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関係ない

私はその後熱が出て、数日後退院した。退院後、すぐに木本家に向かった。暦の上ではあっという間に大晦日だった。


すると、ミナさんが家のドアの前に出て来て言った。

「寒っ!寒いのにごめんね。聡に中に入れるなって言われてるんだけど……何かあった?」

「ミナさんその格好じゃ風邪ひきますよ?私の事は気にせず、中に入ってください。また着ます!」

私が帰ろうとすると、ミナさんが引き止めた。


「あ、待って!今から時間ある?お昼、ランチしに行こうよ!」

「は?」

「だって、中に入れるなって言われたけど、外で会うなとは言われてないからね~。」

ミナさん…………。


私とミナさんは店長のレストランへ行って少し早いランチにした。


「あの、どっから話せばいいのか……」

「どこからでも。」

私はミナさんに全部を話した。他に産みの親がいた事、その親と会ったら眠らされて、約束の時間を寝過ごした事。その後、橋で人とぶつかって川に落ちた事。元彼の家で綺麗にさせてもらって、夜の12時前に元彼の家を出た事。そこまでははっきりと覚えてる。


「あの、私、お酒飲んだ覚えとかないんですけど、絶対自殺なんてしませんから!」

「わかってるよ。」

「え?」

あまりにアッサリと信じられて、少し肩透かしな感じがした。


「聡から聞いた。ミアを見つけたのは…………あの女の部屋だったって。」

あの女…………?

「あの…………その『あの女』とは、もしかして、私が以前プロレス技かけた…………メンヘラ女?でしょうか?」

「あははははは!ミア、あいつにプロレス技かけたの?ウケる!」

「それで……恨みを買って……。じゃあ、私のせいだ……。」

なんてバカだったんだろう……。こんな事になるなら、技なんかかけなきゃ良かった……。


「ミアのせいじゃないよ……。聡を王子様にさせようと、沢山の人に勘違いさせるように育てた私達が悪い。」

「いや、それも……王子様が好きって言ったのは私らしくて…………」

これも覚えてないけど……。

「もし、言ったのがミアじゃなくても、王子様に育ってたよ。」

それはそうかもしれない……。女子はみんな王子様がいいよね。私じゃなくても誰かが言いそう。


「だから、つきまとわれ体質になったらのは聡と私達のせい。ミアのせいじゃないよ。ごめんね。ミアを巻き込んで……。」

私が……巻き込まれた?なんだろう……。そう言われると、私は関係ないって言われるみたいで、それはそれでも寂しい気がする……。


「ミア、心配しないで。もう、二度とあいつに襲われる事はないようにするから。」

それは…………どんな方法ですか?それは、ミナさんも私も聡も、みんながちゃんと笑顔になれる方法ですか?


「ミアちゃん!久しぶり~!隆、元気?」

そこへ店長がやって来た。

「店長!お久しぶりです!」

「もう店長ではないかな?」

えーと、店長の本名……覚えてないな~。

「隆、あの後飲み行ったらすっげー落ち込んでてさ~」

嫌な予感がする…………いや、嫌な予感しかしない!!ヤバヤバヤバヤバヤバ…………!!


ここからか!アケミじゃなくて、ここから漏れたか!!あの時ショックすぎて店長に完全にノーマークだった……!!


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