イルカのお願い
「お願い!助けて!!このままだと…世界がぁ!!!」
「え、ちょ、落ち着いて?」
私に飛びつきギャン泣きするパンク色のイルカ。
え、君地上にいるけど大丈夫なの?乾かない?てか、ピンク色?!
「姫様の魔力がぁ!!あのクソピエロの野郎に取られて、それで…それで!!!」
「う、うん?一旦、一旦ね?落ちつこっか…」
「ああああああああああ!!!私がもっと強ければ!!姫様は拐われなかったのに!!」
「…落ち着いて?」
「うぅぅぅぅ…姫様ぁ…誕生日の日に…」
…ダメだ。日本語通じないこの子。
落ち着いてもらうまで待つか。
「という訳で、世界を救って欲しいんです!!」
「という訳だってどういう訳?」
「こういう訳!分かる?」
「いや、理解出来ないんですけど…」
うーむ、と唸って私の肩をガシッと掴んでくるピンク色のイルカちゃん。
「じゃあ、説明するから目をつむって」
「え、うん…」
何が何だか分からないまま、言われた通りにする。
目を瞑った途端、意識がぷっつりと切れた。
キャラシ
入鹿 鈴音
死にたがりの少女。肩甲骨辺りまでの黒髪を下ろしている。黒いセーラー服を着ている。
意外と面倒見が良く、困っていたらほっておけないたち。