反省
ショートカットに髪型を変えると…………今度は、何故か女子にモテた。
聡と歩けばBLだと言われ、愛理と歩けばGLだと言われ、その前はアマレスで、その前は呪いの墓…………私の終着地点はどこなの?
そんな時、たまたま廊下でゆたか君とすれ違った。
「ミアちゃん?髪型、思いきったね~!」
「変…………だよね?」
「え?変じゃないよ?」
いや、変だろ。
「いや、やっぱり変だよ!この髪型したら…………女子に告白されたんだよ!?」
私が大外刈をかけた女子の1人が、告白してきた。どこがどうなって大外刈から愛が芽生えるのか、私にはわからん!
「あ~!…………あ、そうなんだ~。」
今一瞬、納得したよね?ねぇ、したよね?
「確かに……これじゃますますお姫様は遠退くね~。」
それ、笑顔で言う?言っちゃう?
「今度は、私が王子様になろうかな?」
「王子様か…………木本…………木本は僕が思ってるような王子様じゃなかったよ。」
は…………?
「ミアちゃんを探しに来た時、知ってる事全部吐けって脅された。あの時の目はもう王子様ではなかったよ。殺し屋みたいな目をしてた。ミアちゃんの為に、王子様ではいられなかったんだね。」
聡がゆたか君の家へ探しに来た?ゆたか君を脅した?あの聡が?まさか!
「ちょっと待って!どこまでどう説明したの?」
「ミアちゃんは初めてだったって。」
てんめぇ~!!私はゆたか君の胸ぐらを掴んで壁ドンした。
「あ、嘘!嘘!冗談!冗談!」
「趣味の悪い冗談やめて!」
私は手を離した。
「本当に暴力的だね。同級生ボコるとかやめなよ?」
「ボコってないから!」
あれはボコってない!連続大外刈の練習しただけだから!
「普通に、川に落ちて、寒空の中で携帯探してて、家でシャワー浴びて帰ったって」
「そうだ!服借りっぱなしだったね!」
「こっちにも全部置きっぱなしだよ。」
思えば、ゆたか君にはお世話になったけ…………。
「ミアちゃん、これだけは言っておく。優しい人に、裏がない人ばっかりじゃないからね?」
どうゆう事…………?
「やめてよ。人間不審になるような事言わないでよ。」
そりゃ……ゆたか君は裏ばっかりだけどさ…………。
でも結局、あの夜の事は私は何も思い出していない。聡からも何も聞いてない。聡が私を見つけたとしか…………
聡はどんな思いで探して…………どうやって私を見つけた?私は何も知らない。それなのに……『危機感で息苦しくなるぐらいなら襲われた方がマシ!』なんて言ってた。少し反省しよう。反省して、我慢しよう。




