戦闘に武器は必須
「まず、準備ですね」
ウルがそう言う
「そうね。じゃあ二人の武器を用意しましょう」
前に約束したからね
約束を破ってはいけないよー
「本当ですか!?」
二人がいきなり興奮する
普段静かな(無口とも言う)ラナまで
突然だったので、飛び退きそうになった
「え、そんなに嬉しい?」
武器くらい自分で買えるはずだ
何処にそこまで喜ぶ要素があったんだ
「当然ですよ!レナ様が私達の為に武器を作ってくれるんですから!」
ラナも頷く
私が創った武器より、本職の鍛冶師が作った武器の方が性能は上だと思うけど
「取りあえず、何か要望はある?」
使い手に合う武器を使わないと、武器と使い手の本来の能力が発揮出来ないからね
「そうですね…私は丈夫な剣が二本欲しいです」
ウルはそう言い、この前拾った短剣を見せてくる
短剣は、両方とも所々刃こぼれしていてボロボロだった
「……私は大きな武器がいいです」
ラナはそう言い、手を動かして大きいを表現しようちしている
頑張って背伸びしているところが微笑ましい
でも、大きい武器かー
槌に斧に大剣とかかなー
槍は大きいより長いだし
「じゃあ、ウルは剣が二本、ラナは大剣とかでいい?」
二人に確認する
ウェイターになった気分だ
「「はい」」
剣の形や特徴、二人が使っているところをイメージする
『創造』
両手の上に魔力の粒子が集まり、剣を形作っていく
剣の姿を更に強くイメージする
剣の輪郭がハッキリしていき、段々魔力が物質へと変化していく
「出来たわよ」
手には3本の剣が握られている
できた剣を二人に手渡す
二人は新しい武器に目を輝かせている
剣は両方とも鉄でできている
あまり金属の知識が無いのと魔力不足が原因だろう
今の私の限界が鉄だ
最初は土でできていたりしたもんだ
創った瞬間崩れたのを良く覚えている
土から鉄になったんだ
大出世じゃないか
私も成長したなー
心は変わっていないが
ガンッ
私が感傷に浸っていると、何かがぶつかる音がした
目線をずらすと、ウルがラナを斬りつけていた




