(仮)
いつの間にか街の人たちも出店の経営を開始していた。
少しずつ最初の賑わいを取り戻していっているように。
「やっぱ帰んのやめようぜ」
ナツメが口を開くが、ユウは少し悩むように目を泳がせてから首を横に振った。そして目線を横のテーブルに移す。
「いただいたプレゼントを部屋に飾ろうかなって」
ユウはローブを着て、鞘を背負って剣をしまった。
そして薬草やらブーツやらを抱え持つ。
持ちきれなかった分はナツメやマオが進んで持った。
「俺らも手伝うよ」
「ありがとう」
ニコッと微笑んでお礼を言う。
ユウを先頭に6人が並んで歩き出す。
ゲームのRPGで、パーティ6人が冒険を始めるかのように。
街を通る時に目に付いたお店や食べ物に目を輝かせてこれはなんだ、あれはなんだと質問するマオたち三人に解説を入れているうちに、ユウの家に着く。
ユウとマオが離ればなれになって月日が経ちすぎた。
街の様子もお店も、また子供たちが何で遊んでいるかも変わりつつあった。
ユウとナツメとレイシア以外は、この6人の中ではわからない。
「変わってねぇな、レンガと木でできた小さな家」
マオは目を細めて言うと、扉を開けて中へと入っていった。
続いてユウも入っていく。
「なんか寂しくねぇか」
「昔の写真とかは、母さんが全部」
「まぁ、だろうな」
マオがどんな表情をしているかわからないが、いい思いをしてはいないことが雰囲気でユウはわかった。
静まり返る空気にいたたまれなくなったのか、レイシアがパチンと両手を打った。
「ほら!ユウの部屋行こ!プレゼント重いでしょ」
そう言うと1人でユウの部屋へとバタバタ騒がしく靴の音を鳴らして向かった。
「レイシアはああいう子」
ユウはそう言って荷物をうまく片腕で抱え、マオの手を引いた。
マオは不安そうな顔をしていたが、ふっと力が抜けたように笑顔になった。
部屋に入ると狭いと言ったのは