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紅蓮色の空  作者: 蒼の矛
未帰還者
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未帰還者25

赤いヤツが怯んだ。


今なら。


「……!?」


今度は軽微だが頭痛だ。


反撃だと……?


くそ、何が……。


赤いヤツは突き飛ばされて、少し離れたところでバランスを崩して、立て直そうと必死だったはず。


何故か、死神も同じくフラフラとバランスを取り戻そうとしている。


どうなってる?


咄嗟に死神は攻撃を受けたのか。


観察していると、フラフラと宙を漂っていた赤いヤツが先に体勢を立て直した。


内心攻撃される覚悟をしたが、攻撃する気配がない。


その間に死神もやがて立ち直る。


……この化け物はなんなんだ?


もし、俺の力と同じものなら、誰かが危害を加える目的でこの化け物を出した。


物陰か暗闇に隠れていたはずの能力者が近くに居るはずだ。


漠然とピリピリと、静電気の様な感じが正面から感じる。人の視線だ。


さっきは気を抜いていたが、今なら視線を感じる。社の後ろ……。


位置は分かっても、相変わらず闇に包まれていて、目視では様子まで伺えない。


社の方を目を凝らしていると不意に赤いヤツがこちらを向いた。


何か仕掛けてくるのかと様子を伺ったのもつかの間。


赤いヤツは沈黙を保ったまま、まるで風に吹かれた煙のように忽然と姿を消した。


死神が消える時と同じだ。


最初から何も居なかったように、静寂が訪れた。


「……逃がした?」


死神を消して三度様子を見る。


…………視線が消えた。邪魔者は居なくなった様だ。


どうする?探索を続行するか?


いや、まだ能力者が居るかもしれない社に、下手に近づくのは不味いか?


相手が何を考えているのか分からない。


殺すつもりはないと言う事か?


「うぐっ……ひぐっ……」


と思案していると背後に大山が現れた。


……泣いてんよこいつ……。


怖いなら来なきゃ良いのに。


それから、未だに泣いていた大山を無理やり背負って帰路について、俺は眠った。


大山が居るのに探索なんか出来ない。


頭の中の情報を整理する為にも、一度休んだ方が良いと思う事にした。


壮絶な夜を越えた翌朝、暑苦しい日差しがベッドに降り注ぐ。


身体中汗だくだったので、風呂に入ってから、妹の作り置きの朝食を済ませ、皿を洗った。

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