再会
ご拝読いただきありがとうございます^ー^
2025/02/18
古代ドワルフ語がグチャ文字になっていたので急遽修正させていただきました。
ここでこの世界について少し解説しておこう。
今回、ドワルフの集落が襲われたのにはキキの他にもう一つ理由があった。
それはハーフ蔑視の話である。
そしてシャーマンはそもそも元々が人間である。
人間とエルフや人間とドワーフ、人間とシャーマンの間に出来るハーフ。エルフとドワーフの間に出来るドワルフ。いずれも人間より立場が低く扱われるのだ。
人間、シャーマン、エルフ、ドワーフ、ハーフ、ドワルフと言った順に。
故にドワルフの集落への襲撃はこの世界においてそう珍しいことでもないのだ。
その説明を受けてより怒りをあらわにするキキ。
ロベルトは落ち着かせるので必死だった。
「ロメルゥーー」
キキが怒りに身を委ねた拍子に、古代ドワルフ語が浮かんで詠もうとしたが、碌な呪文じゃないだろうと確信し、ロベルトは止めに入った。
「すまないが落ち着いて受け止めてくれ。だからといって里を襲撃されたことに関しては俺は何も言えた義理じゃないが…」
悔しいのはロベルトも一緒だった。
それもそうだ。救いの女神のような長命のエルフが自身達が通行を許可したばかりにシャーマンに殺されるのをみすみす…。
むしろロベルトのほうが怒りを隠しているようだった。
「ごめん、ロベルトおじさん」
そう言うキキが声を掛けると、ロベルトも笑みを浮かべ少しは和やかな空気になりつつあった。
「それより許せないのはこんな差別を野放しにしている法政庁だ。どうやら奴らは、キキのようなハーフやドワルフたちを国の都合のいいように利用しているようだが俺はお前には自由に生きてほしいと思ってる」
キキはその都合の良い利用法についてだいぶ気になったが、あえて深くは聞かなかった。どんな世界にも闇はあるもんだなと深々と思った。
「それよりさっきの人は何か用があったの? やっぱり僕を匿ってることがバレたとかじゃ…!?」
申し訳無さと焦燥感で汗だくになるキキ。
それに対し、ロベルトはヒラリと返し
「そんなことじゃないよ。村の人はエルフとドワーフたちに対しては慣用的さ。それより、前に村を通過していたシャーマン達が帰っていったみたいで、その中に捕虜になってるドワーフがいたって聞いたよ。今は広場にいるらしい」
捕虜のドワーフと聞いて、ロベルトに断りを入れ一目散に村の広場に向かった。
その捕虜たちの一人の中に、お父さんがいた!
「おお父さん!」
普段古代ドワルフ語でしか喋れていないが、声質だけは一緒なのですぐに気づいてくれた父ドワーフの元古代戦士ルドルフ。
ロベルトから聞いた話じゃ、うん千年前はその名を全世界に知ら占めたとされる伝説の英傑だったらしい。その英傑ですら息子の為に捕虜になっていた。
「あぁ、キキか。無事だったか。初めてお前に『おお父さん』と呼んでくれたな、ありがとよ」
すでに戦いくれて疲労困憊なのか言葉が少なく生気もなかった。
牢に入れられているのもあってそのさまは囚人のようだった。
「おいシャーマン! おお父さんたちを解放しろ!!」
キキのシャーマンを見る目は鋭く、そのさまは鷹のようだった。
「貴様誰ダ? 貴様モドワーフか? それともドワルフなのカ?」
言い寄って来るシャーマンにキキは
「俺はドワルフのキキだ!」
と痛恨の自己紹介。それを聞いてゲラゲラ笑うシャーマンたち。
「タダのドワルフに興味はナい。出直してくるンダな」
そういってキキを無視し、牢を担ごうとした矢先、キキは興奮状態になり目の色が緑色に燃え上がりこういった。
「ウクラス、エルヴィオーレ…放て轟音、唸れ疾風」
頭をよぎるその呪文を唱えると、シャーマンの担いでいた牢屋の持ち手部分を激しい稲妻と凄まじい竜巻を濃縮したような魔法が、キキの手のひらからそこ目掛けて解き放たれた。
しかしシャーマン達が事前にバリアーを張っていたためか、その術も無効化された。
「こ、古代ドワルフ語だト!? コのガキも連行すルゾ!!」
するとリーダー格らしいシャーマンが現れ、キキを縄らしい何かで縛り上げると、牢にぶち込まれた。
「よかった、お父さんに会えて…」
「お前の声が聞けて俺も感無量だ…」
親子の最高の出会いは少し狭い空間の中だった。
そして小声で
「…ウィスキヴィーチェ、天授なる癒やしを…」
キキがボソッと呟くと次第に牢屋の中にいたドワーフやエルフ、ドワルフたちの傷や病気は消えてなくなった。
バックアップのお陰で安心して執筆中ですw
お菓子のシャインマスカット味って、グレープ味と大して変わらない不思議に少し肩を落とす爆睡スランプでした(ちゃんちゃん