ニ度あることは三度ある?(現在二度目)
私たちは依頼の達成のため、ギルドに向かった
「うぅ…、穴があったら入りたい……」
私はかなり落ち込んでいた
私だって羞恥心は持っている
後悔だって数え切れない
「どうしたの、大丈夫?」
キャルシーさんが聞いてくる
キャルシーさんは私の失態を知らない
知ってほしくもない
私は、こういう時は声をかけないで欲しいタイプだ
「大丈夫ですよ…。ほっとけば立ち直ります」
ウルがそう言うと、ラナも横で頷く
その通りではあるが、やっぱり傷つく
遂にラナもか〜
ウル同様に便乗されると、色々と心労が増えるのは間違いない
私は悲しくなった
ギルドに着くと、そこは冒険者で溢れていた
多種多様な獣人がそれぞれの日々を過ごしている
やはり王都は冒険者の数が多い
Sランク冒険者もいるのだろうか
いたら討伐されそうだけどね
キャルシーさんに続いて中に入ると、また視線が突き刺さる
しかも、前より多い
まあ当たり前か
全く嫌になる
そんな事は気にせず、キャルシーさんがカウンターに向かった
ここの受付の人とも知り合いのようで、話が弾んでいるようだ
少しは私の事も考えてほしい
タイラガ二号が出てくるかもしれないのだ
そもそも、子供を放置して友達と談笑とか、駄目な主婦そのままじゃないか?
勝手に動き回ってもろくな目に遭わないことは目に見えているので、暇で暇で仕方がない
すると、何人かが席を立ち、私の方に向かってくる
助けを求めてキャルシーさんの方を向くが、話に夢中で気づいていない
……いや、違うな
これは気づいているけど放置しているやつだ
今一瞬目が合ったぞ
なんて性格の悪い
まあ、私もそうするが
にしても、まずいな
3パーティーくらいいるぞ
3人じゃないんだよ
パーティーだよ
規模が一つ大きいんだが?
「おいガキ。ここに自分から来るとは、どうやら死にてぇみたいだな」
拳を鳴らして牛の獣人が近づいてくる
種族も気性の荒さに関係するのだろうか?
頼むから落ち着いて戻ってほしい
そんな願いも虚しく、ぞろぞろと集った獣人たちは私を取り囲み、威圧的な態度で私を睨む
ウルとラナは円の外側なので安全だろうが、私が目の敵にされている理由を説明してほしい
理由も分からずリンチされる趣味は無い
だがしかし
こういう気の立った相手に、その理由を聞くなんて、ほぼ煽っているようなものだ
私は満足するかもしれないが、状況が悪くなるのは間違いない
結果的にどちらが得かと考えれば、黙っているのが正解だろう
はぁ…
どうにかして逃げられないかな〜
逃げられなさそうだな〜
やるしかないのかなー
対人訓練だとでも思いますか…
体格も力も間合いも数も負けている相手とどう戦うか
素早さでどうにかするしかないな
上手いこと翻弄できればいけるか?
「なに俯いてんだ?そんなに怖いなら来なきゃよかったのになぁ」
「そう見えますか?それはまあ随分と節穴ですね」
「なんだと?」
少しばかりイラッとしたので言い返してみたら、その獣人は牙を剥き出しにして私を威嚇しだす
短気なようで何よりだ
「そうか分かった。……二度と舐めた態度を取れないよう、徹底的に教え込んでやる!」
獣人の一人が拳を振り上げる
これで大義名分はできた
後は私の動き次第だ
その後、私とウルとラナの3人で全員返り討ちにした
案外良い訓練になった
改変済みです
戦闘部分書けば伸びるんでしょうけど、省略でいいかなって




