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紅蓮色の空  作者: 蒼の矛
未帰還者
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未帰還者23

家を出るとき、一度見られていたな。


ここに来ると予想していたのか?


いつもいつもこの女は……!


「この疫病神女が、俺の邪魔ばかりするな!」


そういってやると、大山の眉にみるみるシワが寄っていく。


「邪魔って何よ!紫苑の方こそ、一緒に行くって約束したのに一人で心霊スポットに行くとか酷い!」


「行かないとは言ったが、約束した覚えはない!」


妄想癖があったとは知らなかった。


……はやく追い返さないと、趣味に興じる事ができない。


多分、犯人も居る。


大山はうつ向いてスカートの裾を力一杯握り締めた。


「……酷いよ……私、楽しみにしてたんだよ!?紫苑と……デートするの」


声が震えてる。


泣いてしまった様だ。


っていうかデートって言ったか?


人嫌いをバカにしてるのか?


「とっとと帰れ、お前は不要だ」


すると、大山はその場に座り込んだ。


「やだぁ!帰んないー!」


「ガキか貴様は!」


くそ……思わず天を仰いだ。


天井も見えないくらいに暗がりが広がっていた。


こいつ邪魔だわースゲー邪魔だわー。


「……じゃあ俺は帰るよ、一人で心霊スポットで、そうやって頑張ってるが良いさ」


とは言うものの、出口は恐らく一ヶ所。


本殿の周りは壁で囲まれている。


入り口付近には大山……。


どうやって脱出する?

他に…出口はない。

いや、ブラフだから本当に出ていかなくて良いんだけど。


俺は帰るつもりはない。


さあ……どうだ。

この揺さぶりで大山は……。


なんだと?


「おい、その態度はなんのつもりだ」


月に照らされながら膝を抱えて前髪を垂らしている。

体育座りだ。


のれんの様な前髪の間から此方を睨んだ。


「ふん、ここでの垂れ死んでやるもん」


「はぁ?」


まずい、時間を掛けすぎている。


さっきから……人の動く気配がする。


「早く逃げろ!」


「ふん、じゃあ謝ってよ」


「このクソアマ…!」


近い……すぐ……後ろに……!


殺られる!気配と俺を遮断するように死神が現れ、俺は寺から飛び降りた。


今するべき、最善の手は……

素早い決断を必要とされ、間違えたら大山は命を失う。

そのプレッシャーに気圧されそうになりながらも判断と言うより、本能の流れるままに行動した。

大山の肩を抱き、膝の裏に腕を通し抱え上げた。


「え?なに?紫苑?」


「うっせぇんだよこのバカが!」


このまま大山を遠くに逃がす事が最大に最善の策だ。

とにかく、射程がどれだけあるのか解らない。


だが間合いから逃げれば!


「な、なによ……あれ……」


駆け出して数歩、腕の中で疫病神はそう言った。


「うわああああああ!!」


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