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FUTURE DIVE  作者: 立鳥 跡
第二章 勇者
9/9

プロローグ


 人生ってつまらない。


 十六年間生きてきて思った事だ。


 特に親しい友人はいないし、もちろん彼女だってできた事はない。

 部活で汗をかく訳でもなく、中学時代は帰宅部で勉強が出来る訳でもない。何の取り柄もなく、地味に生きてきた。

 

 そんな僕に転機が訪れる。


 高校の入学祝いに祖父と祖母がVR機器を買ってくれた。

 周囲が当たり前の様に持っていたFUTUREDIVEを僕は今までやる事が出来なかった。


 だが、これで仲間外れにされないで済む。友達も出来て、あわよくば彼女も出来るかもしれない。


 都合のいい妄想に浸りながらVR機器をセッティングする。

 事前に遺伝子検査の為の髪の毛一本とアンケートは書いておくってある。

 FUTUREDIVEをする準備は出来ている。

 VR機器を頭に被り、電源を入れる。  



 ――ブォン。 




『ようこそFUTURE DIVEの世界へ。FUTURE DIVEをするにあたってのお名前を教えて下さい。』




 名前はもう決めてある。もちろん本名の芹沢翔(せりざわかける)を名乗るつもりはない。翔の別読みでショウにする。




『ショウ様ですね。ではまずFUTURE DIVEがなぜできたのか説明させて頂きます。FUTURE DIVEは、日常生活をおくるのが困難な人の為の医療機器として開発されました。日常では、歩いたり走ったり出来ない人も、目が見えない人も、耳が聴こえない人も味覚がない人も、臭覚がない人もそして意識がない所謂植物状態の方も自由に生きることが出来る世界。


 それがFUTURE DIVEの生い立ちです。


 今ではFUTURE DIVE内で仕事をしている方も多く、もう一つの世界――電子世界とも呼ばれています。


 その為、使用者様によりFUTURE DIVEの世界を楽しんでもらう為に使用者様の遺伝子と性格で使用者様に向いた職業を提案させて頂いております。


 それではショウ様に向いた職業を提案させていただきます。


 あなた様に向いた職業は勇者です。


 おめでとうございます。勇者は特殊職業です。もちろんこちらのカタログから初心者用の職業も選べますがどういたしますか?』



 ゆ、勇者!? 確かFUTUREDIVEの世界で一人しかいない筈なのSSSレア職業だったよな?

 

 カタログを一応開いてみる。職業、剣士、戦士、魔法使い、聖職者、商人、鍛治職人、農家、漁師などがある。どれも勇者と比べると味気ない。


 もちろん勇者の一択にきまっている。迷うことも無く勇者に決めた。



『職業は勇者でいいですか? Yes Or No』




 Yesを押すと、白かった世界が色づき始める。

 

 視界が霞む中、胸はドキドキしている。

 新しい自分に成れる予感を感じて。 


『それでは良き人生をお送り下さい』



 

 

 

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