救出
毎度ご拝読いただきありがとうございますm(_ _)m
2025/02/18
本話と再会及び真相で古代ドワルフ語がキーボードグチャ文字になっていたので急遽修正させていただきました。
牢屋に投げ込まれてすぐ、ロベルトがやってきた。
急な展開で驚きあたふたしていた。
「その子をどこに連れて行く気だ、シャーマン!」
するとリーダー格がそちらを向いてこう答えた。
「エルダー城ダ! それ以上は言えナい」
キキはロベルトに向かって大丈夫だと安心させるためか
「僕はお父さんといるから安心して」
そう告げるとロベルトの牢を追いかける脚は止まり、やはり心配そうに送り出していった。
「イザベラだけじゃなくキキまで…畜生ッ!!」
地面に殴りかかるロベルトの拳は非常に重たかった。
牢屋に捉えられている集落の皆の怪我を囁き声で詠唱して治したキキ。
ルドルフも気がついたのか目が覚めたのか、大きな伸びをして周りを確認した。
「ここは、お前が傷を直したのか?」
キキは嬉しそうにかつ自慢気に鼻を掻いた。
「やるじゃねぇか」
「ありがてぇ」
よそのドワーフたちも喜んでいた。
「へへッ、どうもどうも」
率直に照れるキキ。
そんな折、前方から騎馬隊っぽい人影が見えた。
「これに見えるはドワルフ族の集落を連行しているシャーマンか?」
威風堂々とした構えの騎士殿だった。
「何か用カ?」
馬をシャーマンの小汚い杖で突っつくと、馬は嘶きを上げ、蹄でシャーマンを脅かした。
「人間のナイトに反抗するとはいい度胸だな!」
「ヒぇ~!! 逃げロ逃ゲろ!!!」
大ぶりの剣でシャーマンを一薙ぎすると、シャーマンはどこかよそへ逃げていった。
続きざま、牢を剣で一刀両断すると、上部にあったバリアの装置ごと斬り、見事に解放された。そう思った。
「この中に古代ドワルフ語を話せるものは居るか?! 嘘は通じぬぞ!」
更にたちの悪い連中に捕まりそうだったので、ここは正直に
「はい、シドゥロキィキィディアム、私です」
と古代ドワルフ語で自己紹介するキキ。
「ほう、キキと申すか。我が国の王がそなたに謁見したいと申しておる。ついて参れ」
それを見かねたルドルフ。
「おい、キキ!」
しかしキキは、そんな心配そうなルドルフに対しても
「安心して。絶対帰って来るから。お父さんこそどこかで元気で暮らしてね」
感動の再会は、刹那のうちに終わってしまった。
有り余る元気が祟って、今度は泣き崩れるルドルフ。
しかし、小さなドワルフのキキは首に枷をつけられながらも笑顔で父を見送った。
父が見えなくなる程度に距離を置いた所でキキはナイトに問うた。
「ところで王様が私なんぞに何の御用でしょうか?」
あらたまるキキ。
「アレはあの場しのぎの口実だ。みんな、もういいぞ」
すると兜を脱いだ瞬間、ナイトたちにかかっていた呪文は解けた。
「ガク! でも、なんで。それにこの人たちは…」
昔なじみに出会えてことさらに打ち震えるキキ。しかし、いまいち状況が把握できないので疑問が跡を絶たなかった。
「この人たちは交流所で出会ったモンクのアレスさんと女魔法使いのルーナさん。あとはお前の知ってるレンさんだ」
紹介されるとアレスは筋肉を自慢し、ルーナは他所を見て照れていた。
「アレスさんとルーナさんはこの世界の住人よ」
コソッと呟くレン。
「それは有り難いけど、何でお前がナイトになってるんだよ! 他の人もさっきまではお付きの人みたいだったし」
質問が止まらないキキ。
「まぁ落ち着け。それは後で話すとして、アレスとルーナさんにはここで別れてもらうとしよう。協力ありがとう、またな!!」
ガクが大きく手を振ると、アレスはそれに応じ、ルーナはやはり照れて可愛く小さく手を振っていた。
「今すぐさっきの場所に戻るぞ!」
そういうとガクはルドルフたちのいる方向を示した。
「お、おう…」
二つ返事で何を返していいか、もはや大混乱のキキ。
「説明は後でちゃんとするからね」
笑顔で先程の場所へと戻るレンたち。
一体全体何が何やらだった。
ルドルフは涙が漸く乾いたのか地面の土を拭っていたところだった。
「先程はすみません。確かルドルフさんですよね」
ガクが様子を伺おうとするとギラついた目で応じた。
「何者だてめぇ!!」
元戦士の血が騒ぐルドルフ。
「落ち着いてお父さん。この人は仲間でどうやら何か話があるみたい」
キキはドードーといった感じでその場を鎮めさせた。
「さて、まずはどこから話しましょうか…」
深々と思い悩むガクだった。
展開を考えれば考えるほど、設定をどのタイミングでいれるか図るのが下手くそな自分は煮詰めすぎてふにゃふにゃになります(蒸発
こんな時は紅茶花伝チョコレートティーでも飲みましょう(ズズー