11話
受付「お疲れ様でした。まさかこんなに早く帰ってこられるとは」
「簡単な依頼だったからな。これくらいならまた受けよう」
受付「ありがとうございます。こちら今回の報酬です。お受け取りください」
―
一つ疑問に思った。
どうしてAIが第3の道を示したのだろうか。
そしてどうして未だに誰にも教えていないのだろうか。
考えてみると少しおかしく感じる。
どちらにしても危ない道。それを覆す第3の道。
なぜ、他のAIには知らされていないのだろうか。
ギルドの話を聞くと同じような依頼で死人は少なくとも出ているらしい。
第3の道さえ知っていれば、助かる命があるのではないだろうか。
これはギルドにも伝えるべきなのだろうか。
それともずっと同じような依頼を受け、甘い蜜を吸い続けてもいいのだろうか。
人としては…
「教えて人を助けることが人間として当たり前だとそう思っているんだな」
いつの間にそこに…全然気づかなかった。
そして、なんで心さえ読めるのだろうか。
「あの道を教えても構わない。だがそれをすることで困る人はどれだけいると思う?」
どういうことだ。
わけがわからない。
「依頼がなぜ絶えないのか。その意味を考えたことはあるか」
珍紛漢紛すぎてわからない。
「人が不利益になると利益になる人間がいるから。だろ」
…
「簡単な話だ。死人が出ればその時に出る装備などはどこに行くでしょうか。それはもちろん殺したやつの
懐に行くに決まっている。モンスターだけが人間を殺せると思っていたのか?」
知らなかった。知りたくなかった。
まさか、人殺しがいいゲームだなんて。
「もちろん。人殺しがいいとは言わないぞ。だが、第3の道を教えてそれがそいつらにバレた場合、もちろん
殺されるだろうな。君も、私も。それでもギルドに教えるかい?ただ一つの救われる道を。生きていけるかも
しれない道を茨の道にする勇気は君にあるのかい?さぁ…どうする?」
どうすればいい。このまま見逃せば人殺しと一緒ではないだろうか。
「迷うことは悪いことではない。有耶無耶にするのが一番よくない。私は悪魔に魂を売った」