突然
一人で住むマンションは、とても広いことが見て分かる。
今まで父母と一緒に暮らしていたが、父の仕事の都合で出て行ってしまった。
父母は、私の職場から遠い所に住むらしく、私だけこの家に残ることにした。
歳も20だから親は一人暮らしをさせたかった様だが…。
「…さすがに広いよ。」
そんな時だった、インターホンが鳴ったのだ。
すごく響いている様な気がしながらも、画面を見た。
しかし、誰も映ってはいなかった。
恐る恐るドアを開けてみると、仮面をかけた男の人が立っていた。
「この家に泊めさせろ。」
その声は確かに聞き覚えのある声だった。
それよりも目の前にいる男に目が行く。
確かに部屋は空いているけど、どこの誰かも分からないやつを泊めるわけにはいかなく、断ったのだった。
「なぜだ?」
「だって、怪しすぎます!」
思ったとおりの事を言ったつもりだったが、言い返されたのだった。
「俺のどこが、どう怪しいんだ!」
「その仮面とか顔が隠れていて、とても怪しいじゃないですか!いきなり現れたのに名前も名乗らないし。
するとその男は仮面を外した。
「これでいいんだろ。お前のお望みどおりだ。」
「えっ!」
仮面を外した男は確かに面識があった。
「だから、外したくなかったんだよな。」
その男は、同じ職場の雨宮 輝だった。同じ職場でもあるが、高校も同じだった。
「何でここに?」
「いろいろあってな。」
様子から見て分かる事は、とても急いでいる事と大きな荷物を持っている事でけだった。
まさか、本気で泊まるつもりか?!
「一日だけでいいから、泊めてください!!何でも言う事きくから!」
何度断っても、頼み続けて来るだろうという勢いだった。
「一日だけなら…。」
「本当にありがとう!」
そんなこんなで輝は泊まることになったのだった。