隠蔽
本日もご拝読いただき誠にありがとうございますm(_ _)m
交流所にはまるでいつもいてるかのようにアレスとルーナが肩を並べて机で待機していた。ココだよぉと言わんばかりに手をふるアレスをそれを恥ずかしがるルーナだった。
そこでキキは二人にある事を質問した。
「二人はガクを知ってるよね?」
しかし、二人は顔を合わせながら顔を傾け、知らぬ素振りを取った。
「そっか…。ならいいんだ」
軽く失望するキキだった。
「さっきからガクって人のことばかり言ってるけど、一体誰のこと?」
レンのその馴れ馴れしさから、どうやらガクのポジションはキキに置き換わっているようだった。
「誰でもないよ、気にしないで…」
腑に落ちないアレスたちとレンだった。
するとアレスから話を切り出してきた。
「今日は城の社交パーティに参加するんだろ? 結局ルーナはどうするんだ?」
どうやら城の中に入るらしい。ルーナは照れ気味に
「わ、私は…ひ、人見知りだから……パスで」
と言って手を無理無理と言わんばかりに振り回していた。
どうしてここに来たんだよといった胸中のキキだった。
しかしそこでルーナが突然話しだした。
「キキさん、古代ドワルフ語を話せるというのは本当ですか?」
ためらうことなくキキは
「話せるけど?」
と、これまた顔を傾けて返事をした。
「この文章を解読できますでしょうか?」
すると古代ドワルフ語が掲載された経典のような分厚い本を取り出した。
文章を舐めるように見た後、キキはみんなにこう説明した。
「私の名はトキノ。みなからは時の魔女と呼ばれている」
一同は衝撃が走った。
それはガクが言っていた例の魔女の文献なのだ。
「これをどこで!?」
すると、キキの翻訳機が淡く光りだした。
感情に呼応したのだろうかと一時は思ったキキだった。
「私はだいぶ前に今は忘れた誰かから禁書庫で文献を探してきてくれと言われ、その文献を見つけました」
ルーナの言うその人物はおそらく、いや決定的にガクのことだとキキは確信した。しかし、ルーナの記憶にも存在しないのに、影だけが浮かび上がっていることに対してただならぬ何かを感じ取った。
そして翻訳機の光は次第に強くなった。何が理由なのか皆目見当がつかない一行だった。
「何だこれ!?」
翻訳機を机に置いたキキは、昔通り何を言ってるのかわからないドワルフになった。すると翻訳機はいつぞやの妖艶な女性の声で急に喋りだした。
『漸く私にたどり着きそうかい? けどまだだよ。あんたが成熟するまではね!』
翻訳機が眩しいくらい発光すると、ルーナが持っていたその文献はパーティの眼の前からあたかも最初からなかったかのように消えていった。
そう、キキの記憶からもだ。
翻訳機の発光がなくなると、翻訳機は元々あったキキの首元に戻っており、一行の話も社交パーティの話に戻っていた。
「社交パーティねぇ。私が行って大丈夫なものかねぇ?」
といいつつ、卑しさ満点の視線でルーナの胸元を覗き見ると、レンのハンマーが飛んできた。
「ボフっ、ズミバゼン…」
ルーナは服の襟を更に引き締めると、より一層恥じらっていた。
「とりあえず、参加しましょう。異族の交流としても、情報収集としてもちょうどいいと思うわ」
レンはやる気に満ちていた。
レンの押しに惹かれるアレスは参加するしないのするの空白に拇印を、残りのパーティもそれぞれ拇印を押していった。
「社交パーティは今日の18時からだ。それまでは自由に行動しよう」
アレスのその発言でパーティは一時解散した。
城下町をゆっくり見たことがなかったので、キキはレンに案内してもらうことにした。
「レンさん、時の魔女って知ってる?」
ふいに核心を問い詰めるキキ。
「聞き覚えはあるけど、それがどうしたの?」
急に変な話題を振ってくるキキに少し驚くレンだった。
「ううん、なんでもない」
「どうしてココはこんなお祭り騒ぎなの?」
ついで質問するキキ。
それに即座にこたえる町の住民。
「それはこの城の王様が遣わした勇者が魔王を討伐してちょうど今年で50周年になるからだよ! あんたらなんて運がいいんだい!!」
そう言われてキキとレンに風船を譲り渡す。
二人は顔を見合わせ引き攣るも、その風船を道行く子どもたちに分け与えた。
キキ達はは17時半まで、お土産店や露店、テキヤなど心ゆくまで街を散策すると城の前まで向かっていった…。
こんな愚作にいつも付き合ってくださり、感謝感激です><
忍者めし鉄の鎧、美味しいかと思って買ったら血の味がする(ーqー)。・(失敗シタ)
2025/02/26追記
少しの間、創造力を高めるのと構想を練るので時間をいただきたく思います。
しばらく休息をください、すみませんm(_ _;)m