連行
この度も見ていただきありがとうございます。
お前もか的な展開にしたので喜んでいただければ幸いです。
部屋に戻ったその時、後ろから声をかけられた。
「何してるの、イツキ?」
ここで声をかけられたのは友人のガク。
紹介が遅れたが私の名前は橘樹生。いつきとよむがみんなにはキキと呼ばれる。
こいつにはなぜか距離をおいたようにイツキと呼ばれる。
「だからキキでいいっつーの! 何年の付き合いだと思ってんだ」
なんでやねんといわんばかりの関西風なツッコミを入れる。
「いやぁ、なんか一人でも本名で読んだ人がいたほうが良いと思ってw」
「そんなことより、最近新しくゲームが出るって知ってるか?! しかもあの大手ゲームメーカー、パーカシブルからだぞ!!」
ノリノリで広告塔のように宣伝してくるガクだった。
パーカシブルとは昔からRPGをやっていた人は必ず通るであろうとされる王道のゲームを発売しているゲーム企業である。
私的には、将来的にはそこに就職したいという昔からの夢があったのも、また事実だった。今となってはそんな気力もなくしてただそこから発売されるゲームを飯もさほど食わず廃人のようにやり込む毎日だった。
「そうかそうか、それはよかったねー」
軽く受け流すと、私は部屋にコンビニで買っていた荷物を漸く置いた。
肩が凝って仕方なかったのだw
そして次の言葉に私は意表を突かれた。
「それとさっき扉の前でめっちゃ光ってたけど、アレどうしたんだ?」
そう、ガクにもさっきの現象が見えていたのである。
自分にしか見えない夢や幻ではなかったので一安心した。
「これ見てくれ」
というと、先程のチケットのこととそれまでの経緯をなるべく事細かに説明した。
するとガクが一言。
「へー、どうやってその異世界にいけるんだ?」
そういわれてみればそうだった。
その時は部屋に入ろうとしただけで異世界のような場所に放り込まれたのに今回は普通に部屋に入ることができた。
あのときいいえを選択したからだろうか?
でも戻るためにはどうすれば?
試行錯誤する私はガクにある言葉を提言された。
「じゃあ、一度部屋からでてもう一度身の周りを調べればよくね?」
うっかりしていた私はその言葉を聞いて
「それもそうだな、とりあえず出よう」
といい、一度部屋から外に出た。
すると突然、先程おばあちゃんにもらったチケットが再度光って、文面に
『クリエイションルームに戻りますか?』
と出た。その全てに私もガクも半端なく驚いたが、それ以上にガクが
「俺も俺も!」
としゃしゃり出てきて、俺はチケットの空白欄にペンでこう書き込んだ。
「同伴者を連れてもよろしいでしょうか?」
すると欄の文面は自動的に消され、新しく
「同伴者を同行させることは出来かねますが、同行者をこの世界に新しく連れて行くことは出来ます」
と出て思わずガクもにやりと笑い、
「よっしゃああああーー!!」
と意味もわからず歓喜に満ちていた。
そして、俺は先程のクリエイションルームに転送され、ガクも同じ時間別のクリエイションルームに連れ出された。
いつまでこの作品が続くかわかりませんが、頑張れるところまで頑張ってみたいです。