未帰還者5
にしても嘆息がでてしまう。
昨日まで存在も知らなかった同級生に会いに行くのだ。
それも登校を促しに。
まあいいさ。
行くだけ行って事を終わらせるさ。
大山はおまけみたいなもんだし。
確率は低いが、大山に一目惚れでもすれば、釣られて学校には来るかもしれない。
だがそれで目立ちたくはないな。
竹中にもよく言っておこう。
CDを貸してくれと言ったり、こんな仕事任せたり……やりたい放題やりやがって。俺は便利屋じゃない。
玄関に降りると、大山が壁に寄り掛かって携帯を弄っている。
「待たせたな」
要件が済んだら、コイツをどう引き剥がすか。
自然に帰る下りになればいいが。
なんて考えて居ると、大山はニッコリ笑って玄関を開けた。
「さぁ、行こうよ!紫苑」
元気にそう言った。何か勘違いしてそうな気がする程に大山は元気だった。
「心霊スポットには行かないからな」
あと、デートとかじゃないし、幼馴染みというだけで付き合ってもない。それを大山はわかっているのか?
そろそろ名前で呼ばせない様にしなくては。
†
やっぱドタキャンするか?
……いや、人を殺した後にあまり不審な行動を取るべきではないか。
オッサンの死体はいずれは見つかると思って諦めていた。
そこに爆発事故とやらがあった。が、死体については何も触れられていない。
誰かが……いや、オッサンの仲間が死体や痕跡を処理した。それは間違いない。
既に知られている。敵と俺の間にある秘密だ。
それがどこから伝って警察等にバレないという保証はない。
疑われる可能性は予めある程度潰す。特に第三者が関わる事に関しては不審な行動を取るべきではない。
幸い一つ隣の駅に西園は住んでいる。
俺達は眩むような激しい日差しの中を歩き、駅に到着した。
その道中で大山には説明しておいた。
「西園……君?知らないなあ。にしても紫苑もいいとこ有るね!」
西園の事は大山も知らないらしい。
そらそうか。
大抵、そういう生徒は先生が言わない限り知らないクラスメートがほとんどだ。
そう思いながら切符を買おうとした時。
「ねぇねぇ、紫苑紫苑!」




