誕生会
豪勢なお城に華やかな飾りが施される。
キラキラと太陽の光を受けて輝き、より一層豪勢に見える。
そんなお城の庭に沢山の人が集まっていた。
「今日はわたくしの為に集まって下さり誠にありがとうございます!」
小さな女の子がスカートの裾を摘み、可愛らしく会釈する。
「今日はシャナの10歳の誕生日だ!思う存分飲んで食べたまえ!!」
王様の掛け声で一気に会場は賑やかになる。
豪華な食事が並び、高そうなお酒も出てくる。
その中に一人、怪しげなピエロが佇んでいた。
「お嬢様の為に私が手品を披露しましょう。」
スッ、と人前に出て、笑顔を貼り付けるピエロ。
道化師はわざとらしく手を広げ、人々の視線を集める。
無邪気な笑顔を浮かべて姫様はピエロに近寄る。
「手品?やってやって!何してくれるの?」
キラキラと汚れを知らない瞳は可愛らしく小首を傾げる。
「ふふ…今から姫様の魔力を奪いまぁす!」
「…え?」
手をパンッ、と叩けばピエロの手には6個のオーブが現れる。
会場が水を打ったように静かになる。
ピエロはニヤリと笑う。
「これを世界中に飛ばしまーす!」
ぽいっ、と空中にオーブを投げるピエロ。
キラキラと線を描きながらオーブは散り散りに飛んでいく。
姫の魔力は世界の調和を保つ為にある魔法を使う。それは一族代々伝わる魔法で姫しか使えないのだ。
その魔力が失われたとしたら…
世界は崩壊する。
「ぃ、や…!」
「ふふっ、せいぜい楽しめばいいさ。」
そう言い残して消えるピエロ。
最悪の誕生会となった。
遅れてすいません。
バレンタインのブツを配り回ってました←