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真っ白

気まずさ…………ハンパない。デシャブ!!


結局、アケミさんは詳しい事は何もわからなくて…………今日はナミさんから発表があるという事で、木本家に呼び出された。リビングには、聡も来ていた。あれから、聡とはギクシャクしてギクシャクして…………


発表ってなんだろう。


「えぇええええ!!ナミさんと祐兄が婚約!?」

「このたび、ミアの姉になりまーす!」

「ちょっと待って!プロポーズは?プロポーズはどっちから?祐兄がプロポーズとか、恐ろしく想像つかないんだけど~!」

あの、ゲスで卑屈な祐兄が、プロポーズ!?あり得ない!

「どんなプロポーズか知りたい?」

「知りたいです!祐兄の甘い言葉は気持ち悪いけど、どんなプロポーズかは凄く気になる!」

「えっとね、『俺との結婚は厳しいぞ?お前が働いて稼がなきゃいけない。子供も産んでもらう。家事と子育ては任せろ。それでもいいなら俺と結婚しろ。』だって。」

それを聞いたみんながドン引きした。


そして、その場が静まりかえった。

「これ…………プロポーズなの?」

「プロポーズだろうね。」

「しょっぱいなぁ……。塩辛いっ!!全っ然甘くない!人生甘くない!!ナミさんこれでいいの?祐兄こんな感じでいいの?」

これのどこを好きになってんの?全然理解出来ない!!

「こんな感じだから好きになったの~!これ、何も飾らなくてちょ~現実的なプロポーズでしょ?」

ク……クレイジー!!


「華やかではないけど、私が欲しかったのは目に見える未来だから。」

ナミさんはそう言って笑っていた。


帰りに、聡が家まで送ってくれた。聡とは…………学園祭の後、何度も謝ったけど…………気まずいままだった。

「何だか……嬉しそうだね。 」

「だって、二人とも、大好きな二人だもん。聡はさ……お兄ちゃんが欲しいから私と結婚したいって言ってたよね?ナミさんが祐兄と結婚したら…………兄弟になるね。私と付き合わなくても…………」

「そうだね。じゃあ…………別れる?」


え…………?意外だった。イエスなんて言えない。でも、ノーとも言えなかった。

「…………聡が……そうしたいなら……。」


お願い……。そうだと言わないで。


「じゃ、そうしよう。あ、その代わり、友達としては家に遊びに来てよ。」


頭が真っ白になった。真っ白になって、その後、聡の声も何も聞こえなくなった。


いとも簡単に…………私達は別れる事になった。


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