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『プロローグ』
高校の授業で古典の先生が、話してくれたはなしをもとにしています。
昔は宮中で誰かの死期がちかづくと、ほかの場所にうつして看取ったそうです
汚れがうつるとかなんとか……。
それをなんとかはなしにしました。初めての小説です。よろしくお願いいたします
高校生になった今も、私は、小学生の頃にみたあのドキュメンタリー番組が忘れられない。
その番組は、ライオンに食べられるシマウマ、その残骸を貪るハイエナ、などのサバンナにおける『生』や『弱肉強食の世界』、そして『死』を取り上げて私達に伝えていたのだが、私は「内容がグロテスクだった。」とか「動物が可哀想だった。」などという理由でこの番組が忘れられないのではなかった。
ただ、私達人間の間で『百獣の王』とよばれているあのライオンでさえも、いつかは死がやってきてしまう。それが分かった時に、あの画面を通して感じた逃れられぬ死への恐怖。それが自分の首をきつくしめているかのような息苦しさ。あの感覚がいまでも首にべっとりとまとわりついている。
しかし、その感覚をより鮮明に感じるようになったのはつい最近の話である。