やさしさばかり
やさしさばかり
追い求めていっては消えてゆく
思い出ばかり
なぜか、とっておきのものを
自分の手元に置きたくなる
不思議なことは
待っていても起こらない
偶然を期待していても
あたりまえのように考えてしまう
やさしさばかり
やさしさを秤にかけたりなんか
できやしない
思い出ばかり
思い出も秤にかけたりなんか
できやしない
やさしさをどれと比べて
秤にかけようとするのだろう
思い出を何と比べて
秤にかけようとするのだろう
やさしさは
ひとつひとつ大事なもの
秤にかけて
どちらが重いかなんて
決められない
思い出も
ひとつひとつが大切なもの
秤にかけて
どれが重いかなんて
できやしない
やさしさばかり
たまには、秤の存在を忘れてしまえばいい
思い出ばかり
そんな秤が目の前にあったとしても
それを使おうとは
やっぱり、思わないんだろう
さみしいときも
たぶん、使わないでいるんだろう