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真相

いつもご拝読ありがとうございますm(_ _)m

春の木漏れ日の中、周りの子どもたちをよそに、ガクは公園で突っ立っていた。

急いで駆けつけたキキは汗を拭っていた。

「悪い、遅くなった」

ガクはいつものことだなと思いながらも

「待ってたぜェ~?」

と茶化していた。

「もうすぐあの人が来るはずだからもう少し待っててくれ」

その言い回しが気になったキキは思わず

「その()()()って誰なんだよ? もったいぶってないで言っちまえよ」

と追求。


「ごめんなさぁい。待たせちゃったわね」

とこれまた異世界のエルキに引けを取らない美人さんがやってきた。

「こちら、シャーマンのパサーの方だ」

とガクが振ってきたが、キキには何のことだかサッパリだった。

「はじめまして、レンと申します。私達一度は会ったことがありまして。ほら、この前幻奏世界で召喚の儀式の際、シャーマンに出会いませんでした? その中でも意思で通じ合える人たちのことをパサーと言うんです」

眼の前に憎きシャーマン一族がいると考えて、キキはヒートアップしそうだった。

「自分がシャーマンと分かっててよくオメオメと俺の前に出てこれましたね…!?」

レンに対して眼圧のすごいキキを必死で止めようとするガク。

「まぁまぁ落ち着いて。この子は普通のシャーマンとは違って理由(ワケ)があるんだよ」

そういうと、少しは冷静になれたキキだった。

ちょっとした間があった後、レンは落ち着いて語った。

「私達シャーマン族があなたにしてきた事非常にお詫び申し上げます。でも知ってほしいのは、最初にコンタクトが取れなかったのはあなたのステータスペナルティのせいなんです」

また聞き慣れない言葉でガクの方を向くキキ。

「精神異常度の事な」

納得の行くキキ。


「俗に言うSAN値が異常な行動のせいで、我々シャーマン族はあなたを敵判定と誤認し、召喚ならざるものを召喚してしまったと思い、リアルで言うところの殺処分をしようと思い始めたのです。しかし、私はパサーとしてガクさんの意見を知っているのでそうじゃない。敵ではないと訴えたのですが、族長の最終判断で最終召喚先の種族を根絶やしにせよという意見で皆が合意し、私や他の女性たちはパサーに与するものとして追放処分を受けました」

次々説明すると混乱しだしたキキは


「待ってくれ。パサーである君が何者かは知らないが、なぜ俺が次に召喚される場所がドワルフだとシャーマンが分かったんだ?」

ゆっくり説明を希望するキキ。


「シャーマンはあの異世界では召喚を司る種族です。エルフは魔法、ドワーフは力といったように。しかし、普通のシャーマン族には召喚の儀式は行えても、次にクリエイションルームに訪れるであろう人物の転生先まではわからないのです。そこで私、パサーが選ばれているのです。先まで見通せる力を持ち併せているので」

それを聞いて更に怒りが増すキキ。

「じゃぁあんたが俺達を殺したようなモンじゃないか!?」

激昂したキキを再度止めに入ったガクも説明に介入した。


「待ってくれ! 落ち着け。この人は最後の最後までイツキ、お前の無実を証明しようとしていたんだ。この子には行動は理解できなかったが、お前の思いは伝わってたんだよ!」

少しは冷静になるキキ。


「ごめんなさい! 私が口止めをしたくても、シャーマン族は意思でやり取りをする部族なので、思考が全部筒抜けになってしまうんです。だから、誰に情報が運ばれたか全くわからなくて…」

そう言われて漸く落ち着いたキキだった。


「もう私も追放処分になったので、あの異世界に行く理由はなくなりました。そもそもなぜあなたがあの場、シャーマンに召喚される羽目になったか気にはなりませんか?」

少しは頷くキキ。

「そう言われると気にはなるな」

少し喜ぶレン。


「だと思って、今度からは私とガクさんとで、あの事件であの世界に何が起こっているのか調べることにしました」

「そういうことだ、イツキ」

漸く話の本筋が見えてきたキキ。


気分の抑揚の激しさに、我ながら疲労感たっぷりのキキだった。

「で、どうするんだ?」

と、キキ。

「まずはレンさんがシャーマン族の研究をしている人間の村に行こうと思ってる。俺はキキの言ってたボノスの器のボノスについて調べようと思う」

話の核心をついてきた答えに喜びを隠せないキキは


「そういうことなら早く言えよぉ!」

と自分を誤魔化しつつ、冗談を交えてガクにツッコんだ。

「そういうことですのでこれからもよろしくお願いします、イツキさん」

レンがそういうと決まったフレーズを言うキキ。

「俺のことはキキでいいよ」

新たなる仲間を迎え入れた新たなる旅は幕を切った。



一方、クリエイションルーム

『トキノ様、お呼びでしょうか?』

いつもの声がする。

「この前のEC3の子の名は何というんだい?」

妖艶な女性は椅子に腰掛けルーム全体に声かけた。

『キキという名らしいです』

「ほう。やっぱり()()()か」

それを境にこの部屋に女性が来ることはなくなった…。

どうも最後まで見ていただきありがとうございます。

最近、野菜ジュースが砂糖の塊と知って食前に決まって飲んでいた自分にショックが隠せませんでした

(・Д・;)

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