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ある悪魔祓い師司教補佐の移転奮闘記  作者: 山坂正里
第四章  守護神付きの青年、守護神と別れて町を歩く。
10/23

短めです。

 毎朝毎夕、悪魔祓い師宿舎に集って、報告とか今日の予定とか話す訳な。北部でもそれは例外ではないらしい。ただし、そのデーモンさんは来ていないようだった。やっぱり、一人で探していらっしゃるのかなぁ?


「――それで、デーモンのやつは逃がしたんか。らしくねぇな。本当は、どっかに監禁してんじゃねぇの?」


 その言葉で、デーモンさんの性格が、どんどん分からなくなってきた。本当にどんな人(?)なんだろう。

 ラザフォード司教は、本当に嫌そうな表情をされていた。いや、もしそうなら、気持ちは分からなくありませんが。

 その報告をしてきたのは、こんな大きな襤褸雑巾なんてあったっけ? なんて言わんばかりにボロボロにされたオメガで。切られた痕や燃やされた痕と思しきものが非常に目立っていた。その傷の元凶ってなんとなくその悪魔じゃないような気がするのは、俺だけではないのか、ロベルトもウェスタもオメガに向かって、合掌していた。


「魔王様、妙に殺気立ってたよ。俺、魔王様の恨み、そんなに買ったっけ……?」


 本当に気の毒な悪魔だな。オメガが怖がる理由もなんとなく分かるよ。昨日まで、魔王って呼び捨てだったのに、様付けになってるじゃねぇかよ。崇め奉ってるじゃねぇかよ。


「オメガは一度、デーモンにぶん殴られても仕方ねぇことしてるだろ。まだ根に持ってるんだろうよ。あいつ、その手のことは根に持つタイプのようだからな」


 オメガ、お前何したんだ。デーモンさんが恐ろしいとか言ってたくせに。何、やらかしているんだよ。


「とにかく、デーモンな。性格や人格は難ありだが、腕だけは確かだからな。わざと泳がせる気か、マジで逃がしたか。……判断つかんなぁ。クリス、あいつに会ったら聞いといてくれ」


 丸投げしたよ、この司教! よっぽど、昨夜の暗殺者モードのデーモンさんが怖かったんだろうな。俺も、今日会えたら、昨夜のことを謝りたいんだがな。

 オメガ、モラさん、猫が今日、昼母子の担当警護にあたるそうで。日常生活に戻ってもらう分には、支障もないようだがな。住む場所が決まるまで、ここで仮住まいしてもらっているそうだ。多分、あの悪魔が襲ってくることもねぇだろうし。もう一度、『(ゲート)』が開くってこともないだろうけど。一応、念のために、ね。

 どうでもいいが、デーモンさんを司教にけしかけたのは、司教の予想通り、やっぱりバルトさんだった。バルトさんいわく「ラザフォードちゃんも、これくらいかわせるようになんなさい」だそうだ。

 司教の反応は言わずもがな。「ムリっ!」だったが。

 バルトさん、父親代わりなのか知らないが、スパルタ教育すぎるよ。


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