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二人の味
居候しにきてから、かれこれ2時間が経ちました。
輝はのんきにテレビを見ているが、私は夜ご飯を作っている最中だった。
「ご飯まだー?」
「もう少し待ってってば。」
私は少し怒り気味になっていた。そんな時、災いは訪れた。
食器棚から取り出したお皿を落としてしまった。
その音を聞きつけて輝は慌てた様子で駆けつけてきた。
輝は私の手を引き、心配そうに話しかけた。
「大丈夫だったか?怪我してないか?」
とても驚いた。輝が本当に心配している顔を、初めて見たからだ。
「うん…。心配してくれてありがとう。」
「お前に全部任せてごめんな。続きは俺がやるから座ってて!」
私は言われたと通り椅子に座った。
輝は淡々と料理をお皿に盛り付けていた。
「出来たよ、食べよ!」
二人食べたご飯は、一人で食べるよりも何倍も美味しかった。
今回も読んでくださりありがとうございました。