【リクエスト・ギャラリー】第48回 「クローディア」
キャラクター名:「クローディア」
作品名:『クローディアの柩』
作者様名:中村くらら様
【あらすじ】
「わくわくするような柩を作ってほしいの」
とある事情から画家の道を諦め、棺桶職人として自堕落な暮らしを送るレイのもとに、裕福な男爵家から、病身の令嬢クローディアの棺桶の製作依頼が持ち込まれた。
風変わりな依頼に戸惑いながらも仕事に着手し、クローディアとの交流を重ねるうちに、レイの心境にある変化が生じる。
柩が完成したとき、レイはクローディアに、一つの願いを告げた。
◆◆◆
生きている限り、誰にでも必ず訪れるのが「死」という人生の終焉。
主人公のレイはそんな人の終着点でもある「死」を迎えるための、棺桶職人でした。依頼人の希望に沿って、望み通りの棺桶を作る。今回の依頼だって、いつも通り……と、彼は不謹慎にも軽く考えていましたが。報酬も破格なら、依頼内容は奇妙奇天烈。オーダーは「娘の望む棺桶を」、しかも当の本人……クローディアの願いは「わくわくするような柩を」だと言うのですから。どう転んでも「悲しい瞬間」でしか役目を全うできない棺桶で、どうわくわくさせろと言うのでしょう。
それでも、お望み通りの棺桶を完成させるため。やりとりを重ねるうちに、レイの思い出話から、クローディアは「海」に憧れを抱くようになります。自分の瞳と同じ、綺麗で深くて……どこか儚げなブルー。果てしなく広がる、青い青い海に想いを馳せて。
「自分だけの海」に包まれたいクローディアと、「彼女だけの海」を柩に込める事にしたレイ。そうして出来上がった柩は……静謐なブルーを纏った、まさにクローディアのためだけの海でした。
柩の完成は、別れの一歩手前。それもそのはず、依頼を持ち込まれた時点から、クローディアの命は永くないことも、互いによく分かっていた事だったのです。いくら金を積もうとも、命だけはどこにも売っていません。であれば……せめて深い深い海に抱かれて、君の安らかな旅立ちを願うばかり。
クローディアを見送って、自身も再出発をする事にしたレイ。放浪の旅で、たくさんの風景……特に海を描き続けます。だけど……彼にとって、忘れられない海はひっそりと、キャンパスの中に描かれていました。
青い青い、海。青い青い、瞳。彼の絵筆で生み出されたのは、同じ青で彩られた1つの出会いと別れの記憶。その思い出の形は、是非に作品の中で見つめてみてほしいのです。
さてさて。今回は薄命のお嬢様・クローディアを描いていきますよ!
1)お嬢様のお顔から描き進めます。
「海(柩)に揺蕩う感じ」を出したいので、髪の毛もゆらゆらさせます。
髪の毛束感をほんのり遊ばせます。
2)柩の外枠を加えます。
3)線画はこんな感じ。
4)お顔から塗っていきます。
薄命な感じを演出するため、顔は灰色で影を取り、髪の毛もオレンジと黄色だけで仕上げます。
いつもの赤茶色はお休みなのです。
5)柩はとにかくブルーで塗っていきます。
柩まで塗り終わったところ。
なお、今回はブルーだけで9色を動員しました。
……こんなに青まみれなのも、初めてです。
6)作中にもチロっと登場(レイが何気なくスケッチしていた)百合っぽい植物柄を加えてみます。
完成なのです。
海に浮かんでいる感じが出ているといいな……!




