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転生吸血鬼は自由に生きたい  作者: かきごおり
1章 転生とは(哲学)
7/419

時には逃げるのも大事

周囲にあるものを片っ端から『鑑定』し、時間を潰す


『暗黒樹』

暗く魔素が濃い場所に生息する

丈夫で魔力との親和性も高いが、加工は困難を極める


『魔力土』

魔力を含んだ土

魔草が育つ土壌


『魔緑草』

魔力を含んだ草

ポーションなど多岐に渡って使われる


《鑑定のスキルレベルが上がりました》

《気配感知のスキルレベルが上がりました》

《隠密のスキルレベルが上がりました》


大量の情報が一気に流れ込み、脳が混乱しかかけたので、説明を無理矢理要約して飲み込む

ちょっと調子に乗った

無茶はするべきじゃない

一旦頭を冷やすことにした

別の傷を負っては意味がない



少しすれば、身体がかなり楽になってくる

よし回復したな!

次はここらの探索をしようかな

いつまでもここで立ち止まるわけにはいかない

ここで生き抜く自信は無いので、できれば早めに脱出したい


すると、すぐ側の茂みからガザガザという音が聞こえる

音はそれなりに大きい

よって、その音の原因も大きい

こういう時、不用意に大抵近づいた奴は死ぬ

なので距離をとって警戒する

不用意に逃げた奴も死ぬからだ


突然、茂みの中から素早く何かが飛び出してくる

俺は咄嗟に横に跳び、それの突進を避ける


大きさや形は大型犬そのまま

だが、銀の毛並みは荒々しく野性味が溢れている

鋭い牙は狩りの本能を表し、鋭い爪は生存の意識を示す


何だこいつ

狼か?

見た目は狼そのものだ

本物を見たことは無いけど

まあ、ただの犬ってことはないでしょ

ただの狼ということもないだろうね

取り敢えず…


「鑑定」


================================================================


種族:フォレストウルフ

LV45/80


状態:通常

筋力:136

耐性:121

俊敏:143

魔力:84


================================================================


脳内に自分のステータスに似た情報が浮かび上がる

違う部分は数値と、スキルや称号が見えないところか


さて、どうしようか

名前からして魔物なんだよなぁ

そんなのに勝てる気がしないんだよなぁ

過酷な自然を生き抜いてきた野生動物に、平和な国で平穏に暮らし、自衛手段を放棄した元人間(学生)が勝てるとでも?

無謀にもほどがある


念の為、両手を挙げて敵意が無いことを伝えようと試みるが、オオカミの顔に映るのは変わりのない明確な敵意

低く唸り声をあげて、俺を威嚇する


……どう見ても和解の道は無さそうだな

ステータスも魔力以外負けてるし、数値的にも絶望的

こういう時、取るべき行動は一つ

狼を睨みつけ、姿勢を低くする

オオカミに獲物を狙うかのような視線を送り、観察する

そして、オオカミの身体が止まったのを確認し、一気に身体の向きを反転させる

低い姿勢のまま、力一杯地面を蹴り、立ち塞がる木々の間をすり抜ける


ダッシュ!

逃げろー!


少し走ってから気付く

待って俊敏負けてたじゃん

これ、追いつかれるやつでしょ

計画の破綻具合が酷い


だが、一度走り出したら止まれない

止まればそれこそ終わりだ

極限状態での迷いはあってはならない

たとえそれが間違いでも、突き進まねばならない


捕まったら死

恐怖の鬼ごっこの開始である


こんな形でデスゲームなぞやりたくなかった

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