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涙淵

本日もご拝読いただきありがとうございますm(_ _)m

『なんでここに来てシャーマン族なんだ!?』

心のなかであたふたしているキキを急に担いで、漢を見せるドワ父。

「三人でタイミングを見計らって外に出るぞ。いいな!?」

その時である。


「この中にボノス様の器はいるか!?」

突然シャーマンの一人がテントの中に押し入ってきた。

何のことだかさっぱりの一同。ドワ父がキキをイザベラに任し、「ここは任せろ!」といいシャーマンをなぎ倒した。さすが力のドワーフである。その一方、か弱い女エルフのイザベラはようやっと腹をくくっていた。


「行くわよ、キキ。なるべく目立たないようになさいね!」

そう言うと、いつも目立った行動ばかりのキキに説伏してテントを出た。

集落は全体的に火が覆いつくし、熱くてたまらなかった。

そして門に向けて一直線に出ようとしたイザベラ。


「キエー!!」

するとシャーマンの一人が召喚したであろう生き物の一人がイザベラとキキ目掛けて襲いかかってきた。


「危ない!」

イザベラはとっさにキキを護ろうと全身でキキを覆いかぶさった。


グサッ!

なにか鋭利なものがイザベラの胸を刺した音がした。

槍である。


「ファッファッファ」

召喚された生き物は理性のかけらもなく、攻撃が終わると颯爽と去っていった。


SAN値が異常すぎて、心では思ってても純粋に物が言えないキキは、口をぽかんと開けて一滴一滴涙をこぼしていた。

感情は嘘をつけないらしい。

それが唯一の救いだった。


「泣かないで、キキ。あなたを保護してくれる人がアルファルス村に一人いるから安心して。向こうは顔も覚えてるから大丈夫なはずよ。さぁ、…門を出て……一直線に…」

その後眠るように息を引き取ったイザベラ。

たかがパラレルワールドやゲームの中の世界といえど、設定上は自分を産んでくれた母親。

涙が止まらなかった。

そしてキキは疾走った。

襲われている集落の人々、恨めしいシャーマンたち、エルキや子どもたち、そして父親を尻目に一人疾走っていった。


そしてある程度走り、疲れて歩いた先に、見慣れない村を見つけた。

看板にはアルファルスの文字。

絶望の淵に急に安心感を得たキキはその場に倒れてしまった。

深夜という時間帯と疲労感も相まって、深い眠りについたキキはそのまま異世界から強制的にログアウトされることになった。


キキは気が付き、目が覚めると自宅のドア前で突伏していた。

無関係な人が見ると事件にしかみえない案件である。

運がいいことか悪いことか、誰も見ていない状況なので、二次被害がなくて助かったと安堵するキキだった。

キキだけに危機的状態だった。

そんな洒落のような展開から抜け出すようにムクッと立ち上がり、こんな真っ昼間に気になるシャーマンのことを聞き出そうと、部屋に入りスマホを手に取り、かけた電話先は他の誰でもないガクだった。


「もしもし? ったく、急に何の電話だよ」

突然の電話に驚くガク。それどころじゃないキキだった。

「お前、シャーマンの情報しってるていったよな? 教えてくれ!」

噛みつくように事を急いてるキキだった。

「お! ようやく聞く気になったか。まず、何が気になるんだ?」

ゆっくり聞き側に回るガクはまさに大人だった。

「今日、シャーマンに自キャラの出身地の集落を襲われた。ボノス様の器がどうとか言ってた。教えてくれ!!」

母キャラ一人が亡くなったショックにキキは現実世界(リアル)でも酷く動揺していた。


「ボノスの器か…。それを説明するにはある人を紹介する必要があるな。今日日曜だし、あの人も休みだと言っていた。今から八ヶ池公園に来れるか?」

突然の呼び出しだが、気が気じゃないキキはそれに対し

「分かった。今すぐ行く!」

と電話を切ったかと思うと、急かせかと身支度をした。

いつも職場で書いてます。

100ロの弁当やおにぎりって安いですよねー。

ついつい買っちゃいますw

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