心の妖精
鈴音視点です
「とりあえず、村に降りよっか。」
「あ、うん。」
ピンクのイルカさんはちょっと離れてとでも言うようにシッシ、とやってくる。
二、三メートル離れると、ピンクのイルカさんは大きく息を吸い込む。一瞬周りの空気が薄くなった気がする。
ポフン、と可愛らしい音を立てて大きくなるイルカさん…
「え…?」
「さ、乗って〜!ひとっ飛びするよー」
何が起きた。なんで大きくなった。空気吸い込めばデカくなるってやつ?何その謎理論…
「…ねぇ、名前なんていうの?」
「あ、入鹿鈴音…」
「私はハート。姫様の魔力から生まれた心の妖精だよ!よろしくね!鈴音!」
「うん。よろしくねハート!」
心の妖精か…じゃあ他の五体も何かの精霊って事なのかな…?
「ねぇ、ハート。ここはどこなの?」
「え?村はずれの森。」
「あ、いや…そういう事じゃなくて、この世界は何?」
「何って…何、鈴音は別の世界から来たの?」
「…うん。」
「…マジかぁ!だから見た事ない格好してたんだね!多分なんかの拍子に時空が歪んでここに来たんだよ。」
「へ〜…」
飛び降りた時に運悪く落ちちゃったのか…
じゃあ私はこの世界の冒険が終わらないと死ねないってことか。
まぁ、死ぬ前に人助け。悪くない。きっと神様が喜んでくれるはず。
ゆるりと弧を描く私の口。それと一緒にハートもニコニコと笑っていた。
キャラシ!
ハート
姫様の魔力から生まれた心の妖精。ハートの髪飾りをつけたピンク色のイルカ。どんなサイズにもなれる。主に使う魔法はヒールと防御とキッスアロー(別名天使の口づけ)
元気いっぱいおてんばちゃん。