、それ以外の裏取りが何も取れていない。


まず、寺にあったもの……。

中にはいると本殿の中にはミイラになった死体が複数あった。


正体不明のあの赤い奴……。


くそ、これだけでは仕方がない……。

事件の全容が全然明らかにならないな。

これはもう一度、あの死人だらけの寺に行く他ないな。


西園の事もしらべないと……

竹中なら何か知ってるだろう。使うか。

そう思って竹中にメールを送信した。


「ん?」


電子音が定期的に鳴り、携帯が震える。

これはメールではなく、電話の着信だ。


「竹中か?早いな」


「事件は現場で起きてる!行こう紫苑!」


うっわ……大山だよ……。


通話ボタンを押したら、昨日散々聞いたあの忌々しい声がした。

思わずゾワっと鳥肌が立つ。

気持ち悪い、気持ち悪い……。


チクショウ、出る前に画面見りゃよかった……。


自分の迂闊さに一瞬たじろいでしまったが、俺は気付けにココアを一気飲みしてから、捲し立てた。


「掛け間違いだ。俺はお前に紫苑呼ばわりされる覚えはない。別の紫苑さんと間違えているんじゃないか」


「そんな事ないよー。私、紫苑って名前の友達は紫苑だけだもん。うふ!昨日は一緒に帰ってくれてありがとっ!」


くっ……昨日おぶって帰った事か。

あれはああでもしないと、色々不味かった。


大山をあのまま残して帰って、もし何かあったら俺が責任を問われる可能性があったからだ。


それを勘違いして、この女は付け上がっているのだ。あれだけの罵声を浴びせたにもかかわらずに。


やっぱり、リスクを省みず置いておくべきだったか。

だがもう、そんな後悔は役に立たない。


「なんの用だ」


「冷たいなあ紫苑は。まあいいや。昨日のお寺に行くんでしょ?」


「さあな」


「じゃあ、今度こそ私と行こうよ!」


「一人で行ってこい」


俺は電話を切った。


つくづく読めない奴だ。

馴れ馴れしいし着信拒否にしてやろうか。


名前呼びも止めないし。


一緒に寺には行かないと言った筈だ。

これは誘われて断ったのだ。


一人で行って、危ない目に巻き込まれても知ったことではない。


あっ……しかし、昨日の時みたいにミイラが見付かる心配があるか。


……先行して寺に行き、待ち伏せするしかないか?


くそ、仕方ない……。

まぁいいさ。調査もかねて、日が出ている内に済ませてしまおう。

今日は空は憎たらしいほどの快晴だ。


これなら昨日よりは周りがよく見えるはず。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ