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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

祐也君のサスペンスフルな日常

刺殺

作者: 紫蚊鈴党


 『撲殺』に次ぐサスペンスもどきシリーズ第3弾です!!

 今回は、他の2つとは少し毛色が違います。


 様々な都合により、時折文章に激しい違和感を覚える可能性もあります。それでも良いと言って下さる広大の心をお持ちの方、閲覧よろしくお願い致します。

 

 じんわりと嫌な汗がこめかみから吹き出る。目に映る光景が信じられない。

信じたくない。


なぁ……嘘だろ?



 俺達夫婦が育んできた大切な愛の種。それが今、獰猛な牙の如く鋭い、どす黒い刃に冒されている。

 丸みを帯びた身体はパックリと割れ、赤い中身が汚く飛び散っているのだ。


 一目見て驚怖を覚えたことに違いはない。だが、じわじわとこみ上げてくるこれは、憎悪意外の何者でもなかった。



「み、のり……が」

 妻の口を抑える指の隙間から、悲痛な叫びが漏れる。

 いかなる時においても気丈に振る舞い続けた妻の浮かべる蒼い顔。


 俺は弾かれたように立ち上がり走り出さんとする。

 だが突如俺の肘は妻に掴まれ、行く手を阻まれた。

「待って!!」

 感情を押さえ込んだような小声で俺を叱り、鋭い眼を向ける妻。いつもの俺ならば素直に従ったかもしれない。だが俺はそんな妻の細い腕を振りほどき、いよいよアイツの、残虐的な野獣の元に向かっていった。


 近づくに連れ、惨劇はさらに鮮明な色を持って俺の目に焼き付いてくる。もう既に原型を保っておらず、ぐちょぐちょになった傷ましき姿。それでもアイツは容赦なくソレを分解していく。無心にただ、肉に刃を突き刺していく。何度も、何度も。

 止めろ!!頼むからもう、


「やめてくれ!!!!」

 言葉は口をついて出た。怒鳴る、というよりかは懇願するような情けない口調だ。だがそんなことはどうだって良かった。


 俺の気配に漸く気づいたアイツが俺を見る。濡れて光る黒い口にドキリとした。

 品定めでもするかのように、瞬きもせず黙って俺を見つめるアイツ――忘れかけていた恐怖が一気に俺を襲う。心臓が煩い程に早鐘を打ち、先程までの蝉の喚きはいつの間にか止んでいた。

 眼を逸らすこともできず、俺とアイツは暫く見つめ合ったが、やがてアイツは興味を失ったかのように静かに其処から離れていった。


 俺はただ呆然と立ちつくしていたが、アイツが見えなくなると無残な姿の前に駆け寄り跪いた。未だつやを残すソレに触れると泣きそうになった。



 不意に視界が薄暗くなる。振り向くと妻が立っていた。腕組みをして唇をきつく結ぶ彼女は明らかに不機嫌そうだ。

「少し痛めつけてやろうと思ったのに」

 そういうと彼女は俺と向き合うようにしてしゃがみこんだ。

「祐也がドスドス歩くから逃げちゃったじゃないの」

 彼女は握りしめていた石をおいて代わりに鮮やかな赤色の果肉を掴み頬張った。


「おいしいね」

 うっすらと赤い汁を垂らしながら、彼女は綺麗に微笑んだ。


 季節はずれのネタすいません。こんな寒い中スイカ……

 育てたスイカをカラスに食われる、これ実は友人の体験談なんです。いかに切なく痛ましく表現できるか、というのを今回はチャレンジしてみましたが……少し、いや大分文才が足りなかったようです(._.)


 本作を閲覧して、時間を無駄にしてしまった方、本当に申し訳ございませんでした。

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