新学期2
花形の自己紹介もそれなりに終わったところで、そろそろ物語を始めておこうかと思いたい。
この話は、比較的真面目でごく普通な生徒達の青春物語風な一コマを
存分に適当にごく限られたスペースでお送りするだけのモノである。
ついて来られるモノだけが生き残ることができる、命がけの物語だ。
東山、通称「ヒガシ」は、フロンティア学園が近くにあったというありきたりな理由なだけで進学してきた
ろくでもない生徒の一人である。
ヒガシには幼馴染がおり、北見、通称「エビちゃん」がその人である。
特にモデル風な容姿でもないが、それとなりに男子生徒には人気のある方らしい。
ヒガシにとっては、ちょっとした幼馴染に過ぎず
異性としては気になるような、そうでもないような、そんな年頃である。
自宅も、これまたよくある展開のお隣さんというモノで
ヒガシが毎日エビちゃんを呼びに行くというありきたりな展開の二人である。
「こりゃ~初日から完全にアレだな」
ヒガシは入学式の日、完全に寝坊していた。
それでもマイペースに、ヒガシは支度を整えて、これまたいつも通りにエビちゃんを呼びに行くのである。
エビちゃんはというと、非常に時間に厳しい子であり、秒単位で行動をするという几帳面さを持っていた。
まさに理想的な二人である。
そんなヒガシがエビちゃんの家に行くと、玄関前でソレはまさに仁王像そのモノが立っていた。
「あー今日はこう来たか」
ヒガシにとってエビちゃんの破天荒な行動はいつもの事である。
「どうでもいいが、エビちゃんはどっからこれを持ってきたんだ?
窃盗の疑いもあるしな。ここはオレがしっかり言ってやらないといけないな」
ヒガシの決意表明も終わったところで、仁王像を見なかった振りして一人歩き出す。
もはや遅刻は確定的なので、開き直って抗議の意味を持って歩いているらしい。
てくてく歩いてバス停に着くと、時刻表を確認して、軽くつぶやく。
「フッ。次のバスが来るまで2時間待ちか。おかげで遅刻だな」
そう、ここはごくありふれた農村。
ヒガシはバスを使い、約1時間かけてフロンティア学園に通う事になっていたのであった。
まったりとお茶を飲んで寛いでいるヒガシの携帯に一通のメールが入る。
"入学式は明日に延期になったぜ?"
エビちゃんはメールも破天荒なのである。




