白いもやの中
夢を…………見た。
全体的に白いもやがかかってて……良く見えないけど、部屋?窓から庭に出られる。庭に出ると、すぐ近くに川が見えた。ここはきっと…………
部屋に戻ると、小さなテーブルが真ん中にあった。そこには、小さなスケッチブックが置かれている。誘われるように開いてみると、中には…………王子様とお姫様の絵があった。これだ!私が探してた挿し絵!挿し絵…………?
すると、誰かから呼ばれた。
「ミア!ミア!」
…………誰?
ここは…………寒くて…………何だか眠くて…………
ガシャン!!
窓ガラスの割れた音が聞こえた。
「え?」
その後、学ラン姿の隆兄が窓ガラスを開けて、土足で入って来た。
「ママ……?」
「母親はもう来ない。死んだんだ。」
「しんだ?」
死んだの…………?私も…………死ぬの…………?
「死なない。死ぬな!!戻って来い!!」
こうして私は、隆兄に抱き抱えられて、白いもやの中から抜けだした。
隆兄?隆兄にしては…………華奢なような……。暖かい。やっぱり…………誰かに抱き締めてもらうのって……暖かいね。
目が覚めると、そこは…………病院のベッドの上?だった。え?病院?何故?




