約束
愛理が言った。
「泊まった?」
ミナさんも言った。
「泊まったの?」
祐兄が言った。
「泊まった!?」
隆兄が祐兄から聞いて…………
「泊まったぁ!?」
そして、愛理が言った。
「でも別れたよね?セフレじゃん。」
ミナさんも言った。
「それセフレ?」
祐兄が言った。
「セフレか?」
隆兄が…………
「許さん!!絶対に許さん!!」
「まぁまぁ、隆、ミアちゃんももう高校生なんだし。」
アケミさんが何とかなだめてくれた。
って…………広まるの早すぎ!!しかも、セフレじゃない!!寝てないし!!一緒に寝たけど寝てないし!!
あーもう!テストは散々だし、噂は広まるし……。職員室に呼ばれるし……。もう…………散々だ……。
それでも聡は上機嫌だった。
「ミア、イブの予定は?」
「家でクリスマス会」
「え?」
愛理がたっちゃんと付き合い始めてからは、毎年山下家でクリスマスパーティーをやっている。
「聡も来る?」
「家に来るのかと思って……」
「あ、聡の家もパーティーやるの?じゃあ今年はそっちに参加しようかな~!女子会!」
聡がいるから女子会ではないか。
「あの…………クリスマスイブは、デートしよう!」
「え……やだよ。クリスマスどこも混んでるし。」
「えぇっ!バッサリ!!」
クリスマスイブにはクリスマス会の他に、予定があった。常連さんの部屋にお邪魔する事になった。
「常連さんって信用できる人なの?」
「わかんないけど……普通のお姉さんな感じだから、大丈夫っしょ。」
でも…………
「イルミネーション見に行くなら…………混んでても行く。」
私達は約束した。広場の大きなクリスマスツリーの下で待ち合わせして、クリスマスイブに、恋人らしくデートをしようと。




