【リクエスト・ギャラリー】第57回 「アンティエとドラゴンのぬいぐるみ」
キャラクター名:「アンティエとドラゴンのぬいぐるみ」
作品名:『ドラゴンの翼に守られて』
作者様名:功野 涼し様
【あらすじ】
高い山々囲まれ綺麗な水と豊かな大地に恵まれた国の名前はアンヴェロ。
この国にはドラゴンが住み国を守っているという伝説がある。
そんな伝説が残る国に生まれた王女が手に持つのは大きなドラゴンのぬいぐるみ。
平和な国に戦火の炎が迫るとき、王女とドラゴンのぬいぐるみが一夜限りの奇跡を起こす。
◆◆◆
峻厳な山々と豊穣の大地に抱かれて、ひっそりと息づく平和な国……その名はアンヴェロ。そんな王国を爽やかに吹き抜ける風に身を躍らせるのは、国旗に描かれた真っ赤なドラゴン。守護者の伝説に擬えるように、今日も気持ちよさそうに風に身を任せて、旗の中のドラゴンは気ままに大空を彩ります。
やがて穏やかで平和な国に、1人の王女が生まれました。彼女の名はアンティエ。国中に祝福されて、大切に大切に育てられた彼女には、生まれた時からの大切なお友達がいます。それはーー大きなドラゴンのぬいぐるみ。誕生祝いの1つと思われるドラゴンは、ベビーベッドに置かれた時からアンティエのお気に入り。真っ赤な体に、クリクリお目目がとってもキュート。だけど、ギザギザの歯はどこか勇ましくもあります。
アンティエとドラゴンのぬいぐるみはいつだって、どこだって、いつも一緒。廊下をパタパタと元気に走り回る時だって、お客様に会うのが恥ずかしくてお母様の背後に隠れている時だって。いつだって一緒のお友達なのです。
ですが……平和なはずだった国に、突如として無慈悲な戦火が上がります。戦う術を知らないアンヴェロの人々はただただ、逃げるしかありません。それは幼いアンティエも一緒でした。だけど、そんな時でも……アンティエには「お友達」を置き去りにすることはできません。国が陥落し、例え敗走を余儀なくされようとも。絶対に離すまいと、アンティエは一生懸命にドラゴンのぬいぐるみを抱き締めます。そんな時、何の変哲もないはずだったドラゴンのぬいぐるみがかすかに、でも、確実に大きな奇跡を呼ぶのです……!
セリフをなくすことにより、情景描写が一段と冴わたるこちらの童話。あなたも少女とぬいぐるみの「奇跡」の結末を、一緒に見届けてみませんか。
と言うことで……今回はアンティエ王女とお友達「ドラゴンのぬいぐるみ」を描いていきますよ!
1)今回はとにかく「ぬいぐるみ」の描写に拘ります。
まずはドラゴンさんの頭と、王女のお顔から。
「ぬいぐるみ」なので、「接ぎ合せ」な感じをステッチや継ぎ目で表現します。
王女への贈り物なので、ちょっと高級感のある「複雑なぬいぐるみ」を目指しますよ。
2)線画はこんな感じ。ドラゴンさんの大きさが目立つように「抱きつく」感じにしてみました。
3)色を塗っていきます。ぬいぐるみの生地は「鱗模様」を想定して、模様を仕込みます。
まずは赤で鱗の淵を描きます。
焦茶色で影を足しつつ、赤を追加。
最後はオレンジで馴染ませます。
4)ドラゴンさんまで塗り終わりました。
ステッチを線入れし直し、ちょっぴりずんぐりむっくりな可愛さが出ているといいなと思います。
5)最後にアンティエ王女も塗って完成なのです!
アンティエ王女の「色味」については記載がなかったので、なんとなく「オーソドックス」な雰囲気を目指し、金髪に緑の瞳をチョイス。
ドレスは空と山を連想して水色と緑にしてみました。ドラゴンさんの赤と対照的になるように配色したつもりなのです。