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ある悪魔祓い師司教補佐の移転奮闘記  作者: 山坂正里
第六章  守護神付きの青年、守護神と共に魔獣遣いと戦う。
21/23

今回は短めです。


 その晩も三トリオに付き合っていたら、あんまり眠れなかった。いや、うたた寝しようものなら「寝るなっ!」って言って、突いてくるし。兄ちゃんより性質悪いよ、こいつら。

 兄ちゃんも朝には帰ってきて、報告していた。魔獣遣いも魔獣も、兄ちゃんのセンサーには引っかからなかったそうだ。どこかに潜伏しているのは、確かだろうね。明日は人も多いし、今日中に見つけねぇとな。

 ラザフォード司教の提案により、俺と兄ちゃんは、今日は南東区か。ただし、成人姿でという条件付きだった。北西区だと、昼間でも子供と女性は危ないエリアがあるとかで。兄ちゃんは歩かせられないそうだが。南東区なら、大人だとまだ安心だからだって。

 歩いていたら、妙に視線を感じたが、気のせいだろう。……あぁ、気のせいさ!

 兄ちゃん、服そのままだし。白衣、ボタンを留めるとかしろよと真面目な同僚には言われたが。兄ちゃんがきく訳がなかったよ。見えそうで見えないラインだとかなんとか……目のやり場に困ってしまうね。

 昼食は、北東区にある孤児院も併設されている教会でいただいた。エドガーもヴィルド司教様もこちらの出身だというお話を聞かされて……。うん、危うく、その話だけで夕刻になりそうだったよ。兄ちゃんが、空気読めない発言してくれて、何とかなったけど。ダメだよ。北部最凶伝説のって。……いくら本当のことでも。

 南東区も何もなく、兄ちゃんも肩を落としちゃったよ。……まぁ、ね。



「今日の夜、模擬戦やるからよろしくー。おっちゃんと猫は普通に見回りな。明日も祭りで見回りあって、カツカツだが。……まぁ、ガンバローぜ」


 夕刻、集まってすぐの司教の発言。他職員も、悪魔も、ブーブー言ってるよ。昨夜の悪魔達の言葉ではないが、本当に人使い荒いな。


「魔獣遣いも見つかってないのに、いいのかよ!」


 ……兄ちゃんも激怒して(美女姿のまま)司教に食ってかかっていた。


「そっちは、デーモンに任せているよ。今回、市街地だかんな。ばったり出くわすこともあるかもしれねぇぞ?」


 ヒラヒラ手を振って、全く歯牙にもかけない司教。公爵クラスの伝説の魔王の可能性もある魔獣遣いをなんて扱い! そりゃぁ、司教やヴィルド司教様でないと危ないのは確かですが。


「という訳で、今日はいつもより人員の多めで行くぞー」


 バルトさんだけ、今回の模擬戦に参加ができなくて、つまらなさそうだった。なんだったら、代わりましょうかって言いたかったぜ。他の方々も、嫌々付き合っている感が半端なかった。いつも模擬戦って、もっと前からお知らせして、こんな突拍子もなくっていうことはないらしいからね。

 今回の演目は、公爵クラスの魔獣遣いで。それを見付けて、周囲にお知らせして終わりって奴らしい。その後、深追いするなり、逃げるなりは各自の判断に任せるだと。とてもアバウトな内容だ。

 しかし、この演目、この町に実在している本物と出くわしたら、どうしてくれるんだよ。いや、もちろんやることは変わりませんが。当然、演じる方もクオリティとかそんな高くないだろうし。偽物と本物の見分けくらい、簡単だろうけどね。

 …こんなこと言ってたら、悪魔達は「あ~、それフラグ立ったな」「お約束のやつな」「死亡フラグ立て乙~♪」と不吉なことを楽しそうに言ってくれていた。……こいつら、他人事だからってかなり陽気だね。いや、これまでの付き合いで、なんとなく分かっていたが。



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