襲われ体質
人生最大のピンチ!?これからもしかして、モノホンの修羅場ってやつ!?
吉岡さんが小さな声で言った。
「やっと二人きりになれた。」
やっと?二人きり?怖い怖い怖い怖いぃ~!!
吉岡さんはどんどん近づいて来て、うわっ殴られる。と思って防御をすると…………?…………殴らない?
「はい。これ。」
「これ…………?」
そこには、恐らくチョコレートであろう箱が差し出されていた。
…………ば、爆弾!!
「何驚いてるの?友チョコだよ?」
友チョコ…………。
これは…………受け取るべきか否か……。吉岡さんは愛理の言う、知らない女子には当てはまらない。でも、私は吉岡さんが聡を好きという事を知っている。これは爆弾!?それともただの友チョコ!?どっち!?
「うんん。やっぱり本命。」
えぇえええ!それ、余計受け取りづらいけど!どっち?ねぇ、どっちなの!?
「なんてね。冗談!」
し、心臓に悪い…………!!
吉岡さんはチョコを一旦跳び箱の上に置いて、話始めた。
「あのね、私、初めて人を好きになったの。初めて、人にドキドキしたの。だから…………わかってくれるよね?」
吉岡さんは…………そう言って近づいて来た。私は後退りして、とうとう壁に追い詰められた。
「だから、お願い。もう一度、私に技をかけて。」
「…………は?」
「だから……その、私、山下さんに技をかけられた時、すごくドキドキしたの。」
いやいや!!そのドキドキ違う!なんか違う!!
「それで、このドキドキは恋なんだって事に気がついたの!」
違う!!絶対違うよそれ!完全に勘違いだよ!
すると、吉岡さんは壁ドンをして言った。
「私、山下さんが好きなの。山下さん、私と付き合って。」
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って!!」
今、正に……女子から壁ドンされました。見事な壁ドンでした。聡がつきまとわれ体質なら…………私は襲われ体質だな……。
初めての告白は…………女子からかぁ……。




