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SAN値異常な俺が異世界を垣間見た場合  作者: 爆睡スランプ
エルダー城

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19/21

記憶

いつもご拝読ありがとうございます(*^^*)

王のスピーチで沸き立つ大広間を背に、俺は一人、城の最上部へと続く時計塔の階段を駆け上がっていた。


「ハァ、ハァ……っ!」

薄暗い螺旋階段。カチコチと響く巨大な歯車の音だけが、耳障りに鼓膜を揺らす。

その時だった。


『SAN値の異常により、一時的な感覚混線ペナルティが付与加算されます』


「はぁ!? ふざけんなこのタイミングで!」

悪態をついた瞬間、首元につけられた翻訳機が、火傷しそうなほど急激に熱を持った。

「熱ッ!?」

カチャカチャと翻訳機がバグったような音を立て、ノイズに混じって『誰かの声』が直接脳内に流れ込んでくる。


『……ミノルさん、どうかご無事で。私、ずっと……』


(なんだ、これ? 女の人の声……ミノルって誰だ?)

俺の知り合いにそんな名前のやつはいない。システムのエラー音にしてはあまりにも生々しく、どこか古いラジオの音声のような響きがあった。


不気味さを振り払うように階段を駆け上がり、俺はようやく時計塔の最上階、巨大な文字盤の裏側へとたどり着いた。

そこは、異様な空間だった。


無数に噛み合う巨大な歯車。だが、よく見るとそのうちのいくつかが、猛スピードで『逆回転』している。

(時間が……戻ってるのか?)

外の時間は普通に進んでいるのに、この部屋の歯車だけが狂ったように逆行している。だから現実世界と50年ものズレが生じているのか?


ふと、逆回転する歯車の隙間に、何かが引っかかっているのが見えた。

「……ん?」

近づいて手を伸ばす。それは、このファンタジーな異世界には全く似つかわしくない、色褪せた一枚の『白黒写真』の切れ端だった。


写っているのは、日本の古い軍服のようなものを着た青年の首から下だけ。顔の部分は、鋭いペン先のようなもので執拗に、真っ黒に塗りつぶされている。


「なんだよこれ……」

ただの紙切れのはずなのに、そこから酷く禍々しい『怨念』のようなものを感じた。写真の裏側には、かすれた文字で『裏切り者の血筋』とだけ書かれている。


直感的な悪寒に襲われ、思わず写真を取り落として後ろずさりしたその時だった。


『漸くここまで登ってきたねぇ。私の可愛い坊や』


背後の暗がりから、静かで、酷く冷たい魔女の声が響いた。

魔女はニヤリと見つめ少しずつこちらに近寄ってきたーー。

花粉症辛いお(´;ω;`)

先週熱出た orz

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