相談
あっという間に学園祭前日になった。
私は準備を進めながら、愛理に相談に乗ってもらっていた。
「そっか…………それは探すの難しいね……。探偵、使うとか?」
「使うって…………そんなお金ないよ~!」
「でも、まさか産みの親がいるとはね~漫画やテレビの世界かと思ってた。」
私もそう思ってた……。
「実際、それを知ったからといって、何かが変わる訳じゃないんだけどね。」
「そう?見る目が変わったよ?」
え…………?
「レア感半端ない!ミアが芸能人に見える!」
「そっちか!」
そんなレア感いらんわ!本当に、ドッキリならどれほど良かったか……。
「何か手がかりは?家の住所とかは?」
「それ覚えてたら探偵いらないよね?探偵使い損だよね?」
何か覚えてる事…………?私はミスコンのポスターを見て思い出した。
「お姫様と…………王子様…………。」
「は?」
「絵本の挿し絵…………お姫様と王子様の絵本!!」
隆兄が不機嫌になった…………あの、絵本!!あの絵本の事を調べれば何かわかるかもしれない!!
卒園した幼稚園に行っても、私を知る人はもう誰もいない……。まずは、帰って卒園アルバム!卒アルを探そう!
「でもさ、産みの親探すって、ちょっと気が引けない?」
「え…………?」
「だって…………それって、育てのお母さん、裏切る事にならない?」
そう言われてみれば…………確かに、そうだ……。
今の今まで私…………ママの事……全然考えてなかった……。
「ミア!こっちは準備できたよ。一緒に帰ろう!」
「あ、聡と帰るの?じゃ、ミアまた明日!」
「待って!聡、今日は愛理と帰るから。」
まだ……愛理と相談したい!
「なんで~?聡にも相談乗ってもらえばいいのに!」
「相談?何?何?僕何でも相談に乗るよ?」
「いい。聡には相談しない。」
そう言った瞬間、聡の声が小さくなった。
「どうして…………?」
「だって…………お兄ちゃん達にすぐバラすから。」
本当にバレて欲しく無いのは、隆兄とママ……。あの二人にバレたら確実にあの二人の耳に入るはず。
「…………そんな…………僕がいつ、何をバラした事があった?!」
え?急に……聡が大きな声を出した。
「どうしたの?そうゆう事を言いたいんじゃなくて…………うーん。とにかく愛理と帰るから!」
「じゃあ、明日!明日は一緒にいられる?」
「うん。いるから!じゃ、愛理、帰ろう!」
そう言って聡と別れた。
「ミアの方が……どうした?」
「え?」
「聡に全部話せばいいじゃん。らしくない。」
らしくない…………?全部話す方が私らしい?全部話して……嫌われたら?
「怖いんだ……。全部話して…………嫌われるのが怖い。」
愛理は、そんなわけないじゃん!と笑っていたけど…………




