表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/82

火事

鈴音視点です

「…けほっ」


煙が辺りを包み込み、息がしづらくなる。

消しても消しても火は容赦無く家を燃やす。

私一人じゃ消化出来なくて…


ススだらけの手を見つめる。役立たずの腕を握りしめる。

こんな事しても無駄なのはわかっている。でも…自分の無力さに嘆きたくなったのだ。

もう一回死ぬのかな…もう逃げ場はない。


赤が辺りを包み込み、逃すまいとゴウゴウ燃える。

勢いは増し、水を掛けようが砂を掛けようが消える気配はない。


「…ははっ。」


結局自分は《出来損ない》だったな…死ぬ前に人の役に立ちたかったのに…立てなかった。

救いたかったのに救えなかった。

やっぱり自分は無力だ。何も出来ないいらない子…


最後にこの村…助けたかったな…

火、消えてくれないかなぁ…私の命を代償に鎮火してくれないかな…

そんないい話あったら良かったのに。

人生、そう甘くない。


…最後に見えたのは光る自分の両手だった。

遅くなりましたぁ!!!

すいません!(スライディング土下座)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ